キャリアアグリゲーション対応により、UQコミュニケーションズとしては初となる『下り最大220Mbps』に対応するW01のファーストインプレッション。
実際に利用を開始したのが1月31日(土)なので、利用開始してから5日目の時点でのレビューをカンタンに。なお、直近で利用頻度の高いWiMAX 2+対応ルータがNAD11だったので、NAD11との比較が多め。
■下り最大 220Mbps対応の『W01』
- WiMAX非対応で心配だったエリア:4G LTEが無料で使えることでひとまずカバー
- 屋外でもWi-Fi 5GHz帯利用可能が嬉しい
- 連続通信時間は思ったよりも長い
- タッチパネルでの本体操作は『不満なし』
- クレードルはサイズが大きく『持ち運び』には不満
- ストラップがつけられないのは個人的には残念
- キャリアアグリゲーション対応も、都内のキャリアアグリゲーション対応は時間がかかりそう
W01を利用する上で一番心配だったのはW01はWiMAX非対応のため、通信量無制限で使えるのはWiMAX 2+接続時のみとなっている点で、自分の使い方では地下鉄および屋内を移動しながら使う際に、WiMAX非対応である点がネックになりそう。ということが購入前に心配だった点。
『地下鉄駅などではWiMAX 2+が圏外になる』のは事前に想定していた通り。現時点では地下鉄ではWiMAX 2+を使った通信を利用することはできないので、地下鉄での移動中などはハイスピードプラスエリアモードに設定してauの4G LTEで接続するか、地下鉄駅では公衆無線LAN(UQ Wi-Fiなど)経由で接続する必要がある。
■都内の地下鉄駅改札付近で圏外
■新線新宿駅隣接の『マインズタワー』の地下で圏外
auの4G LTEにも接続できる『ハイスピードプラスエリアモード』を利用すると、月額1,005円の『LTEオプション』が発生するけれど、この料金は5月末まで無料となっているので、5月末までは追加料金なしにauの4G LTEを利用できる。
auの4G LTEは、屋外エリアだけでなく屋内エリアも充実しており、個人的にはauの4G LTEが圏外になるエリアに移動することはほぼ無いので、W01を使う上では『ハイスピードプラスエリアモード』に設定すれば、WiMAX 2+のサービスエリア外でもエリアの心配をすることなく使えるのは、5月末までの無料キャンペーンを含めて考えれば悪くない。
■ハイスピードプラスエリアモードに設定すると地下鉄でも4G LTEが使える
■あたり一面が雪景色でも4G LTEがツナガル
WiMAX 2+のエリアは『屋外エリアについては2015年3月末までにWiMAXと同等レベルに拡大予定』となっているので、屋外に関してはあまり心配していないけれど、地下鉄を含む屋内や地下街などについては『まだまだエリア化が進んでいない』というのが率直な印象で、地下鉄などなどのエリア化が進むことに期待したいところ。
ハイスピードプラスエリアモードでの通信量がそれほど多く無ければ、ひとまず『LTEオプションが5月末まで無料』というキャンペーンを活用して『移動中はハイスピードプラスエリアモードで、カフェなどで座って作業をする際はハイスピードモードで』という使い分けをすれば、さほど問題は無いとも言える。
W01に限らず、WiMAX 2+サービスの仕様で悩ましいのはハイスピードプラスエリアモードの通信量が7GB/月を超えると、ハイスピードモードで接続中のWiMAX 2+も通信速度制限(当月末まで)の対象になってしまうことで、この制限を回避するためにはNAD11やHWD15などの『ノーリミットモード』対応機種を利用する方法がある。
関連エントリ:『NAD11』白ロムが約6,500円に値下がり – 『W01』契約時の4G LTE通信量が7GBを超えても速度制限回避可能 | shimajiro@mobiler
キャリアアグリゲーション対応による下り最大220Mbps対応については、現時点では対応エリアが無いので、特にメリットと呼ぶ事が出来ない(もちろんエリアは今後拡大の予定)けれど、地味に嬉しいのはWi-Fi接続が5GHz帯を屋外でも利用可能となっていること。
WiMAX 2+対応のモバイルWi-Fiルータで、Wi-Fiの5GHz帯に対応した機種としてはNAD11があるものの、NAD11については『屋内のみ』5GHz帯が利用可能な仕様で、屋外では5GHz帯を利用することが禁止されていた。
W01では、屋外でもWi-Fiの5GHz帯が利用可能となっており、屋外を移動中でもWi-Fi接続が安定・高速化されている。これは特に、2.4GHz帯が混雑するエリアにおいては通信速度の高速化&安定化という面でメリットが大きく、屋外でも5GHz帯が利用可能なWiMAX 2+対応ルータはW01が初となる。なお、5GHz帯の屋外利用に関しては、3月上旬に発売予定のWX01も対応の予定。
