タクシー配車アプリ「DiDi」が、東京エリアに進出。
DiDiは2018年9月から大阪でサービスを提供開始、2018年12月下旬頃から、東京都内でも「こっそり実験中」で、サービスを利用できる。「実験中」としている理由は不明ながら、サービスを利用するにあたって「実験中」であることを理由にした致命的な不便はいまのところ無い。
実際に東京エリアで「DiDi」を使って何度かタクシーを配車してみたので、先行する「JapanTaxi」アプリとの比較をメインに、東京エリアでのDiDiをレビュー。
「DiDi」呼んだら「初めて配車取った」ドライバーが多数
冒頭でご紹介の通り、DiDiは2018年9月から大阪で国内サービスを提供開始した。
大阪エリアでは、毎週金・土曜日にタクシー初乗り相当の680円を割引するキャンペーン(関連エントリ)を開催するなど、大規模なキャンペーンを展開していたので、実際に利用した方も多いかと思う。
東京エリアでは2018年12月下旬から「こっそりと実験中」ということもあり、実際にDiDiアプリを使ってタクシーを配車してみると、「初めてDiDiでお客さんを拾った」というドライバーも多数。ユーザー側だけでなく、ドライバー側もまだまだ経験値が少ない印象。
■DiDiでタクシーをリクエスト
特に印象的だったのは、DiDiアプリをインストールしたAndroidタブレットで、誤って乗務員がホームボタンを押してしまったため「アプリがどっかにいっちゃったよ。どこに行ったかわかるかい?」と、聞かれたこと。
このトラブルはDiDiアプリのアイコンを起動することでサクっと解決できたけれど、スマートフォンやタブレットも使ったことがない乗務員が、目的のアプリを起動したり、間違えて起動したアプリを切り替えたりするのは、少なからずハードルがありそう。
※新システム導入にともなう「あるある」で、むしろスマートフォンやタブレットを使ったことがある乗務員にとってはこちらの方がカンタン。というケースもあるかも。
アプリを使って配車→乗車してみた
DiDiアプリを使ってタクシーを配車する際、Google Mapをベースにした地図上で乗車地、降車地を指定する。
降車地については「ピンをドロップして場所を指定」する方法には対応しておらず、住所や建物名を指定する必要があるほか、目的地を設定せずに「乗車後に目的地を伝える」という方法では配車できない。(JapanTaxiは「とりあえず配車」ができる)
場所に関する細かい情報を地図上で伝えることができない場合、(おそらく)標準で対応していると思われるメッセージ機能を通じて、タクシーに来て欲しい場所を連絡できるので、建物名や住所情報からは解りにくい場所に配車を依頼するケース(や、遅れを連絡するケース)では役立ちそう。
■DiDiアプリのメッセージ機能
JapanTaxiでも、アプリを通じたメッセージのやりとりに対応する車両も一部あるものの、全てのJapanTaxi搭載車両が対応する機能ではない。東京23区内で使う限り、メッセージ送受信に対応する車両はごく少ないように感じる。
東京都内(23区内)でDiDiアプリを使って何度かタクシーを配車してみると、ほぼ10分以内にタクシーが到着した。細かく数値を集計したわけではないけれど、同じエリアでJapanTaxiを使って配車するよりも到着時間がやや短い。これは、DiDiで配車できるタクシーの車両数に比べて、ユーザーが少なく「近場の車両が捕まりやすい」ためなのか、DiDiがアピールする「AI配車」なる需要予測システムによるものなのかは不明確。
DiDiでタクシーをリクエストする際に困るのは、目安の料金がDiDiアプリ上では表示されないこと。DiDiで配車するタクシーは基本的にメーター料金になるので、ボッタクリや遠回りされる心配はほぼ無いけれど、電車やバスなどの公共交通機関の移動と比較したい場合には、Googleマップの経路検索の方が便利。
■DiDi:料金は「メーター料金」と表示されるのみ
■Googleマップ:徒歩/車/公共交通機関/タクシーが料金と共に表示される
DiDiを通じて東京都内(おそらく23区内)で配車できるタクシー会社は、ゴールド交通、第一交通武蔵野、第一交通産業ループ、コンドルタクシー、東京タクシー。
このうち、ゴールド交通の場合は迎車料金が無料、その他のタクシー会社の場合は迎車料金が300円-310円と差があるものの、DiDiのアプリ上ではタクシー会社を指定することができない。
→東京エリア(主に新宿区)で使っていると、コンドルタクシーが配車されるパターンが多い。
2019.5.12 追記
DiDiは2019年4月24日から東京エリアに本格参入。参入記念キャンペーンとして、迎車料金が無料になるキャンペーンを開催中。
