EMOBILE LTE対応のモバイルWi-Fiルータとして、GL05P、GL06Pの二機種が新しく発表されたので、既存のGL04Pとのスペック比較と考察。
■EMOBILE LTE対応:GL04P/GL05P/GL06Pのスペック比較
機種名 | GL04P | GL05P | GL06P |
---|---|---|---|
メーカー | Huawei | AnyDATA | Huawei |
発売時期 | 2012年7月 | 2013年3月下旬予定 | 2013年2月28日 |
公衆無線LANへの接続 | 対応 | 非対応 | 対応 |
無線LAN方式 | IEEE802.11b/g/n | IEEE802.11b/g/n | IEEE802.11b/g/n |
同時最大接続数 | 10台 | 10台 | 10台 |
USBモデム としての利用 |
○ | ○ | ○ |
固定回線の APとして利用 |
非対応 | クレードルで対応 | 非対応 |
最大通信速度 |
[LTE] 下り:75Mbps 上り:25Mbps [EMOBILE G4] |
[LTE] 下り:75Mbps 上り:25Mbps [EMOBILE G4] |
[LTE] 下り:75Mbps 上り:25Mbps [EMOBILE G4] |
サイズ (縦、横、厚) |
66mm 120mm 14.5mm |
94mm 60mm 13.9mm |
56mm 90mm 19.9mm |
重量 | 約140g | 約108g | 約150g |
連続待受時間 |
約380時間 ※無線LAN OFF時 |
約480時間 ※無線LAN OFF時 |
約430時間 ※無線LAN OFF時 |
電池容量 | 3,000mAh | 2,500mAh | 3,560mAh |
連続通信時間 | 約10時間(3G/LTE共通) | 約12時間(3G/LTE共通) |
LTE接続時:約12時間 3G接続時:約11時間 |
その他 | UE Category4に対応しているため、端末としては下り最大150Mbps/上り50Mbpsに対応しているが、UE Category4のサービス提供時期などは不明。 | UE Category3に対応。帯域幅20MHz使用時に下り最大100Mbps/上り50Mbpsに対応しているが、20MHzを使ったサービス提供は未定。 | UE Category4に対応しているため、端末としては下り最大150Mbps/上り50Mbpsに対応しているが、UE Category4のサービス提供時期などは不明。 |
今回発表されたGL05PとGL06Pは、2012年7月に発売されたGL04P以来、約7か月ぶりの新製品となるけれど、GL04PからGL06Pについてはスペック的には大きな進化が見られない。というのは少々寂しく感じる。
GL04Pは発売された時点で、他社のLTE対応のモバイルWi-Fiルータと比べて連続通信時間が長い(発売時9時間、後のアップデートで10時間に延長)など、製品としての完成度が高く、発売後のソフトウェアアップデートによって公衆無線LANへの接続をサポートするなど、同時期に販売されていた他社のLTE対応のモバイルWi-Fiルータと比較して完成度が高い製品であったと言えるので、ある意味でGL04Pの段階で『やりつくしてしまった』と言えるのかも…(^ ^;
一方で、GL05PについてはPocket WiFi LTEシリーズ最軽量となる、重量を約108gに抑えながら、連続通信時間についてはGL06Pと同様の約12時間となっており、コンパクト&軽量でありながら、長時間の連続通信時間を実現している。
製品紹介などなどを見ても『コンパクト』や『軽量』である事をウリにしており、下り最大150MbpsのUE Category4への対応も見送っている事から、スペックにこだわらないユーザに向けた製品と言える。
その他、Pocket WiFi LTEでは初となるクレードルに対応しており、クレードルは別売りではなく製品に同梱されるため、自宅での充電や固定回線としての利用時などに活躍しそう。
EMOBILE端末のクレードル対応で言うと、Pocket WiFiシリーズの製品としては、過去発売されていたD25HW(初代Pocket WiFi)で使用可能なPocket WiFi Dock(F01HW)が発売された事があるけれど、こちらは別売りで8500円(定価)となっていたため、それほど利用者は多くなかったのでは。と思われる。
今回GL05Pで初めてクレードルを同梱するのは、イー・モバイルとしては自宅での利用については、イー・モバイルのネットワークではなく固定回線を使って欲しい。という意図の現れなのかも。
※タイミング的に、間もなくSoftBankのiPhone 5の利用者がEMOBILE LTEを利用するようになる予定という事もあり…。
自宅では固定回線を利用して欲しい。という事業者側の意図は理解しつつも、データ通信端末向けのEMOBILE LTEのサービスでは『LTEフラット』で3,800円/月がほぼ唯一の料金プランとなっており、通信容量に応じた価格設定になっていないため、GL05P限定でクレードルを同梱しても、既存のユーザを中心にトラフィックが減る方向でのインパクトは小さいのでと予想。
現在利用中の端末はGL04Pで、発表されたGL05PやGL06Pに乗り換えるか?と言われると正直微妙な気はしていて、UE Category4対応を諦める前提でであれば、端末がよりコンパクトなGL05Pに変更する。と言う選択肢はアリと思いつつも、端末代がそれほど安く無ければ、わざわざ機種変更するメリットも見出しにくいのが悩みどころ。
そんなわけで、これから新しくEMOBILE LTEを契約する場合は、GL05P/GL06Pが主力になると思うけれど、少なくともスペックを見た時点では、既存ユーザとしては積極的に欲しい!と思う要素は薄かったり…(^ ^;