イー・アクセス社の四半期決算が発表され、EMOBILE LTEの契約件数が7月末で38万件になっている事が明らかにされている。
イー・アクセス四半期決算、LTEは30万契約に – ケータイ Watch
EMOBILE LTEの契約件数推移については、以下の推移である事が発表されている。
[EMOBILE LTE契約件数の推移]
2012年3月15日:EMOBILE LTEサービス開始
2012年3月末:70,000件
2012年6月末:300,000件
2012年7月末:380,000件
計算してみると、1ヶ月に約80,000件の純増という事で、7月の1ヶ月あたりの純増件数が300,000件を突破したUQ WiMAXや、1.5ヶ月で100万契約純増しているXiと比べると、ユーザ数の増加ペースは鈍い。
ちなみに、2012年7月末時点での各社の高速通信サービスの契約件数を比較すると以下。
Xi:433万
WiMAX:320万
EMOBILE LTE:38万
ただ、ユーザ数の増加が鈍いせいか、EMOBILE LTEの通信は非常に快適で、現時点で都内で利用するモバイル通信としては、XiやUQ WiMAXよりも平均的に通信速度が上回る事が多いし、面的なエリアはXiよりもかなり広くなっているので、実際に使ってみると『え?こんなところでもLTEで繋がるの?』という嬉しい経験をする事が多く、『現時点』ではXiやUQ WiMAXよりも快適に使えると思う。
『現時点で』としたのは当然、この先同じ状況が続くかは解らないためで、約1年前に引越をする前は、UQ WiMAX回線を自宅回線として使っており、特に不都合を感じてはいなかったけれど、今都内で同じ事が可能かと言うと、出来なくは無いけれど、通信速度的には結構ストレスを感じる事が多いのでは無いかと思う。
EMOBILE LTEは、現時点ではユーザ数が少ないという事もあって通信速度は快適だけれど、この先同じような状況が続くのか(それはそれで、経営的にはマズイように思うし)、ユーザ数が増えた結果速度が低下するというシナリオが起きるのかは注目したいところ。
また、6月から発売が開始されている『GL04P』が対応しているUE Category 4の具体的な導入時期については、イー・モバイルでは2012年度内を予定しているものの、現時点で未定となっている。
なお、従来より高速なデータ通信が可能になる「カテゴリー4」の導入について、同社代表取締役社長のエリック・ガン氏は「弊社の計画上は2012年度内。しかし、現状は国会などで法案の議論が始まっておらず、(カテゴリー4の導入に必要な新たな周波数の割当に)時間がかかるのではないか。現時点では不透明」とコメントした。
EMOBILE LTEの料金は月額3,880円と、定価ベースでXiと比べるとかなり安いんだけれど、今後はARPUの上昇に力を入れる方針である事が明らかにされているので、スマートフォン/データ通信端末を問わず、今後は各種のオプションサービスへの加入に、店頭でも力を入れていく方針と思われる。
ユーザとしては価格なりのメリットがあるサービスであれば良いのだけれど、あまり意味の無いオプションサービスを、事業者側が『ARPUを上げたいため』に半強制的に加入させられるような販売施策にはならないで欲しいなと。
今後、最も注力するポイントとして挙げられたARPU(ユーザー1人あたりの平均収入)については、2680円(前年同期比6.3%減)となった。過去1年間のARPUを見ると、1年前の2011年度第1四半期が2860円で、同年第2四半期と第3四半期が2期連続で2730円、第4四半期が2680円だった。今回は2期連続で2680円となり、イー・モバイルでは自社ブランドによるユーザー数の増加で安定したと評価。またARPU向上に繋がるオプションサービス(サポートやセキュリティ)は順調に増加しており、たとえばサポートとサービスの利用件数は前年同期から25万件増加し、今回は95万件になった。セキュリティサービスは前年同期から倍近くなり、28万件から55万件となった。こうした状況から、ガン氏は「ARPUのボトム(底)が見えてきた」として、減少傾向だったARPUに底打ち感が出てきたとする。