キャリアにとってiPhoneは何なのか?

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ソフトバンクの株主総会で、孫社長がiPhoneを褒めちぎっている。
ケータイWatchの記事から、孫さんがiPhoneを称えている部分を引用してみる。

ソフトバンク孫社長、「iPhoneは発売と同時に売り切れる」(ケータイWatch)

iPhoneに関して孫社長は、「世界で最も先進的な機種がiPhone 3Gである。発売と同時に初期出荷量は売れてしまうだろう」と語り、
(中略)
「iPhoneは電話としても、音楽マシンとしても最高の機能を持ち、インターネットにアクセスする意味でも最高の機能を持っている。電話機能は、触るだけで便利にかけることができる。これは驚きの快適さである。メールも、タッチするだけでさまざまな文字を入力でき、閲覧でき、快適にサクサク見られる。みなさんもiPhoneを使ってみると、その快適さに驚くはずだ。インターネット利用については、指で触るだけで、拡大、縮小、そして画面を動かすことができる。パソコンを使ってインターネットを見るよりも自由に見られる。これには私も驚いている。パソコンを使ってネットを見るということが急激に減った。みなさんのライフスタイルが変わると信じている」などと語った。

 さらに、「iPodは、世界中の若者の音楽の聴き方を変えた製品。それと同じ機能がiPhoneで実現する。この一台のなかに100枚、300枚のCDが入っている。auが音楽ケータイのポジションを一度獲得したが、iPhoneによって、いままでのケータイで音楽を聞いていたのは何だったんだろうと思うはずだ。音質が良くて、もっと便利に使える世界がもたらされる」と述べた。

 そのほか、「GPS機能を利用して、自分がいまどこにいるのかがわかり、スターバックスのコーヒーが飲みたい場合にも、瞬時に地図上に場所が出てくる。また、自分のいる場所を相手に教えることもでき、デートの誘い方もiPhoneによって変わる可能性がある。カレンダー、スケジュールなどの機能が、パソコンと完全に連動して、画面に触るだけで、自分のスケジュールが見られる。加えて、iPhone向けに、全世界で25万人の人たちが、新しいコンテンツを競争して作っている。これが7月11日からオンラインのアップルストアでも入手できるようになる。

と、数々の機能を紹介しながら褒めている。

確かにiPhoneはこれまでのケータイには無い新たな体験を提供するだろう。少なくとも一部のユーザーにとっては。

それが大局的に影響するとかしないとかの議論はおいておくとして、株主総会での孫さんの発言では、『iPhoneがSoftBankで提供される価値。』が全く語られていない事に気づく。

つまり、iPhoneに関する限り、SoftBankは単なる通信インフラ屋に留まり、キャリアであるSoftBankが提供する価値は限りなく小さい。ということを暗に認めてしまっているのではないだろうか。

仮に今後ドコモもiPhoneを提供するという事態になれば、利用できるサービスでの差別化は難しく、キャリアとしてはネットワークの繋がりやすさ、料金の安さなどで勝負するしかなく、これまで日本の垂直統合モデルが可能にしてきた、キャリア独自のサービスの利用などは出来ないため、キャリア独自の付加価値を出すのが難しいのでは無いかと思える。

かつて、ウィルコム(当時DDI Pocket)が雀の涙ばかりの公式コンテンツを諦めて(?)、Operaブラウザを搭載してヒットとなった京ぽんを出したように、iPhoneは公式コンテンツに乏しいキャリアにとっては特に魅力的な端末になるんではないだろうか…。

しかしその半面で、キャリア独自の競争力を奪うという側面を忘れてはならないだろう。

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