屋外でもWi-Fi 5GHz帯を利用するためには、利用可能な周波数帯をチェックする必要があり、この機能を実効するためにWi-Fiが有効化されるまで60秒ほどの時間を要するけれど、都心部など2.4GHz帯が混雑しているエリアで、より安定した通信を使うための準備時間と考えれば、それほどネックになるとは感じない。
■屋外で5GHz帯を使う設定にすると『DFSチェック』が実行される
新機能ということではないけれど、Wi-Fiの5GHz帯接続以外にもノートPCなどとUSB接続してのデータ通信にも対応している。W01はバッテリ交換ができない仕様となっているので、外出先でノートPCを使った作業をする際に『充電しながらデータ通信』が行えるのは嬉しいところ。
■USB接続してのデータ接続も可能
W01はスペック上の連続通信時間が、WiMAX 2+接続時で約8時間、auの4G LTE接続時で約7時間と、スペック的にはそれほど長く無い。なおかつ、バッテリ交換ができないモデルとなっているので連続通信時間がやや短い。という点はスペック面で気になっていたけれど、体感的には連続通信時間がそれほど短いようには感じなかった。
WiMAX 2+対応のモバイルWi-Fiルータで連続通信時間が短い機種は『NAD11』で、スペック上の連続通信時間はWiMAX 2+で7時間。実際にNAD11を使っていると連続通信時間はかなり短く感じており、予備バッテリーやモバイルバッテリーなどの外部電源が無いと常用するには連続通信時間が短かったけれど、W01は『NAD11と比べて1時間』以上にバッテリは持つように感じる。
※具体的にどのぐらい差があるのか?は別途検証の予定。現時点では『体感値として、NAD11より割と長く使えるように感じる』という程度。
バッテリ残量については、NAD11が0 〜 100%で表示になっているのに比べて、W01ではざっくりと5段階ぐらいの残量表示になっているので『一定の時間で何%バッテリが減るのか』を認識し難い点は少々ネック。
W01は、Huawei製のWiMAX 2+対応モバイルWi-FiルータとしてはHWD14、HWD15に続いて3機種目。これらの3機種は全てタッチパネルを搭載したWi-Fiルータで、通信モードの切替や各種設定変更、情報の確認などを本体のタッチパネルで操作ができる。
Huawei製のモバイルWi-Fiルータがタッチパネルで操作を行うのに対して、NECアクセステクニカ(現:NECプラットフォームズ)製のNAD11は、本体ボタンの操作で各種設定などを変更する仕様となっており、本体を操作する際の操作性やレスポンスは、タッチパネル対応のモバイルWi-Fiルータと比べてやや劣っていた。(個人的には、各種キーをおした際のレスポンスが遅いことがあるのが、NAD11を使う上でやや不満だった)
W01のタッチパネル操作については、特にストレスを感じることなく操作が可能となっているので、その点は心配無用。また、本体をカバンに収納したままでも、スマートフォンから通信量やバッテリ残量の確認ができるAndroid向けのツールがHuaweiより公式アプリとして提供されているので、ご紹介まで。
Huawei公式のAndroidアプリ『Huawei HiLink』のダウンロードは以下より。
Huawei HiLink (Mobile WiFi) – Google Play の Android アプリ
なお、このアプリケーションを利用すると、Bluetoothを使ってW01をリモート起動することが可能になる。
同種の機能は、WiMAX系のモバイルWi-FiルータではAterm WM3800Rなど、旧NECアクセステクニカ系のモバイルWi-Fiルータが対応していた機能で、HuaweiのWiMAX 2+対応ルータが対応するのは初。
W01の通信状態を確認するアプリケーションは、Android向けに提供されているもののWindows/Mac向けに提供されていない点はノートPCと接続して通信状態を確認するにはやや不便で、この点はサードパーティー製のアプリケーションなど、何らかのツールが提供されることを願いたいところ。
UQコミュニケーションズのモバイルWi-Fiルータは、自宅でも固定回線用に使われる機会が多いためか、積極的にクレードル対応を進めており、WiMAX 2+対応のモバイルWi-Fiルータでは、初代の対応機種となる『HWD14』(Huawei)以外の機種は全て、クレードル連携に対応している。
W01のクレードルは、自宅回線としてWiMAX 2+対応機種を使ったり、充電台として使う分には特に不満が無いけれど、サイズがやや大きくなっているので『旅行中に使う』ということを考えるとやや不便。
