「mineo」が開催したユーザイベント「第2回mineoファンの集い」の様子をレポート。
■第2回 mineoファンの集い
mineo 責任者の上田 晃穂氏による開会挨拶
■mineo責任者の上田氏
「大阪の家から、東京の会場までこのシャツを着て来た。」
と紹介する上田氏、家族からは「勇気あるなぁ…。」と送り出されたと語る。新幹線や駅などヒトが集中する場所では「あ!mineoの上田さんだ!!」と声をかけられることが「無かった。」エピソードを紹介して笑いを誘った。
第1部「mineoヒストリー」サービス提供開始から3年間をふりかえる
第1部はmineoの立ち上げからこれまでの3年間をふりかえる「mineoヒストリー」。
■「mineoヒストリー」を紹介する森氏
最初に、mineoの契約者数と、コミュニティサービス「マイネ王」の会員数が発表された。
mineoの契約者は72万件に成長している。
■mineo契約者数の推移
「マイネ王」の会員数も順調に伸びており、最新の集計では23万件を突破している。
■「マイネ王」の会員数は23万件を突破
2013年は、「MVNO事業立ち上げに向けた準備」の年。4月にMVNO参入を決定、その後10月にはブランド名を「mineo」に決定。
■2013年:MVNO事業立ち上げに向けた準備
mineoブランドの決定にあたっては、docomo、au、BIGLOBEなどのブランド名を開発した実績のある「XYXYZ」(ジザイズ)と連携した。
■ブランド決定にあたり「ZYXYZ」と連携
ブランド名となる「mineo」が「マイネオ」と読まれずに「ミネオ」と呼ばれるリスクがあるのでは?
という「マイネオリスク」については「それはそれでいいんじゃないでしょうか。」
と社内を説得、結果的に「ミネオ、峰雄、峰夫、峰男」などなど、インターネット上ではさまざまな「ミネオ」で呼ばれ、時には叱られつつも愛されるブランドへ育ったことが紹介された。
■「ミネオリスク」とブランドの成長
■2014年 mineoサービス開始の年
サービス提供開始の年となった2014年。6月のサービス開始時点では、業界初のau系MVNOであり、プランは1プランのみ、対応端末も1機種のみ、マス広告なしのスモールスタートとなったが、契約者数は計画数の4.3倍となった。
■マス広告なしだが、スタートダッシュは大成功
しかし、2014年に9月に、iPhoneやiPad向けの「iOS」が「iOS8」にアップデートされると、mineoサービスが一切利用できなくなるトラブルがあった。
このトラブルが、iOSの動作検証をどこよりも早くお知らせする体制の確立、および後のドコモプラン誕生に繋がったという。
■2014年9月に提供された「iOS8」でmineoが一切使えなかった
■iOSの動作検証を「どこよりも早くお知らせ」するための取り組み
サービス開始の翌年となる2015年は「とにかく新しいことにチャレンジしまくる年」として、1月には「マイネ王」をスタート、初のTVCM放送(有吉さん、ベッキーさん起用)の放映、7月には「mineo大阪」がオープン、9月にドコモ系プランの提供を開始、12月には「フリータンク」などが立て続けにスタートした。
■2015年「とにかく新しいことにチャレンジしまくる年」
ドコモ系プランの提供を開始したのは2015年9月、これにあわせて「mineo史上最大のキャンペーン」が行われたことで「ここからmineoの快進撃がはじまった」とされた。
■2015年9月から「mineoの快進撃がはじまった」
「今ではmineoの顔に成長した」と紹介される「フリータンク」に対しては「メリットが無いのに誰もフリータンクにパケットをINするわけがない!」や「そもそも利益を生まないサービスはやるべきではない!」などなどの意見が社内からもあったものの、サービス発表後のユーザからの反応はおおむね好評。
その後「グッドデザイン賞」など各種賞を受賞するなど、mineoを象徴する一つのサービスとなっている。
■2015年12月 フリータンク開始
サービス開始2年目となる2017年は、「Fun with Fans」に象徴されるように、ユーザと共にサービスを「共創」することをブランドコアとしていく方針を明確に。
