エアアジア・グループのCEO、トニー・フェルナンデス氏が2015年に日本市場へ再参入する意向を明言した。
トニー・フェルナンデス氏は、4月10日に東京で開催された新経済連盟主催の『新経済サミット』に出席し、2015年に日本に再参入する方針であることや、日本におけるパートナーの条件として『テクノロジーに明るく、政府と対等に意見することができ、航空市場に革命を起こせる人物』を求めていることを明らかにしている。
新経済連盟におけるトニー・フェルナンデス氏の発言についてはAviation Wireの記事に詳細が掲載されている。
東京で開かれた新経済連盟(三木谷浩史・代表理事)主催の「新経済サミット」に出席したフェルナンデスCEOは、日本企業との合弁会社を新たに設立する考えを述べた。
日本再参入時のパートナーについては、新経済連盟の代表理事を務める三木谷氏が率いる楽天という噂があるものの、新パートナーに関する明言は避けられており、現段階では再参入時の新パートナーは不明。
新パートナーは新経連の三木谷代表理事が社長を務める楽天では、との質問には、「三木谷氏は友人だが、友人のままのほうが良いのかもしれない」と述べるにとどめた。
旧エアアジア・ジャパンは、ANAホールディングスとエアアジアの合弁によって設立されたものの、就航から1年未満で合弁解消となり、現在はバニラ・エアとして運行を継続している。
合弁解消に至った経緯としては、営業面で低調だった他にも、経営陣の間での意思疎通(言い換えるとエアアジアとANAの意思疎通)がうまくとれていなかった。という発言が過去にされており、新しいパートナーとしては航空会社以外のパートナーを探している。という趣旨の発言があった模様で、楽天は新パートナーとして有力候補の可能性がある。
エアアジア、15年に「日本に戻る」-首都圏にLCC空港を要望 | 旅行業界 最新情報 トラベルビジョン
フェルナンデス氏はNHとのパートナーシップについて「キャプテンが2人いたのが問題。意思決定が難しく、各人が各人のアイディアを持っていた」ことが成功しなかった要因の1つと説明。そもそも他国では航空会社以外とのパートナーシップを結んでいるとし、日本での新パートナーは航空会社以外で「(航空業界に)変革を起こしていこう、という強い決意を持ち、エネルギーにあふれて強さを持った」企業を探しているという。
再参入時の拠点空港としては、首都圏における中心的な空港である羽田&成田について、コストが高い&混雑している点を指摘した上で、茨城空港を利用する可能性も示唆されている。
首都圏在住者にとっては茨城空港は馴染みが薄いけれど、東京駅から茨城空港間は茨城空港の発着便の搭乗者が500円(それ以外は1,000円)で移動できるバスが発着しており、料金だけで比較すると東京駅から成田空港へのアクセスよりも割安になっている。※但し、距離が離れている分だけ所要時間は約1時間40分と長い。
東京駅から茨城空港へのアクセス(バス)については以下にて。
アクセス|茨城空港
首都圏以外の空港としては、中部空港(名古屋)や、神戸空港、仙台空港などの名称が挙げられ、これらの空港へ参入する可能性がある
旧エアアジア・ジャパンでは、中部空港に就航しており、成田空港に次ぐ第二の拠点として就航地を拡大する予定であっただけに、再参入時には24時間空港である中部空港を拠点とする可能性は十分考えられる。
中部空港では、過去に計画していたLCC専用ターミナルの開業が延期となっていたものの、エアアジアが日本市場再参入にあたり、中部空港のLCC専用ターミナルの活用を前提としている可能性もある。
現時点では確定情報は少ないけれど、アジア最大手のLCCであるエアアジアの日本再参入については期待したいところ。