総務省が各キャリアに対してSIMロックの解除を行うように要請する方針。という報道がされている。
総務省は27日、携帯電話端末を、通信契約した携帯電話会社経由でしか使えないようにしている「SIMロック」について、解除するよう携帯電話会社に求める方針を固めた。
これは、2007年当時行われていた『モバイルビジネス研究会』で計画された、『2010年にはSIMロック解除について何らかの結論を』の計画が履行されたもの。
*個人的にはこの話は反故されたと思ったのでちょっと意外だったり(^ ^;
モバイルビジネス研究会、報告書案まとまる(ケータイWatch)
SIMロックの解除には2段階にフェーズを分けて考える必要があり、FMCなどが実現している第2フェーズの状況下では大きな意味を持つとされた。これを受け、SIMロックは原則解除が望ましいが、当面その動向を注視し、2010年の時点で最終的な結論を得ることが適当と結論づけており、SIMロックについては先送りされた形になった。
で、このSIMロック解除について私見。
- スマートフォンについて
- 日本製ケータイ(嫌いな表現で言ういわゆる”ガラケー”)について
スマートフォンについては、そももそもオペレータの特定の機能や設備に依存しないように設計されているので、SIMロックが解除されれば、好きな端末を好きなキャリアで使うように出来るようになるので、是非進めて欲しい。
簡単に言うと、iPhoneがdocomoで使えるようになると、SoftBankのエリア面の問題に悩まされている人はメリットあるよね?って事。
一方で、日本製ケータイについてはSIMロック解除の意義をあまり感じない。
というのも、おサイフケータイだったり、各キャリアの公式サイトだったり、勝手サイトだったり、日本製ケータイで便利に使える機能の多くは、キャリアの認証だったり課金を使っていて初めて『便利』なのであって、日本製ケータイのSIMロックが解除されたからと言って、全てのキャリアで全ての機能が利用できるわけではないので。。。
という部分が、スマートフォンとの大きな違い。
日本製ケータイを含む、全キャリアの全端末にSIMロック解除を義務付けてしまうと、
通話料金やパケット消費量からの回収というビジネスモデルが成り立たない可能性があり、端末価格がさらに高くなることで、SIMロックの解除を望んでいないユーザにも負担を強いる可能性があるのが懸念。
妥当な落としどころとして、端末の利用から一定期間経過した端末については、希望者に有料でSIMロックを解除する。ぐらいで良いのではないだろうか?と思っていたりする。
この考え方(一定期間経過後のSIMロック解除)については、SoftBankの孫社長も2006年の時点で『理屈的にはありえるかもしれない』という趣旨の発言をしている。
ソフトバンク孫社長、「分割払い完済端末のSIMロック解除を検討する」(日経PC online)
説明会の質疑応答において、「新スーパーボーナスによる分割払いを完済した端末に対して、SIMロックを解除する考えはあるか」との問いに対し、「端末代金を回収し終わった後であれば、理屈的にはあり得るかもしれない。これまで考えたことがなく、今言われたばかりなので即答はできないが、仮にそうした場合のデメリットがないかなども含め検討していく」と回答した。
要は何を懸念しているかと言うと、『SIMロック解除が正義』というような認識のもと、キャリアに無駄な負担を強いてまでSIMロック解除を行う必要は無いわけで(結果その負担はユーザに返ってくるので)、その辺を見極めた上で方針を決めて欲しいなと > 総務省