この点は、NAD11だったりWM3800Rなど、旧NECアクセステクニカ製の機種のクレードルの方がコンパクトに造られており、旅行などなどでクレードルを持ち運ぶにはこれらの機種 + クレードル便利だったように思う。
国内向けに発売されるモバイルWi-Fiルータの中でも、ストラップがつけられる機種はそれほど多く無い(感覚的には半分以下)けれど、個人的にはモバイルWi-Fiルータにも何らかストラップを取り付けることができた方が、カバンのなかから取り出すにも、ポケットの中から取り出すにも便利なので、W01がストラップ非対応なのは個人的にはやや残念なポイント。
W01は、キャリアアグリゲーション対応によってWiMAX 2+接続時に下り最大220Mbpsとなっているけれど、キャリアアグリゲーションの対応のためには、既存のWiMAXサービスを通信速度を下り40Mbps ⇒ 下り13.3Mbpsに減速化する必要があり、UQコミュニケーションズではWiMAXのトラフィックが少ないエリアから、順次キャリアアグリゲーション対応エリアを拡大していく予定。
必然的に、首都圏などWiMAXユーザが多いエリアについてはWiMAX 2+のキャリアアグリゲーション対応は他の地域と比べて時間がかかること予想される。UQコミュニケーションズは、新サービス・デバイス発表会にて都心部などのキャリアアグリゲーション対応を『1年はかからない。もっと短期間で行う』という趣旨の発言をしているため、遅くとも2016年3月末にはキャリアアグリゲーションが全国展開している見込み。
一方で、現状のWiMAX 2+エリア(20MHz幅)のままででも下り最大220Mbpsに対応する機種として『WX01』が3月上旬より発売の予定となっており、こちらは『全国でほぼ一斉に』下り最大220Mbpsの速度で利用が可能となるため、都心部などではW01よりも早く下り最大220Mbpsを体験できることになりそう。
ファーストインプレッションにしては少々長くなってしまったけれど、W01は最大の特長である『下り最大220Mbps対応』を活かすエリア&ファームウェが現時点では準備できておらず、ファームウェアの公開は3月末予定と、発売から約2カ月後になっているのは『すぐに最新機能を試したい』というユーザとしては悩ましいところで、キャリアアグリゲーション対応エリアの拡大&対応ファームウェアの公開と、下り最大220Mbps対応エリアでの通信速度高速化に期待したいところ。
『現時点でのメリット』という意味で言えば、屋外でもWi-Fiの5GHz帯が利用可能になっていることと、auの4G LTEが5月末まで利用できる他、ハイスピードモードでは『WiMAX 2+のみを掴む』ようになるため、従来機種ではWiMAX 2+ ⇒ WiMAXに切替が発生するようなシチュエーションでも、WiMAX 2+での通信を継続でき、都心部などのWiMAX 2+対応エリアが広い場所で利用する場合は従来機種よりも快適に利用することができそう。
エントリの最後に、W01を対象としたUQコミュニケーションズおよびMVNOのキャンペーンをご紹介。2月中にW01を契約する場合、料金プランが値上げする前の2月19日までに契約することを強くオススメ。理由の詳細は以下エントリにて。
関連エントリ:WiMAX 2+の契約は2月19日までがオススメ – 20日以降は新料金プランで月額684円値上げ | shimajiro@mobiler
W01のキャンペーン条件比較 – 2015年2月分
事業者 | UQコミュニケーションズ | @nifty | GMOとくとくBB |
---|---|---|---|
端末代 |
クレードルなし:2,800円 クレードルセット:4,800円 |
クレードルセット:1円 |
クレードルなし:0円 クレードルセット:2,750円 |
契約事務手数料 | 3,000円 | 3,000円 | 3,000円 |
特典内容 | 5,000円分の商品券プレゼント |
15,100円キャッシュバック または、ASUS MeMO Pad 7をプレゼント |
なし |
キャッシュバック受取時期 | 不明 | 開通月から9カ月目 | なし |
契約年数 | 二年間 | 二年間 | 二年間 |
契約月のWiMAX通信料 | 有料 |
無料 ※機器が発送された日が属する月 |
無料 ※機器を受取した日が属する月 |
月額通信料 ※各種割引後、二年間の料金。ISP代を含む |
3,696円 | 3,670円 | 2,760円 |
キャンペーン期限 | 2015年3月31日迄 | 2015年2月19日迄 | 2015年2月28日迄 |
※価格は税抜