実際に、「マイネ王」などで寄せられたユーザからの意見は社内会議での資料などなどの検討に活用されているという。
■2016年1月「共創」をブランドコアとすることに
また、2016年1月にはmineoのCMに出演するベッキーさんのスキャンダルが発覚、急遽新たなCMタレントとして「葵わかな」さんが急遽起用され、急ぎ足でCM撮影が行われたことが明らかにされた。
■2016年2月:「葵わかな」さんの新CM
mineo初のリアルショップとなる「mineo 大阪」は、大阪駅に直結するグランフロントという好立地や、mineoを提供するケイ・オプティコムは関西エリアで高い知名度を誇ることなどなどから、開業からしばらくの間は店舗オープン前に大行列ができるほどの盛況に。これをきっかけに、名古屋・関東などへmineo直営店がオープンすることに。
■2016年2月「mineo大阪」開業
この後、「mineoヒストリー」の紹介は二代目の責任者となる上田氏にバトンタッチ。同氏は、mineo責任者に就任する際に、以下のような所信表明を行った。
■二代目責任者となる上田氏の所信表明
●所信表明
まっすぐなmineo
イケてるmineo
ネットぢからのmineo
おもしろいmineo
うれしい!たのしい!大好き!mineo
上田氏の所信表明は、それぞれの文章の頭文字を「縦読み」すると、「マイネ王」となるが、「マイネ王」へ投稿してからしばらくの間は、何の説明も無く投稿されたため、マイネ王会員が縦読みに気付くまで、若干の時間を要したとのこと。
上田氏が二代目責任者に就任した直後に開催された「第1回mineoファンの集い」は、MVNOでは競合にもなるIIJをゲストに招待して開催された。
MVNO事業で競合するIIJを招待した理由として、mineoにとってIIJは「色々なお話がしやすいMVNO」であるとされ、競合ではありつつも、協力できる部分があれば協力的な取り組みができることも紹介された。
■第1回mineoファンの集い(2016年7月)はIIJがゲスト招待
■第1回mineoファンの集い(2016年7月)
この頃、mineoのドコモプランでは、「通信速度激遅」問題が発生。これに対して品質基準を「爆上げ」することが発表され、通信品質の増強スケジュールと、ネットワークの混雑スケジュールを天気予報に例えて紹介する「ネットワーク天気予報」が提供開始された。
■「ドコモプラン」に対する品質不満が発生
■ネットワークの増強予定や、混雑状況が予報で表示された
この後、2016年の大きなトピックスとして「フリータンク」が、MM総研大賞の話題賞、GOOD DESIGN賞、コードアワード2016 グッド・イノベーション賞を受賞するなど、各種表彰を受けたことにより、「フリータンクバブル」が発生、受賞の喜びからか、mineo側も「フリータンク」を積極的にプロモーションに用いるなどの活動が、フリータンクの容量枯渇問題に繋がった。
■2016年9月「フリータンク」が各種賞を受賞
年始からのCM放送などによって大きく知名度が向上したことや、「mineo 大阪」などの開業によってmineo取扱い店舗数が拡大したことによって、2016年にはユーザ数を大きく拡大することができたものの、同年にはキャリア系サブブランドの台頭や、(翌年にかけて)MNOの低価格プラン提供など、市場環境が変化する年でもあった。
■2016年のふり返り
2017年1月「マイネ王♪」で始まるCMによって、サービス名称の読み方とコミュニティサービスの認知を図った。
新CM撮影に立ち会ったとする上田氏は「葵わかな」さんについて「真っ直ぐで真面目な方、浮気はしないだろう。」と語り、前年の始めにCMタレント変更による一連の対応の苦労をにおわせた。
■2017年1月 新TVCM
2017年1月は、昨年後半より続いていた「フリータンク」の容量減少に歯止めがかからず、最も容量の少ないタイミングでは残容量が1.4TBまで減少。こ
