下り最大370Mbps・大容量バッテリ・サイズほぼ据置の「W03」のスペックレビュー – ハード完成度は高いが速度制限が惜しい

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KDDIは2016年夏モデルとして、モバイルWi-Fiルータ「Speed Wi-Fi NEXT W03」(Huawei製)を発表。最大の特長としては、3波キャリアアグリゲーション(CA)対応により通信速度が下り最大370Mbpsまで高速化されている。

■Speed Wi-Fi NEXT W03(HWD34)
下り最大370Mbps対応のモバイルWi-Fiルータ「W03」
下り最大370Mbps対応のモバイルWi-Fiルータ「W03」

下り最大370Mbpsは月間容量7GBまで、ただし容量制限の対象

下り最大370Mbpsに対応するのは、国内向けのモバイルWi-Fiルータとしてはドコモが発表済みのWi-Fi STATION HW-01Hと同等で国内最速ながら、W03で下り最大370Mbpsが利用可能となるのは、月間の通信量が7GB/月までの制限がある「ハイスピードプラスエリアモード」設定時のみで、月間容量制限の無い「ハイスピードモード」(WiMAX 2+のみ接続可能)での通信速度は、W01/W02と同じく下り最大220Mbpsとなる。

■W03が対応するキャリアアグリゲーションの組み合わせ&通信速度
2.1GHz帯(B1) + WiMAX 2+(B41):下り最大370Mbps
2.1GHz帯(B1) + 800MHz帯(B19):下り最大225Mbps
WiMAX 2+(B41) * WiMAX 2+(B41):下り最大220Mbps

通信速度(最高速度)がアップしているのは嬉しい反面、月間容量制限なし&月額料金の追加なしで使える「ハイスピードモード」設定時は、従来通りWiMAX 2+のキャリアアグリゲーションによる下り最大220Mbpsとなってしまうのは、高速ルーターで制限を気にせずに使いたい。というユーザにとっては残念。

下り最大370Mbpsなどが使える「ハイスピードプラスエリアモード」にて通信を行った場合、月間の利用料金に+1,005円(税別)の「LTEオプション」料金が必要となり、料金面で負担が増えるだけでなく、月間のデータ通信量が7GBを超えると通信速度制限(下り最大128kbps)の対象となってしまう。なおかつ、ハイスピードプラスエリアモードでの月間通信量が7GBを超えてしまうと、ハイスピードモードに設定を行っても同様の速度制限の対象となるため、ハイスピードプラスエリアモードでの「通信使い過ぎ」は特に注意が必要。

なお、下り最大370Mbpsサービスの対応エリアは東京の渋谷駅周辺にて開始後、大阪の梅田駅周辺、愛知県名古屋駅周辺、山手線主要駅周辺などへ拡大の予定。

NFC搭載、スマホやタブレットをタッチするだけで接続設定が完了

W03は本体にNFCを搭載しており、NFC搭載のスマートフォン・タブレットとのWi-Fi接続は、W03にスマートフォンをかざすだけで接続が完了する。同様の機能に対応するモバイルWi-FiルータはW03が初めて。
※一部機種では事前にHuawei HiLink(Google Play)をダウンロード・インストールしておく必要がある。

NFCを使ったWi-Fi接続のデモ動画は以下にて。

上記のデモでは、W03とスマートフォンを近づけるとすぐにWi-Fi接続が完了しているのが確認できる。W03とスマートフォンを接続するのが初めての場合はもっと時間がかかるのかを確認しようとしたけれど、残念ながら接続が正しく完了しなかったので試すことができなかった。

W03のNFCを使った「かざして接続設定」はNFCを搭載するスマートフォンであればKDDIのスマートフォン以外でも利用が可能、ただし、KDDIとして動作確認を行う機種はKDDIから発売された機種に限定される。

