ZenFone 3シリーズがデュアルSIMに対応かつ「4G LTE + 3G音声待受対応」していることで期待することや、従来機種の「デュアルSIM」との違いのまとめ。
■ZenFone 3は両方のSIMスロットで同時に3G待受に対応する
従来機種の「デュアルSIM」は国内では微妙だった
デュアルSIM対応機種は既に国内向けにもSIMフリースマートフォンやモバイルWi-Fiルータなどが多数販売されているので、デュアルSIMであること自体はさほど珍しい仕様ではない。
ただし、従来のデュアルSIM機は両方のSIMカードで同時に3G以上を待受することができなかった(片側が3G以上だと、もう片側は2G接続になる)ため、GSMサービスが提供されていない日本国内で使う限り「両方のSIMカードを同時に待受」することができず、デュアルSIMであってもデュアルSIMの恩恵が非常に限定されてしまい、国内での使用に関しては「SIMカードが2枚刺さるだけ」と言っても過言では無かった。
いちおう、SIMカードが2枚刺さるので「容量制限があるけれど速度が高速なSIMカード + 容量制限が無いけれど速度が低速なSIMカード」を切り替えて使ったり、国内用で使うSIMカードと海外用で使うSIMカードをわける。という使い方は可能であったものの、日本以外の多くの国で可能だった「デュアルSIMで二つの電話番号を同時待受する」という使い方をすることができなかった。
そんな中、「デュアルSIMの両方のSIMカードで同時に3G待受」に対応する機種として、Xiaomi Mi5や、海外モデルのGalaxy S7シリーズの一部のモデルなどが登場、対応機種が徐々に登場しつつあるものの、これらの製品はあくまでも海外モデルであり、国内向けの製品で同様の仕様に対応した製品のリリースはアナウンスされることが無かった。
■Xiaomi Mi5は「デュアルSIMで両方3G待受ok」
ZenFone 3は国内向けに投入される(と思われる)機種で初の「3G同時待受」対応機種かも
ZenFone 3シリーズは、既に日本向けにSIMフリースマートフォンを多数提供しているASUSの最新スマートフォンである上に、一部モデルについては日本向けモデルが用意されるなど、日本向け販売についてもかなり期待できる。
※ただし、現時点でASUSから日本国内向けの販売に関する正式なアナウンスは無い。
■ZenFone 3(ZE552KL)日本/香港/台湾モデルの表記あり
掲載元:ZenFone 3 (ZE552KL) | Phone | ASUS Global
「両方のSIMカードで3G同時待受が可能」となることで、例えば片方のSIMカードをドコモなどの音声通話定額サービスで使い、データ通信についてはMVNOの割安なデータ通信を使う。あるいは、音声通話についてはドコモ(またはそのMVNO)のSIMカードを使い、データ通信についてはKDDI系のMVNOのSIMカードを使って4G LTEデータ通信を行う。
というような組み合わせでデュアルSIMを活用することが可能になるので、一般的に「デュアルSIMが使える」と聞いて「こういう使い方がしたい」と思い描く使い方ができるようになるのではと思う。
※国内向けのZenFone 3がデュアル3G待受対応の仕様で発売されることが前提だけれど。
特に「音声通話にはドコモのSIMを使いながら、データ通信にはMVNOのSIMカードを使う」というような組み合わせについては、これまでの「デュアルSIM」では1台のスマホで実現することができなかったので、MVNOのサービスを活用して同様の使い方を模索していた方には待ち望んでいた仕様と言える。
※ZenFone 3シリーズで使えるMVNOのSIMカード(サービス)に関しては、ドコモ系のMVNOまたはKDDI系のMVNOのどちらも利用可能となることが予想される。
ZenFone 3シリーズが「デュアル3G待受」に対応している理由は定かではないけれど、海外の通信事業者では2Gサービスの停止に向けて具体的に動き出している国や事業者もあるので、そういったエリア向けに販売されるデュアルSIM対応端末に関しては「両方のSIMスロットで同時に3G以上の待受」が可能となる機種も増えてくるかも。(日本国内での利用を考えると、増えてくれると嬉しいところ)
そんなわけで、個人的にはZenFone 3には「日本における初のデュアル3G待受対応機種」になることに(勝手に)期待。願わくば、キャリアの音声通話サービスでVoLTEなどなどが開始される前に登場して欲しかった。というのは本音ではあるけれど…。
ASUSのWebサイト(日本語版には現時点でZenFone 3の情報なし)
ASUS 日本