Operaブラウザなどを提供するノルウェーの「Opera Software ASA」は、中国のソフトウェア企業「奇虎360」などを含むグループから、12億ドルで買収オファーがあったことを発表。
Operaは、2015年夏頃には「身売りを含む選択肢を検討開始」と報道されており、2015年には結論を出す方針。とされていたものの、2015年には買収などに関する具体的な発表は行われなかった。
関連エントリ:創業者が離脱したOpera、身売りを含む選択肢を検討開始 | shimajiro@mobiler
日本時間の2月11日(木)11:00時点では、Operaの買収完了は発表されていないものの、Operaの取締役会は中国企業グループの株式公開買付(TOB)に応じることを薦めており、中国グループによる買収の可能性が高そう。
TechCrunch Japanによる紹介は以下にて。
ブラウザーメーカーのOperaが中国のテク企業コンソーシアムに$1.2Bで身売りか…すでに買収オファーを受領 | TechCrunch Japan
買収対象は同社の100%で、それは同社の最近の株価に基づく時価総額の53%プレミアムに相当する。Operaの取締役会は声明の中で、この申し値を受け入れるよう株主たちに勧めることを、“全会一致で決定した”、と言っている。最終的には、株主のほかに政府の承認も必要だ。
Operaの創業者である「Jon von Tetzchner」(いわゆるテッツナー氏、現Vivaldi)は、Operaが買収される見通しであることを受けて動画メッセージを公開。
Vivaldiの日本語公式アカウントによるメッセージ紹介は以下にて。
「今日、一つ時代の終わりを見ました。私がOperaを創業した当時のビジョン、”ユーザーファースト”。そのスピリットは、今もここに生きています。あの時と同じ価値観と信念を持って、私たちはVivaldiを作っています」 https://t.co/RpWoMY8me8
— Vivaldi ブラウザ (@vivaldi_jp) 2016, 2月 10
同氏はOperaを退社した後、新たに「Vivaldi」ブラウザを提供開始。同ブラウザは「A New Web Browser for Our Friends」であるとしており、(かつての)独自エンジンだった頃のOperaブラウザを愛用していたユーザ向けのWebブラウザ開発を行っている。
テッツナー氏は2010年1月にOperaのCEOを退いたあと、翌2011年6月にOperaを離れることが発表された。かつてのOperaは「The Fastest Browser on Earth」(地上最速のブラウザ)をうたうなど、高機能かつ動作が高速であることがアピールされていた。
個人的に好きなのは、かつてOperaに在籍していたころのテッツナー氏のコメントで「遅いのはバグだから、直せ」というコメント。(2009年のマイナビニュースで掲載されていたのでご紹介まで)
「PCブラウザ最速は弊社のプライド」 – 再躍進を目指すOperaの取り組み (2) 東欧、南アフリカなどで熱狂的な人気の理由 | マイナビニュース
Opera SoftwareのCEO、Jon Stephenson von Tetzchner氏は「遅いのはバグだから、直せ」ということを言うそうで、最速にかけるOperaのプライドは今も健在ということだ。