ここ最近、ケータイ各社が導入する未成年者向けの有害サイトフィルタリングについて議論がされているようだ。
フィルタリング自体は、システムとしては以前から存在しているものの、ここ最近で突然急展開になってきたなー。という感じ。
私見としては、フィルタリング自体が完璧だとは思わないし、例えケータイのサイトフィルタリングを導入したとしても、ケータイ以外の媒体を通じて有害情報に接触する可能性はあるわけで、実効性についても大きく疑問はあるものの、必要不要の二択で言えば、必要なんじゃないかと思う。
ただし、自分の子供にケータイを持たせたとして、”有害”サイトフィルタリングに申し込むかと言われれば、きっと申し込まないと思う。
というのも、何をもって有害な情報か?
という重要な基準を他社に委ねた上で触れる情報というのは、健全な気がしないし、発展的に考えると思想統制的な影響を受けたり、世間知らずな人間となってしまうんではないか?と言う危惧がある。
理想論ではあるものの、『有害』と言われるような情報に触れながらも、真っ当に成長してほしいと思うし、フィルタリングして見せたくないと思うような、本当に危険な情報が何かはフィルタリングシステムではなく、本人を取り巻く社会環境や親が伝えるべきだと思う。それが実効性が低いからフィルタリングなのかもしれんけど。
ただし、自分自身での判断基準を求められる年齢は、確かにある程度の年齢に達しないと難しいわけで、例えば小学生に持たせるケータイであれば、『有害情報から守る』という観点では、フィルタリングが正しい気がしている。
#そもそも小学生にケータイ?という議論はおいとくとして。
10代のユーザーが多い『モバゲータウン』を運営し、フィルタリングの導入による影響が大きいことが予想されるDeNAの代表の方の発言。
同社の南場智子社長は「フィルタリング原則導入が伝えられてから株価が下がり、1週間で1500億円の時価総額が失われた。モバゲーは健全に利用しているユーザーが大半。自殺やアダルトサイトと同列にされ、『有害』と扱われるのは屈辱だ」とこぼす。
「あまりに急」「検閲では」――携帯フィルタリングに事業者から不満続出 (1/2)(ITmedia)
という発言は、
無法地帯と化しているようなサイトと、トラブル防止に向けた取り組みをしているモバゲーを一括りにされたくない。
という部分で気持ちはわかるけれど、モバゲータウンのサイトの性質上は、フィルタリングの対象サイトとなるのは、やむを得ないものではないだろうか。
仮に、
『モバゲーは安全なサイトだからokだけど、そのほかはダメ。』
という要望に応えるための解決策としては、『見えるor見えない』だけのフィルタリングだけでなくて、カテゴリ選択制だったり、危険度レベル(?)選択制だったりにと段階的なフィルタリングレベルを設定する。というのが無難なところか。
ただ、段階制フィルタリングだとしても、導入の決定権を握る親権者側が、フィルタリングの是非について判断材料が少ないままに判断せざるを得ない状況というのは変わらないような気がしていて、フィルタリングサービス問題の本質は、
『どういった情報を遮断すべきか。すべきでないか。』
を親権者が自信を持って判断できるようになる必要があるんでは無かろうか。