SBM&イーモバイルのMVNOの件

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イー・モバイルの回線をソフトバンクモバイルがMVNOでサービス検討中という話について整理してみる。

1.提携する内容について

SBMとしては課題となっているトラフィックの逼迫と、それを踏まえた上で加入者数を増やす必要があって、トラフィック増大に耐える設備投資をするには莫大なコストがかかる。
SBMは最近、昼間時間帯のみのPCデータ通信の定額サービスの実験的な販売を行っているが、時間帯の制限がある事を見れば、やはりネットワークに余裕が無いという事は明らか。

そこをイー・モバイルと組んで回避するというのは、経営的には理にかなっている。

ここで1点気になるのが、MVNOでの提携による両者の事業メリットについて。

基本的にMVNOでビジネスをするためには、MNO(この場合イー・モバイル)から回線の利用(契約数とか帯域とか)に対して仕入れを行って、それにある程度の利益を見込める金額を乗っけてエンドユーザへ販売する。
仮ににMVNO事業者側で付加価値が無ければ、ユーザとしてはMNO側との直接契約を行った方が安くすることが出来るので、MVNOにはMNOが提供する事の出来ない付加価値を加える事が求められる。

自社で直販を行っているMNOとしては、自社で顧客になり得るユーザを、MVNOによって奪われる事は避けたいわけで、今回の提携はSBMにとってはネットワークの増強にかけるコストと時間を短縮できるメリットがあるけれど、そもそも利用可能なエリアが広がるわけでは無いイー・モバイルにとって、仮にSBMの力を借りて販売力を増強したところで、圏外のエリアでは自社の製品つぃては商品にならないわけで、イー・モバイルにとってメリットは何だろう?と言うギモンがあった。

そこで、本件に関して石川温さんのエントリから引用。

だが、1枚のSIMカードで2つのキャリアを使い分けるというのはちょっと無理がある。ここからは推測になるが、もしかするとイー・モバイルに接続する際はイー・モバイルの電話番号、ソフトバンクモバイルにはソフトバンクモバイルの電話番号を使うのではないか。となると、SIMカードは2枚必要になる。

 つまり、ユーザーがデータ端末を購入すると、2枚のSIMカードが付いてきて、イー・モバイルとソフトバンクモバイルの2回線の扱いとなるのではないか。そうすれば、両社とも1ユーザーとしてカウントされる。NTTドコモの「2in1」ならぬ「2キャリアin1」だ。

「WiMAXについてもMVNOで使いたいと要望を出している」と語った孫社長=5日

 おそらく端末は、2枚のSIMカードを同時に差すようになっているか(海外では音声端末でデュアルSIMカード対応モデルがある)、ユーザーがいちいち2枚のSIMカードを抜き差しするのだろう。

ソフトバンクモバイルとイー・モバイルの「理にかなう協業」とは

SBM&イー・モバイルに対応したデュアルSIM端末を販売するのであれば、SBMの販売網に乗っかる形でイー・モバイルに対応した端末を販売できるし、SBMにとってはPCのデータ定額などトラフィックの高い通信を、イー・モバイル側で負担してもらう事で両者にとってメリットがありそう。

ただ、デュアルSIMに対応した端末が日本のキャリア経由で販売されたことはこれまで無いので、顧客対応の切り分けとか、端末に入れられるロゴをどうするとか、ユーザ側でのキャリア切り替え操作をどうするかとか、色々と厄介な問題は残りそう。

2.MNOによる責務を果たしていない?

今回の提携でもう1つ話題になっているのが、免許を受けて参入してMNOであるソフトバンクは、自社で設備投資をしてービスを提供するべきではないか?MNOがMVNOでサービスを受けるのは、免許事業者であるMNOとしての責務を果たしていないのでは?

という指摘が、MVNO協議会からなされている。
MVNO協議会、ソフトバンクのMVNOに意見表明(ケータイWatch)

個人的な見解としては、MNOによるMVNOが是か非かと言うと、『ソフトバンクだけがMNOなわけではなく、ユーザとしては他のMNOを選ぶ事も出来るのでMNOがMVNOで回線借りる事は絶対間違っている。』とは思わないものの、SBMのネットワークインフラに対する投資が十分かそうでないかと言うと、十分だとは思っていない。

先日発表のあったS-1バトルとかを見ていると、ネットワークインフラが第一というよりも、ネットワークインフラに過度の負荷をかけない方向のサービスをうまく出していって、ARPUをあげたいという方向性を感じる。

決算発表の中では、『基地局を5万局まで増やした』と孫社長のコメントにあったけれど、これは『基地局』だけじゃなくて、レピータも含めての数字だったと記憶していて、それを単純に『基地局を5万局に増やした』とするのは数字のトリックではなかろうか。

ネットワークインフラの弱さを表す例として、1月分の契約者数の純増は21ヶ月連続の首位となってはいるものの、12万の純増のうちの90%が東京での増加となっており、東京以外の地方においては、純増しているわけではない。
と言う事を、こちらのエントリから知ることが出来る。
東京以外での純増が鈍い点について明確な理由は定かではないが、地方ではネットワークが弱いという点も影響しているだろう。

3.まとめ

とまぁごちゃごちゃと書いたものの、何はともあれユーザにとってメリットのある提携であれば、基本的には歓迎したいので、正式なサービス発表を楽しみにしています(^ ^;