「LCC=安い」はもう古い?支払手数料値上げ・空港使用料支払などで乗客負担は激増

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ジェットスター・ジャパンは、2016年12月15日より日本国内線の支払手数料(クレジットカード払い)を430円→500円へと値上げすることを発表。

■ジェットスター:支払手数料の値上げを発表

ジェットスター・ジャパンの支払手数料は就航時点で200円に設定されていたため、就航時と比較して支払手数料は2.5倍に値上げされている。

■ジェットスター・ジャパン:クレジットカード支払時の手数料を値上げ
ジェットスター:カード支払手数料を430円→500円に値上げ
掲載元:お知らせ | Jetstar

過去に何度か紹介しているように、LCC各社の支払手数料は一貫して値上がりを続けており、従来は「高くても300円/区間」程度だった支払手数料が、2016年12月時点では500円〜600円/区間前後まで値上がり。

支払手数料の値上げ額が最も大きいのはバニラエアで、2014年4月時点では200円だった支払手数料が600円へと値上がりしている。値上がり額は400円で、当初の3倍。

●LCC各社の支払手数料の値上がり

航空会社 支払手数料(1区間)
2016年12月31日 2014年4月1日 値上げ額
ジェットスター 500円 300円 200円
Peach 440円 330円 110円
バニラエア 600円 200円 400円
春秋航空 430円 300円 130円

※日本国内線航空券を購入時、1区間1人あたり

LCC各社は、おおむね歩調を合わせて支払手数料を半年から1年毎に改定(値上げ)しており、見えにくい形で乗客の負担が増加し続けている。

このほか、空港使用料に関しても2015年4月に成田空港第3ターミナルが開業にあわせて、成田空港国内線のみの乗客も「旅客サービス施設使用料(PSFC)」の支払が新たに必要となった。(成田空港第3ターミナル開業前は乗客負担は発生していなかった)
※ただし、成田空港の旅客サービス施設使用料は2015年4月以来値上がりはしていない。

■成田空港 国内線利用時の旅客サービス施設使用料
成田空港 国内線利用時の旅客サービス施設使用料
掲載元:トラベルサポート 旅客サービス施設使用料(PSFC)および旅客保安サービス料(PSSC) | 成田国際空港公式WEBサイト

2015年4月から旅客負担が発生している「旅客サービス施設使用料」と、支払手数料の合計金額は以下の計算となる。

●LCC各社の就航時点と2016年12月時点での支払手数料 + 空港使用料の合計額

航空会社 支払手数料 + 空港使用料の合計
2016年12月31日 2014年4月1日 値上げ額
ジェットスター 880円 300円 580円
Peach 1,290円 330円 960円
バニラエア 980円 200円 780円
春秋航空 810円 300円 510円

※空港使用料については利用する空港(路線)によって価格が異なる。基本的に各航空会社の中で最も空港使用料が高くなる路線で計算。

搭乗路線や航空会社によって差があるものの、2014年4月時点と比べておよそ500円〜1,000円/区間ほど支払総額が増加している。「運賃が安いこと」が最大のウリであるLCCが、実際には各種手数料の値上げによって割安感が薄れているのは残念なところ。

特に、LCC各社の支払手数料の値上がりに関しては合理的に納得できる説明が行われることはなく「セール時に訴求する価格は安く抑えたい。一方、航空券価格として記載する義務の無い各種手数料を稼ぎたい」というLCC側の意向によって値上がりが続いているように思えるので、この点は個人的には強い不満を感じる。

加えて、支払手数料に関しては座席指定料や受託荷物の預入などの「有料オプション」と異なり、乗客としては手数料を支払いしても航空会社から得られるサービスは特に無い上に、原則として支払手数料が免除されることは無い。
※各種バウチャー・クーポンのみで支払する場合、支払手数料は請求されないことがある。

実際、航空券代そのものが割安なLCCのチケットを見つけても、支払手数料や空港使用料を含めて比較検討すると、フルサービスキャリアや新幹線などの交通手段の方がコストパフォーマンスに優れると思える機会は増えてきており、個人的にはセール価格以外でLCCに搭乗する機会がかなり減少している。

「いつでも気軽に使える移動手段」として、LCCには頑張って欲しいという思いもあるけれど、直近のLCC各社の手数料値上げなどなどを見ていると「文句が出にくいところから取れるだけ取る」という印象を受けるのは残念に思う。