2016年7月12日(火)に台北で開催されたZenFone 3シリーズなどの発表イベント「Zenvolution」に参加したのでイベントの様子をレポート。
■ASUS、台北で「Zenvolution」を開催、ZenFone 3シリーズなどを発表
Zenvolutionにて発表されたのは、ノートPCのTransformer 3 Pro、Android スマートフォンのZenFone 3、ZenFone 3 Deluxe、ZenFone 3 Ultra、Androidタブレット ZenPad 3S 10。本レポートでは、スマートフォンの「ZenFone 3」シリーズを中心にご紹介。
■イベント開始直前:熱気あふれる会場
イベントが開始されるとすぐに、ASUS会長のジョニー・シー氏が登壇。
■ASUS会長ジョニー・シー氏が登壇
最初に発表したのはSurface的なノートPC「Transformer 3 Pro」
■Transformer 3 Pro
■Transformer 3 Proスペック
Transformer 3 Proの最高スペックとして、CPUにInterl Core i7(型番不明)、RAM 16GB、SSD 1TBが搭載可能であることをアピール。スペック面やベンチマークのスコアが、MicrosoftのSurface Pro4と比べて優位にあることがアピールされた。
■Surface Pro4と比較した際の優位点がアピール
■Transformer 3 Proのアクセサリ類
Transformer 3 Proのアクセサリの中で時間をかけて説明されたのは、タッチペンの「ASUS Pen」で、会場では実際にASUS Penを使って似顔絵を描くデモの行われていた。
■ASUS Pen
Transformer 3 ProとASUS Penを使ったデモは、Zenvolution会場でも「似顔絵を描く」というデモが行われていた。
■Transformer 3 ProとASUS Penで似顔絵を描くデモ
Transformer 3 Proの販売価格(4GB / 256GB)はNT$ 41,000(約13万円)より。
■Transformer 3 Proの販売価格はNT$ 41,000(約13万円)より
Transformer 3 Proに続いて、イベントのメインディッシュとしてZenFone 3シリーズが紹介。ZenFoneは世界30か国で3,000万大以上の販売を記録し、2014年-2015年の二年間の連続で、台湾で最も売れたAndroidスマートフォン(IDC調べ)となったことを発表。
■ZenFoneの販売台数は世界で3,000万台突破
■二年連続で台湾のAndroidスマートフォンでNo.1となったことを発表するジョニー・シー氏
新たに2016年モデルとして発表される「ZenFone 3」シリーズは、ZenFone 3・ZenFone 3 Deluxe、ZenFone 3 Ultraの3機種を発表。
■ZenFone 3・ZenFone 3 Deluxe・ZenFone 3 Ultraの3機種を発表
ZenFone 3シリーズで最初に発表されたのは、ZenFone 3のフラッグシップにあたるZenFone 3 Deluxe。
■ZenFone 3 Deluxe
ZenFone 3 Deluxeには、SamsungのGalaxy S7 edgeと同様に、Always-on技術が採用される。
■ZenFone 3 Deluxeのディスプレイ性能:Always-onも対応
Zenvolution 3 Deluxeは、最上位モデルとしてSnapDragon 821、RAM 6GB、ストレージ256GBモデルが投入されることも発表。ZenFone 3 DeuxeでSnapDragon 821採用モデルが投入されることが発表されたのは初めて。
※なお、最上位モデル以外はSnapDragon 820を採用
■ZenFone 3 Deluxe 最上位モデルはSnapDragon 821 / 6GB / 256GB
RAM 6GBモデルはスマートフォン向けのRAMとしては世界最大となるだけでなく、実際の処理速度に関しても世界最速であることがアピールされた。
■世界最大・最速のRAMを搭載
また、ストレージに関しても同様に世界最大、世界最速としており、最上位モデルに関しては非常に高性能であることがさかんにアピールされた。
■世界最大・最速のストレージを搭載
ネットワーク面では、台湾の通信事業者の4G LTEバンド全てに対応するほか、デュアルSIMで4G LTEデータ通信 + 3Gの音声待受が可能となっていること、LTEのカテゴリー13への対応や、3波CAに対応。
デュアルSIMの4G + 3G(4Gデータ通信 + 3G音声待受)対応に関しては、ZenFone 3シリーズ3機種(ZenFone 3・ZenFone 3 Deluxe・ZenFone 3 Ultra)に共通。いずれのモデルも3GのデュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)に対応しているものと思われる。
■デュアルSIMデュアル3Gスタンバイに対応
Wi-Fiについては、WAN側がIEEE802.11ac対応、2*2 MIMOに対応しており通信速度は最大866Mbps。なおかつ、ZenFone 3 Deluxeのインターネット側をWi-Fi接続した上で、Wi-Fiテザリングを実行することも可能。
■Dual Mac WiFi Repeater
充電周りでは、新たにQuickCharge 3.0に対応、充電開始から39分で69%までバッテリが充電可能。外部デバイスとの接続インターフェイスにはUSB Type-C 3.0を採用しており、高速なデータ通信が可能。
■QuickCharge 3.0対応、USB 3.0対応、端子はUSB Type-C 3.0
VR関連では、2016年のGoogle I/Oで発表されたばかりのGoogle Daydreamをサポート。
■Google Daydreamをサポート
