ドコモのLTEに関する取り組みの報道向け説明会で気になった内容のメモ。
LTEに関する取り組みの説明会のケータイWatchの記事は以下より。
他社には負けない――ドコモ技術陣が語るLTEの取り組み – ケータイ Watch
- Xiの下り最大75Mbps対応基地局を大幅に増加予定
- LTE基地局数は他社の2倍前後
現時点では『ごく一部の地域』での対応に留まっている、Xiの下り最大75Mbps対応の基地局を、2012年度末までに大幅に増加予定である事が明らかにされている。
10MHz幅対応の基地局は、2012年度末には、全国4000局(23区内で700カ所、京阪神で300カ所)になるとのことで、来年度以降も、順次、下り最大75Mbpsのエリアを拡充していく。
東京の山手線付近の75Mbps対応基地局は、9月末の時点で22か所(ドコモ発表の資料)となっているけれど、これを2012年度末までに23区内で700か所に拡大予定とのことで、都内のターミナル駅周辺など、トラフィックが多い地点でのXiの実効速度の改善に期待できそう。
順番は前後するけれど、Xi対応のスマートフォンの増加によって、通信量がFOMA ⇒ Xiへ移行しつつあるという説明。
しかしXi対応のスマートフォンが拡充してきたことで、通信量もFOMAからXiへ移りつつあると、岩崎氏は説明。東京23区におけるトラフィック(5MHz幅あたりのトラフィック比率)は、2012年5月時点と比べ、11月になるとXiは1.8倍に増えて、FOMAは0.9倍とやや減少した。
ドコモのXiの契約数は、
2012年5月末:292万
2012年10月末:670万
2012年5月末〜10月末の間で約2.3倍になっているけれど、通信量は1.8倍に収まっている。というのはちょっと意外な数字で、Xiの通信量はもっと増えているのかなと思っていた。
ドコモの発表ではXiの通信量が増える一方で、FOMAの通信量は減少している。との事だけれど、都内で使っていると、一時期と比べて確かにFOMAの通信状況は徐々に改善しているのが実感できているし、新しく発売される端末は基本的にXi対応端末となっているので、今後も基本的にはFOMAの通信量が増える事は無いと予想されるので、Xiの下り最大75Mbps対応基地局の増加も、徐々にスピードアップしていく事が期待出来る。
一方で、12月以降はFOMA ⇒ Xiの契約変更事務手数料が
現:2,100円
新:3,150円
と値上げされる予定となっている。
Xiへの移行を促したいのであれば、この部分の手数料は据え置きでも良かったんじゃ無いかなぁ…と思わざるを得ない。
関連エントリ:12月1日より改定されるdocomoの各種手数料に関するまとめ | shimajiro@mobiler
今回の発表では、他社との基地局数の比較が発表されており、東京23区、政令指定都市、中核市のそれぞれで、他社と比べてLTE対応の基地局数が多い。というデータを公表している。
■LTE対応基地局数の他社比較
docomo 2GHz |
au |
SBM 2GHz |
||
---|---|---|---|---|
800MHz | 2GHz | |||
東京23区 | 2,681 | 1,325 | 1,608 | 1,436 |
政令指定都市 | 6,061 | 3,502 | 2,581 | 3,319 |
中核市 (人口30万人以上) |
2,713 | 2,326 | 945 | 1,701 |
※ドコモ発表のデータより
今回の基地局数比較を見て思った事は『ドコモのLTE対応基地局数が多い』というよりは、ドコモの契約者数から考えると、LTE対応の基地局数はそれほど多くなく、他社のLTEサービス利用者数は公表されていない部分もあるけれど、現時点のLTE契約数から考えると、LTE契約数あたりの基地局数では、ドコモが一番少ない計算となり、ユーザ数も少なくサービス開始からそれほど日も経っていないau、SoftBankの2社が意外と頑張っているんだなという印象を受けた。
Xiサービスは2010年の12月24日に開始しており、開始から間もなく二年間になり、他社サービスと比較して先行してはいるけれど、エリア展開や通信の実効速度を考慮すると『他社サービスより優れている』とは言いにくい状況(特に、都内では)と感じているし、今回の説明会の発表内容を見ても、かなり競合他社を意識している事が理解出来る。
ユーザ数が国内最大だったり、既存のFOMA向けの周波数との割り振りだったり、ドコモならではのLTE展開の難しさがある事は理解しているけれど、下り最大75Mbps対応基地局の増加による通信速度の改善や、説明会でも紹介されているような、通信の繋がりやすさのチューニングによる改善など、出来る範囲での改善から頑張っていって欲しいなと。