DiDi、東京エリアで迎車料金が何度でも無料・割引クーポン併用で短距離ならタクシー無料に
また、DiDiもメーター連携して料金がボタン1発で確定するタイプの車両も増えている。
■DiDiで配車できるタクシー会社の迎車料金(東京)
前述の「配車リクエスト前に料金目安が表示されない」と合わせて、迎車料金がいくらになるのか?も、実際に配車リクエストを行ってみないとわからないので、乗車時の料金がどの程度になるのかを全体的に把握し難い。なお、大阪エリアでは多くのタクシー会社で迎車料金が無料になる。
目的地に到着後、支払には乗務員側でタブレット上に金額を入力→乗務員側で決済処理を完了の流れが必要になる。東京エリアでDiDiを利用する限り、タクシーのメーター料金がDiDiのタブレットと連携していないため、乗務員が手入力で金額を入力する必要があった。
この際、乗務員が慣れていないと、決済金額を入力したり各種ボタンの操作をするのに時間がかかり「現金で払った方が早い」という具合に。(この点、JapanTaxiアプリのネット決済はスムーズに決済ができる。)
■支払金額を乗務員が手入力する
JapanTaxiアプリでは、ネット決済を指定している場合タクシー内の決済処理は乗務員側のボタン操作1回で完了する。このため、目的地に到着後はすぐに下車することができる点は、タクシーの乗降にかかる時間を節約する目的でも役に立つし、乗務員が料金を打ち間違えたりする心配も無い。
タクシーの予約/車種指定などは非対応
少なくとも東京エリアでDiDiタクシーを指定の時間帯に予約したり、車種(黒タク指定/プリウスなど)の指定には非対応。個人的には車種が指定できないことはさほど困らないものの、タクシーを事前予約できないのは、空車が少ない時間帯に確実に乗りたい。というシーンでは困るかも。
とは言え、タクシーの予約に対応するJapanTaxiアプリでも、東京都23区内で使う限り「前日夜に明日の朝時間帯のタクシーを予約」だったり「1時間後にタクシーを予約」しようとすると、たいてい「予約がいっぱい」となり予約できないケースが多いのでJapanTaxiを通じた事前予約がモノスゴク便利という程では無い。
その他、マイナーな問題として、DiDiやJapanTaxiでタクシーを配車する際、Bluetoothヘッドセット「Xperia Ear Duo」を通じて、アプリからの通知を音声読み上げて受け取るようにしているけれど、このアプリからの通知読み上げとの相性が非常に悪い。
■アプリの通知を音声で受取できる「Xperia Ear Duo」
具体的には、DiDiアプリを通じてタクシーをリクエストすると、近隣のドライバーがリクエストを受け取るまでの間「DiDiからの通知、現在空車を検索中です。経過時間は、00:01、00:02、00:03…」という具合に、(おそらく)1秒毎にカウントアップされていくリクエストが、延々とXperia Ear Duoを通じて読み上げされるのでかなりうるさく感じる。
■Xperia Ear Duoで受け取るDiDiからの通知
アプリで注文(配車リクエスト)を開始してから、配車リクエストが受付されるまでの間に長い時間がかかると、Xperia Ear Duoを介した通知が30分以上続くこともあり、スマートフォンの通知をXperia Ear Duoを使って「聞いて確認」という使い方に慣れていると、それなりに不便。
※とは言え、Xperia Ear Duoを使っていない方にとっては何ら問題ない。
DiDiを使ったタクシーの配車は、車両側に設置する設備が汎用のAndroidタブレット+アプリで実現できるため、(おそらく)タクシー会社側には導入コストが低いというメリットがあるものの、タクシーのメーター料金と連動して決済ができない(料金が手入力)など、システム全体の完成度という意味ではイマイチな印象があるのも事実。
その反面、アプリ内にメッセージの送受信および翻訳機能を標準機能として搭載しているほか、アプリケーションの画面切替に不自然な動きが無い、「タクシーが向かっています」の通知からタクシーの現在位置を確認できる(JapanTaxiはできない)など、「アプリの作り込み」に関しては、DiDiの方が完成度が高い印象。
初回乗車で使える1,000円割引クーポン
DiDiは、初回乗車で使える合計1,000円割引クーポンを配布中。クーポンコードは「JPVCGXBW」
■初回利用でクーポン1,000円
クーポンは、以下URLにアクセスして携帯電話番号を入力する方式でも使える。
DiDiアプリのダウンロードは以下にて。
DiDi – AIによるタクシー配車(Google Play)