さらに、ZenFoneシリーズとしては初めて「VoLTE」をサポート。VoLTE提供キャリアで使用する際、通話品質が従来よりもクリアになるほか、4G LTEデータ通信を行いながら(4G LTEネットワークを使って)音声通話を継続することができる。
ZenFone 3 Deluxeの販売価格&発売日は以下。
SnapDragon 820:RAM 4GB / 32GB → NT$15,990 (約5.1万円)
SnapDragon 820:RAM 6GB / 64GB → NT$17,990 (約5.7万円)
SnapDragon 821:RAM 6GB / 256GB → NT$24,990 (約8万円)
発売日:未定(8月1日以降)
ZenFone 3:最安モデルは約2.5万円から
フラッグシップにあたるZenFone 3 Deluxeに続いて、ZenFone 3が発表。ZenFone 3は、5.2インチモデルと5.5インチモデルの2種類が投入されることが、Zenvolutionにて初めて明らかにされた。
■ZenFone 3を発表
■ZenFone 3:ディスプレイ性能
■ZenFone 3:CPU・RAM・ネットワーク関連スペック
チップセットはSnapDragon 625、RAM 4GB、バッテリー容量 3,000mAhのほか、ネットワーク面ではLTEのカテゴリー7、デュアルSIMは4Gデータ通信 + 3G音声通話のデュアルSIMデュアルスタンバイに対応。
SnapDragon 625の採用はZenFone 3が世界で初。14nmプロセス製造の同チップセットは省電力性能に優れており、消費電力は35%小さくなる(比較対象が不明)とのこと。
■ZenFone 3:SnapDragon 625を採用
ZenFone 3は7月12日(火)より台湾向けに発売されている。5.2インチモデルが7,990台湾ドル(約2.5万円)、5.5インチモデルが9,9990台湾ドル(約3.2万円)
ZenFone 3 ZE520KL:5.2インチモデル RAM 3GB / ROM 32GB → NT$ 7,990(約2.5万円)
ZenFone 3 ZE552KL:5.5インチモデル RAM 4GB / ROM 64GB → NT$ 9,990(約3.2万円)
発売日:2016年7月12日(火) 発売済み
ZenFone 3 Ultra:シリーズ最大の6.8インチディスプレイ
続いて発表されたのは、日本国内でも期待値の高い「ZenFone 3 Ultra」。同機種は6.8インチの大画面ディスプレイが特長。
■ZenFone 3 Ultraが発表
ZenFone 3 Ultraは、他のデバイスと比べてデザイン面での工夫がアピールされた。
■ZenFone 3 Ultra:優れたデザインや加工をアピール
ZenFone 3 Ultraのディスプレイは6.8インチ・フルHD(1920 * 1080)ながら、ASUSの独自技術「Tru2Life+」により、4Kテレビと同等の画像処理性能を実現。
※具体的にどんなポイントが「4Kテレビと同等」なのかは理解できなかった(中国語の理解不足もあり)
■ZenFone 3 Ultra:4K TVと同等の画像処理性能を実現
ZenFone 3 Ultraは、USB Type-Cポート経由で外部ディスプレイへの出力も対応する。
■ZenFone 3 Ultra:USB Type-Cポート経由で外部ディスプレイへの出力にも対応
■ZenFone 3 Ultra:QuickCharge 3.0対応、4,600mAh、他デバイスへの充電も可能
ZenFone 3 UltraはQuickCharge 3.0対応、バッテリー容量は4,600mAhと大容量。
大容量バッテリを搭載したスマートフォンZenFone Maxと同様に、他のデバイスへの充電も可能。
ZenFone 3 Ultra
SnapDragon 652 / RAM 4GB / ROM 64GB
販売価格:NT$ 17,990 (約5.7万円)
発売日:7月27日予定
ZenPad 3S 10:6コアCPU、RAM 4GB搭載タブレット
ASUSが2015年に発売したAndroidタブレット「ZenPad」シリーズの最新モデルとして、9.7インチディスプレイの「ZenPad 3S 10」が発表された。ただし、ZenPad 8系の後継にあたる機種は発表されなかった。
■ZenPad 3S 10
ZenPad 3S 10のディスプレイサイズは9.7インチ。解像度はQXGA(2048 * 1536)
前述のZenFone 3 Ultraと同様に、独自技術「Tru2Life」に対応する。
■ZenPad 3S:解像度は2K(QXGA 2048 * 1536)、Tru2Life対応
■ZenPad 3S 10:CPUは6コア、RAM 4GB、5900mAhバッテリ(QC 3.0対応)
ZenPad 3S 10:10,990台湾ドル(約3.5万円)
発売日:2016年8月予定
まとめ・感想
Zenvolutionにて発表された「ZenFone 3」シリーズは、フラッグシップ端末「ZenFone 3 Deluxe」の最上位モデルでSnapDragon 821採用、共に世界最大となるRAM 6GB、ストレージ 256GBとスペック面では「世界最強クラス」と言って差し支え無い。
ただし、スペックの高さが素直にパフォーマンスに直結するかと言われると、ソフトウェアの作り込み・チューニングの部分で期待していたよりもパフォーマンスが良くないこともありえるので、実際の使い勝手に関しては実際の環境で使ってみないと何とも言えない。というのが率直なところ。
ZenFone 3シリーズは、おそらく日本国内向けにも発売される(機種や時期などは不明)ことが期待できるので、今後のASUSからの情報を楽しみにしたいところ。
個々のデバイスの詳細スペックに関しては、MONOLOG.に詳細仕様が掲載されているのでご参考まで。
台湾ASUS、台湾向けに「ZenFone 3 / 3 Ultra / 3 Deluxe」「ZenPad 3S 10」の価格と発売日を発表 | MONOLOG.