ドコモの2013年冬〜2014年春モデル端末発表会でお披露目された『Wi-Fi STATION L-02F』の展示機をじっくりと触ってきたので、展示会で聞いた詳細情報や使い勝手などをご紹介。
- 下り最大150Mbps対応/クアッドバンドに対応した初めてのモバイルWi-Fiルータ
- LG製のモバイルWi-Fiルータでは初のクレードル連携
- タッチパネルを採用しタッチ操作に対応/APN入力が端末単体で可能に
- 『SIM認証』対応によりdocomo Wi-Fiへの『ログイン設定』が不要に
- バッテリーはL-03Eと共通。使い回しも可能
- 一定時間通信が無いとWi-Fiの出力を下げる『Wi-Fiスリープ』に対応
- USB接続はMac OSにも対応!
- サイズはL-03Eよりも一回り大きく
L-02Fは、
2.1GHz帯(Band 1)
1.7GHz帯(Band 3)
1.5GHz帯(Band 21)
800MHz帯(Band 19)
の4つのLTEが利用可能な『クアッドバンド』対応のモバイルWi-Fiルータ。
ドコモは2013年10月より、1.7GHz帯を使って東名阪エリアで下り最大150Mbpsに対応したエリア展開を行う予定となっているため、L-02Fの通信速度は『国内のモバイルWi-Fiルータで最速』となる。
Band 3による下り最大150Mbps対応エリアは、主に東名阪エリアでトラフィックが多いエリアから優先的に対応する予定となっているので、対応エリア内ではXiの高速化が大いに期待できる。
ちなみに、スペック表には明記されていなかったけれど、L-03Eと同じく2G(GSM)にも対応となっているので、SIMロックを解除して海外のGSMエリアでも安心して使うことができる。
■L-02F:海外ではGSMも利用可能
■LG製モバイルWi-Fiルータとしては初のクレードル対応
L-02Fは、LG製のモバイルWi-Fiルータ(ドコモ向け)では初となるクレードルに対応。
クレードルはL-02Fに同梱されるため、L-02Fを購入した方は追加料金なしに使用することができる。
L-02Fでは、国内のモバイルWi-Fiルータでは初となる、5GHz帯を使用する無線LAN規格『IEEE802.11ac』に対応しており、2.4GHz帯が混雑している状態でも比較的スムーズに通信が可能となる。
L-02Fでの5GHz帯の無線LANは、クレードルに挿している際にのみ有効となっており、クレードルからL-02Fを外すと自動的に無効になるため、外出中に使えるのは事実上2.4GHz帯のみとなる。
■5GHz帯はクレードル接続時のみ有効
以下、L-02Fをクレードルから外した際の動画
■L-02Fをクレードルから外すと自動的に5GHz帯が無効になる(動画)
L-02Fのクレードルは、アクセスポイントとして使用できるほか、例えばデスクトップPCと有線LANで接続することで、モデムとしての利用も可能になっているとのこと。
Xi側が下り最大150Mbpsと、100Mbpsを超える速度になっているのに合わせて、無線LAN側の高速化だけでなく、クレードル経由での有線LAN接続についても、最大の通信速度1Gbpsの『1000BASE-T』規格に対応しているのも、地味ではあるけれど、キッチリ『考えられた』商品設計になっているのが嬉しい。
ちなみに、L-02FのクレードルはL-02F専用となっており、寸法の近いL-03Eをクレードルに挿しても何も起きなかった。これについては『L-02Fでのみ動作するようになっている』(説明員)とのこと。
■L-02FのクレードルはL-02F専用
L-02Fは、既に発表されているGL10PやHWD14などのモバイルWi-Fiルータと同じく、本体にディスプレイを搭載しており、タッチパネルで操作する。
■L-02Fをタッチパネルで操作
…やっぱり中身は『Androidっぽい』
※ただし、説明員によるとOSは『Linuxベース』とのこと。
SIMロック解除に対応するL-02Fがタッチパネルでの操作に対応したことによって、海外で利用する際にAPNを端末単体で設定可能となるのは嬉しい。
■APN設定も端末単体で可能に
LGエレクトロニクス製のモバイルWi-Fiルータは、前作である『L-03E』がジョグキーを採用しており、ジョグキーを使った文字入力も可能ではあったが、端末単体でAPNを新規作成することには非対応だったため、SIMロック解除後に海外SIMで利用する場合、『スマートフォンやタブレットからAPN作成を行う』という手間があったけれど、L-02Fでは端末単体でAPN設定が可能となっている。
