総務省が「MNOのMVNO化は原則禁止」の方向性での議論を提示,接続政策委員会から
『MNOのMVNO化は原則禁止』の方向性が、総務省にて議論されている。
一方で、許容できるケースとして以下のような事例が挙げられている。
一方,事業者間で合意しており,競争促進や利用者の利便性が向上する場合は,MNOによるMVNO化は許容できるとした。その例として,携帯電話事業者がWiMAXサービスを提供するなど異なる市場のサービスを提供する場合や,新規参入したMNOが基地局を全国展開するまで,暫定的に利用する場合,トラフィックがひっ迫しているMNOが自社ネットワークを増強するために一時利用する場合を挙げている。
今のところMNO同士のMVNOの事例として思い浮かぶのは以下。
- docomoによるイー・モバイルへのMVNO
- docomoによるWILLCOMへのMVNO
- イー・モバイルによるSBMへのMNVO
イー・モバイルが新規参入するにあたって、カバーエリアが狭いためにdocomoとの国内ローミングを実施している(国内ローミングに対応している端末はH11Tのみ)
これは、『新規参入したMNOが基地局を全国展開するまで暫定的に利用する場合』として、okなんだろう。
WILLCOMがXGPを立ち上げるにあたって、XGPの本格展開までの間、docomoの3G回線を借りて、『WILLLCOM CORE 3G』というブランドでMVNOを展開している。(PRINがボトルネックになって速度が出ない。という報告もあるけどとりあえず置いておいて)
これは、『WiMAXサービスを提供するなど異なる市場のサービスを提供する場合』にあたるのかな?
データ通信用の回線をイー・モバイルから借り受けてSBMがMVNOとしてサービスを展開している。
今回の委員会の中では、
例えば過疎地域での基地局整備や高トラフィック地域での設備増強を怠っているMNOが,3.9G同士など同一市場で競合するMNOが整備したネットワークを低廉な料金で利用してサービス提供することは,「接続の拒否事由に該当すると整理することが適当ではないか」などとする考えを示した。
という発言もあり、この事例を問題視しているものと思われる。
個人的には、免許事業者であるMNOが、MNOとしての責務(設備増強など)を果たしていく事が前提の上で、事業者間で合意すれば問題ないのでは。と思っているけれど、SBM&イー・モバイルのMVNOにおいては、回線を借りる側のSBMが、今後MNOとしての責務を十分に果たしていくのか?
という点については期待は薄く、そのあたりの『MNOとしての責務を果たしているかどうか』を透明化(例えば継続的な設備投資の基準値を設定するとか)する必要がありそう。
MNO同士のMVNOを一律で禁じるのではなくて、キャリア、ユーザ共にメリットがある形のMVNOであれば認める。というルールになってくれるのが望み。