の際は、上田氏も自らのパケット通信量をフリータンクに預け入れ(IN)するなどの対応を行ったが、「パケットを入れたらすぐに使われる状況」であり、フリータンクの利用に関するルール変更および、プロモーションで「フリータンクで容量が無料でもらえる」という類いのアピールをしないように変更が行われた。ルール変更後は、フリータンクの容量は落ち着いている。
翌2月には、東日本エリア初となる旗艦店「mineo渋谷」が渋谷駅前にオープンした。
■2017年2月「mineo渋谷」がオープン
「mineo 渋谷」に関する紹介は以下エントリにて。
また、新たな試みとして、mineoの長期契約者(1年以上)に「王国アイテム」を抽選でプレゼントする企画を開始。
2017年8月〜10月分のプレゼント品が公開され、8月はmineoウェア、9月はガジェット、10月はまいねおちゃんグッズがプレゼントされる。
■「王国アイテム」をプレゼント
次回の「王国イベント」として、2017年11月18日(土)に渋谷にて「mineo GREEN PARTY」が開催予定であることが明かされた。イベント内容については絶賛企画中。
■次期イベントは11月開催「mineo GREEN PARTY」
第2部:mineoクイズ大会、個人戦&団体戦
第2部となる「mineoクイズ大会」では、mineoにちなんだユニークなクイズが全10問出題され、正解すると1問ごとにmineoオリジナルグッズがプレゼントされた。
■第2部:mineoクイズ大会
■クイズ大会のルール説明をする「メタ坊」さん
■クイズ:mineoやフリータンクが受賞したことが無い賞は?
■クイズ:mineo責任者の上田氏の好きなドリカムの歌は?
一見すると「わかるはずが無い」というようなクイズでも、イベントの前半に行われた「mineoヒストリー」にてヒントや答えが隠されているほか、回答時にヒントが出されたことによって全般的に正解率は高めだった。なお、プレゼントされたいくつかの景品は、近日商品化が予定されているものも。
■マイネ王オリジナルトイレットペーパー
クイズ大会は、個人戦の後にテーブル毎に解答する団体戦も行われた。クイズの難易度は団体戦の方が高く設定されており、第一部「mineoヒストリー」で出されたヒントを元に、参加者同士で相談しあって回答が行われていた。
■団体戦のクイズ「mineoが50万契約を突破したのはいつ?」
第3部:リアル「アイデアファーム」
第3部となるリアル「アイデアファーム」は、マイネ王の「アイデアファーム」のリアル版。
イベント参加者とマイネ王事務局スタッフが各テーマに沿ってテーブル毎に議論を行った上、プレゼンテーションを行うもの。各テーマごとの議論の内容は全てmineoにて検討される。イベントでは、そのうち1つについて表彰が行われた。
■mineo新サービスの検討
■mineoアプリ(仮)に実装したい機能
■プレゼンテーションの様子
最後に、各アイデアの中から1つんで表彰を行った上田氏は、「甲乙つけがたく、選ぶのが難しい」としながらも、ケイ・オプティコムは大阪の会社であり「笑いを大事にしたい」また、社内で常々「ホワイトボードはキレイに書くこと」としている。などなどの基準から、サラダパンさんの「王国コインと交換できる特典」をピックアップした。
■「王国コインと交換できる特典」
第4部:リアル「Q&A」
第4部のリアル「Q&A」では、各テーブルをマイネ王運営スタッフとユーザが囲み、自由に意見交換が行われていた。
■リアル「Q&A」
第5部:リアル「掲示板(懇親会)」
第5部は、リアル「掲示板(懇親会)」として、マイネ王運営事務局スタッフを交えた懇親会が開催。食事をしながら自由な意見交換が行われていた。
■乾杯の音頭を取る上田氏
全体を通じて、「mineoファンの集い」はmineoのファンを「巻き込んで盛り上げていこう」という要素が強く感じられ、イベントの内容もmineoスタッフが一方的に説明する内容よりも、参加者との対話・交流が重点となっていた。
IIJによる「IIJmio meeting」と比較すると、応募者の中から(おそらく)ランダムで選ばれた参加者は、年齢層や男女比に極端な偏りは見られず、ある意味で「フツーのmineoユーザ」も多く参加していたように見える。