なお、SIMロック解除についてはスマートフォンやiモード端末のように店頭でSIMロック解除が完了するタイプではなく、従来のデータ通信カード/モバイルWi-Fiルータと同様に工場に送付してから、SIMロックを解除してもらった上で返して貰う対応となるので『海外に出発する当日に空港のドコモカウンターでSIMロック解除』はできないので注意。
L-02Fは画面下部に4つのアイコンが並んで表示される。こちらは好みに応じて内容を変更することが可能となっており、自分の使い方に合わせてよく使う機能を登録することができる。
■L-02Fのショートカット設定を変更(動画)
気になるタッチパネルの感度&使い勝手は、特にストレスを感じるほどではなく、発売までまだまだ日があることを考えると『タッチパネルの操作がストレス』となる可能性は低そう。
LGエレクトロニクス製のモバイルWi-Fiルータは、前モデルである『L-03E』が、docomo Wi-Fiに対応しているものの既にID/PWなどを入力した状態であっても、『ブラウザを立ち上げてのログイン処理が必要』となっていたため、意図せずL-03Eが公衆無線LAN(docomo Wi-Fi)に接続された状態では『おや?つながらないぞ???』と思うことが過去に何度かあった。
L-02Fでは、docomo Wi-Fiにおける新しい認証方法として『SIM認証』とよばれる方法をサポート(HW-01Fも同様にサポート)しており、docomo Wi-FiでのID/PWを入力することなく、docomo Wi-Fiに接続可能となっているとのことで、これはモバイルWi-Fiルータ利用時のdocomo Wi-Fi利用に対する設定ハードルを一気に下げるものとして期待しているところ(^ ^)
新発売となるL-02Fは、旧モデルである『L-03E』とバッテリが共通になっているので、相互にバッテリ交換をしての使用も可能。
■L-02F(左)とL-03Eのバッテリを交換してみた
バッテリはL-03Eと共通になっているため、L-03EのバッテリがそのままL-02Fにも流用できる。
というのは、L-03EからL-02Fに乗り換える人にとっては嬉しい仕様と言えそう。
L-02Fでは、L-03Eと同様にスマートフォンなどへの給電機能にも対応しているので、従来通りモバイルバッテリーとして使うことも可能。
細かな点にはなるけれど、L-02Fの給電用ケーブルには『LG』のロゴが入っていた。
■L-02FのUSB給電ケーブルは『LG』のロゴ入り
■給電中のUI
L-02Fは一定時間通信が無いと、Wi-Fi側を出力を小さくする『Wi-Fiスリープ』に対応しており、非使用時のバッテリー消費を抑える工夫がされている。
→恐らく、WiMAX対応のモバイルWi-Fiルータ『WM3800R』のパワーセーブ通信に近いものと思う。
L-02FはUSB接続にも対応しており、今回からは新しくMacにも対応しているとのこと(説明員)
前モデルであるL-03Eは、連続通信時間が12時間を超える便利なモバイルWi-Fiルータでありつつも、USB接続はWindows OSのみの対応となっていたので、Macユーザとしては少々寂しい思いがあったけれど、L-02FのUSB接続はMac OSにも対応しているとのこと。
L-02FはL-03Eよりも一回りサイズが大きくなっている。
■L-02FとL-03Eのサイズ比較
■L-02FとL-03Eのサイズ比較(2)
タテヨコは少しだけ大きくなっているけれど、厚さはほとんどL-03Eと同じ。
横から見ると、L-03Eと若干デザインが異なっていることがわかる。
L-02Fは
・下り最大150Mbps対応
・LTEクアッドバンド対応
・クレードル対応
・IEEE802.11ac対応
・タッチ操作への対応
などなど、目立つ機能追加がある一方で、
・USB接続のMac対応
・公衆無線LANへの接続がカンタンに
など、地味ながらも着実に改善が施されているモデルとなっており、L-03Eに続いてドコモのモバイルWi-Fiルータとしては『本命』と言える機種になりそうで、発売が楽しみなモバイルWi-Fiルータ。
ただし、発売時期が2014年の2月予定となっており、発売が『まだまだ先の話』という感じがするのは寂しいところ(^ ^;