下り最大300Mbpsの通信速度に対応するモバイルWi-Fiルータ『E5786』をシンガポールで購入してみた。
■購入情報
購入商品:モバイルWi-Fiルータ E5786
購入店舗:SingTel shop(Bugis Junction)
購入価格:399シンガポールドル(約 33,000円)
■モバイルWi-Fiルータ『E5786』をシンガポールのSingTelで購入
E5786はHuawei製のモバイルWi-Fiルータで、SingTelが提供を開始したばかりの下り最大300Mbpsの高速通信に対応。SingTelの販売する端末の中で下り最大300Mbpsの通信速度に対応するのは、E5786が初めて。
SingTelの下り最大300Mbps対応サービスは、7月23日に提供開始のプレスリリースが発表されたばかりで、下り300Mbps対応エリアはチャンギ空港、シンガポールエキスポ、ブギス駅周辺と、現時点ではごくごく限られている。
※対応エリアは8月末にシンガポールの約半分に、2015年第1四半期にはシンガポール全域に拡大の予定とされている。
SingTel is rapidly expanding its LTE-Advanced network, including outdoor and in-building locations. Coverage is currently available at Changi Airport, Singapore Expo and the area around Bugis MRT station.
モバイルWi-FiルータのE5786は、SingTelショップにて発売が開始された直後ということもあり、店頭に在庫があるのかが心配だった。実際にSingTelショップに足を運んでみると、店頭にはE5786やモバイルWi-Fiルータの展示は一切無かったので、半分諦めつつショップ店員に確認してみると『在庫がある』とのことだったので、店頭で購入することができた。
E5786は端末のみの価格が399シンガポールドル(約33,000円)となっており、契約なしで端末のみ購入する場合はこの代金を支払えば購入手続が完了するので、スムーズに行けば端末の購入そのものはすぐに完了する…ハズだったのだけれど、受付のスタッフは『レジで買える』と言い、レジを担当するスタッフは『受付で聞いて』と、たらい回しにされてしまった。
最終的には問題無く購入することができたけれど、契約なしで端末のみ購入する場合は『端末のみ購入する』と明確に伝えればスムーズだったかも。(そう伝えたつもりではあるのだけれど…。)
E5786の外見は、前モデルであるE5776とほとんど変わらなかったので、通信周りで下り最大300Mbpsに対応する以外は、E5776とほぼ同じ仕様かと思い込んでいたけれど、端末を開封してすぐにその思い込みが間違いだったことに気付いた。
まず最初に驚いたのがSIMカードのサイズで、E5786はモバイルWi-Fiルータには珍しく、マイクロSIMが採用されている。
■SIMカードはマイクロSIMを採用
※SingTelのiPhone用のnanoSIMにSIMカードアダプタを使用。
Huawei製のLTE対応 モバイルWi-Fiルータでは、E589やE5776がレギュラーSIMを採用しているため、スマートフォンなどとSIMカードを差し替えて利用することが難しい上に、E5776ではSIMカードの抜き差しがし難い。という点で使い勝手が悪かった。
その点、新モデルであるE5786ではSIMカードの抜き差しが容易に行えるようになっており、異なるSIMカードのサイズを変換する『SIMカードアダプタ』を使った状態でも、誤ってSIMカードが抜けなくなってしまったり、SIMカードアダプタの使用によってSIMカードスロットを壊してしまうような心配が少ない。
テキストではどうしても地味にはなってしまうけれど、これまでHuawei製のモバイルWi-Fiルータ『E589』や『E5776』で、SIMカードサイズがスマートフォンと異なる問題や、SIMカードが抜き差しし難い(特にE5776)という点に困ることが多々あったので、SIMカードが抜き差ししやすくなり、マイクロSIMが使用されるようになった点は本当に助かる。
E5786で利用するためのSIMカードは、シンガポール・チャンギ国際空港にあるRHB銀行の両替所で購入したiPhone向けのnanoSIMを使用。iPhone向けのnanoSIMは音声通話に対応するSIMカードだけれど、モバイルWi-Fiルータでも問題無く利用が可能、APN設定なども自動で行われたため、インターネット接続するための手順は、E5786とスマートフォンなどをWi-Fi接続するだけで完了する。
※ちなみに、Wi-Fi接続用のパスワードはE5786のディスプレイ上に常時表示されるので迷う事が無いと思う。
SingTelのLTE対応のプリペイドSIMカードには、nanoSIMとmicroSIMの2種類があり、どちらも販売価格は38シンガポールドルより販売されている。
SingTelのプリペイドSIMカードに関する情報は、SingTelのWebサイトでも紹介されている。
Prepaid Mobile Cards | SingTel
シンガポールでプリペイドSIMを購入するにあたって注意が必要になるのが、2014年4月から施行されているプリペイドSIMの購入枚数を制限する法律。この法律によって、シンガポールで購入可能なSIMカードはパスポート1枚で合計3枚までに制限されている。
SingTelや他社のプリペイドSIMを既に3枚以上購入している場合、新規にプリペイドSIMを購入することができなくなっているので、既にプリペイドSIMカードを複数枚持っている場合は、SIMカードの購入可能枚数には注意が必要。
■E5786パッケージ側面
主要スペックは以下。
・LTE Category 6に対応/下り通信速度は最大300Mbps
・Wi-Fiは802.11ac対応
・連続通信時時間はLTE接続時10時間/スタンバイは500時間
その他、E5786のスペック詳細についてはHuaweiのWebサイトにて。
Huawei – E5786 – Mobile Wifi – Specifications
E5786は、キャリアアグリゲーションに対応することで下り最大300Mbpsに対応しているけれど、実際にキャリアアグリゲーションが有効になっているかどうかは、端末上に表示されることが無いので、E5786ではキャリアアグリゲーションを使った通信が行われているかどうかわからないのは少々寂しいところ。
SingTelのプレスリリースに記載されている、下り最大300Mbps対応エリア(キャリアアグリゲーション提供エリア)の一つであるチャンギ国際空港でスピードテストを行ってみたところ、通信速度そのものは非常に高速ではあるものの、キャリアアグリゲーション非対応エリアの下り最大150Mbpsの理論値を上回ることは無く、キャリアアグリゲーションが有効になっているかどうかは不明。
■E5786を使ってチャンギ国際空港でスピードテスト
というわけで、通信速度そのものはキャリアアグリゲーション対応エリアで利用したかどうか、定かではないものの、それ以外の使い勝手の部分が改善されているので、これからSIMフリーのモバイルWi-Fiルータを購入するなら、E5786はおすすめできる(ただし、販売価格はまだまだ高めだけれど…)
SingTelのショップでは、VAT(付加価値税)の免除に必要な書類を作成してもらえるので、本体価格の7%(約 2,300円)は割引されるので、必要条件を満たす方はVATの返金申請を行っておくことをオススメ。