モバイルWi-Fiルータとデバイスを接続する際に「スマートフォンをモバイルWi-Fiルータにかざす」という接続方法は非常にシンプルでわかりやすく、(モバイルに限らず)Wi-Fiルータの初期設定に自信が無い。という方にとっては嬉しい機能と言える。
→個人的にも、複数のスマートフォンをモバイルWi-Fiルータに接続する際に、スマートフォンをかざすだけで接続設定が完了するのは非常に楽。

W03:主要スペック

■Speed Wi-Fi NEXT W03主要スペック
本体カラー:オレンジ/ホワイト
サイズ:幅120mm * 高62mm * 厚11.4mm
重さ:約127g
バッテリー:3,000mAh
充電時間:約130分 (共通ACアダプタ05使用時)
連続通信時間:約610分(WiMAX 2+、ノーマル時)
連続待受時間:1,040時間(WiMAX 2+、クイックアクセスモードOFF時)
対応通信規格:WiMAX 2+ / au 4G LTE
ディスプレイ:2.4インチ カラータッチパネル 320 * 240
最大通信速度:下り最大370Mbps/上り最大25Mbps
Wi-Fi規格:IEEE802.11a/b/g/n/ac
リモート起動:対応(Bluetooth接続)
同時接続数:最大10台

新規契約、機種変更時共に本体価格は一括で28,080円(税込)、月額料金からの割引である「毎月割は1,170円 * 24カ月」で本体価格と同額になり、いわゆる「実質0円」となる。

まとめ:ハードの完成度は高いが下り370Mbps接続時の容量制限が惜しい

W03は、W01およびW02から大きく本体サイズを変えず(並べていると見分けがつかないぐらい)に、通信速度が220Mbps → 370Mbpsまで高速化した上に、バッテリ容量も増量、NFC搭載によって従来機種よりもカンタンに接続設定が完了するなど、ハードウェアの面ではかなり完成度の高い機種であるように思う。

にも関わらず、最大の特長である「下り最大370Mbps」が利用可能なのは月間7GBまで(ハイスピードプラスエリアモードでのみ利用可能)となってしまっているため、超高速データ通信を容量無制限では使うことができない。

これは「下り最大370Mbpsでは月間容量制限の無いサービスを提供できない」という通信インフラ側の問題というよりも、WiMAX 2+のみが利用可能な「ハイスピードモード」は月間容量制限なし、WiMAX 2+とau 4G LTEが利用可能な「ハイスピードプラスエリアモード」は月間7GBまでとした、WiMAX 2+サービス開始時(2013年10月)のサービス内容がそのままW03にも適用されるため。という問題のように思う。

WiMAX 2+サービスは(結果的にユーザからの反発を招いたけれど)、直近3日間の通信量が3GBを超えると(緩やかな)速度制限が適用されるため、一切の通信速度・通信容量に関する制限無く利用が可能なサービスでは無くなっている。

個人的には、電波状況さえ良ければWiMAX 2+の通信速度に不満を感じることはほとんど無いけれど、端末側がより高速な通信に対応しているのであれば、直近3日間3GBの制限内で構わないので、より高速な通信速度で利用したい。というのが率直に思うところ。

もともと「ハイスピードプラスエリアモード」はその名の通り、WiMAX 2+だけでは安心して使うことが難しい場合に「より広いエリアで通信をする」ためのモードと言えたけれど、W03がハイスピードプラスエリアモード時のみ下り最大370Mbpsに対応、WiMAX 2+のみに接続できるハイスピードモード設定時は通信速度が220Mbps迄に抑えられてしまうのは残念。

なお、W03はKDDIから2016年6月4日に発売されることが発表されているものの、UQコミュニケーションズでの取扱いについては未発表。(恐らくほぼ同タイミングにて発売されるとは思うけれど…)

KDDIの商品説明ページは以下にて。
Speed Wi-Fi NEXT W03(スピードワイファイネクスト ダブルゼロサン) HWD34 | データ通信端末 | au

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