MVNOのデータ通信速度はMNOと同一ではないという話

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楽天モバイルのWebサイトに『つながりやすさ、スピードはドコモと同じ』という旨の記載があったので、最近何かと話題になるMVNOとMNOの通信速度について。

結論から言うと、MVNOのネットワークを利用時とMNOのネットワークを利用時はデータ通信速度は必ずしも同一では無い。

楽天モバイルのサービス発表記者会見でツッコミのあった『スピードはドコモと同じ』という表現については、楽天モバイルのサービス提供開始後もしばらく楽天モバイルのWebサイトに掲載されており、後日『つながるエリアはドコモと同じ』という表記に修正された。

■楽天モバイル:『つながりやすさ、スピードはドコモと同じ』(修正前)
楽天モバイル『つながりやすさ、スピードはドコモと同じ』

上記の表現は、後日以下のように修正されている。

■楽天モバイル:『つながるエリアはドコモと同じ』(修正後)
楽天モバイル『つながるエリアはドコモと同じ』

MVNOは、ドコモ/KDDI/ソフトバンクモバイルをはじめとしたMNOから設備をレンタルして通信サービスを提供するため、利用可能なエリアについてはレンタル元となるMNOとMVNOで差が無いとしても、MNOとMVNOが使用する設備については完全には同一でないことも多い。

例として、KDDIがMVNO向けに公開している資料がわかりやすいので引用してご紹介。

2卸電気通信役務の概要
掲載元:MVNO様向けLTE通信サービス標準プラン(PDF)

上記例では、モバイルネットワーク側は当社網(KDDI網)およびGW区間についてはKDDI側が提供するものの、そこから先にインターネットに接続する設備(資料では接続用伝送区間およびMVNO様区間とされている)については、MVNO側で調達する必要があり、この部分についてはMNOであるKDDI側からは提供がされない。
※ただし、資料の下の方にある『再販型』とされるタイプではMVNO側が調達する設備が無く、このパターンではMNOであるKDDIと同じ設備を利用するのでデータ通信速度は基本的に同一と言える。

データ通信速度についてはMNOとMVNO間でも異なるし、同じMNOから回線を借りているMVNO同士でもデータ通信速度の実効速度は異なるので、MVNOのサービスを契約する際は、既存の利用者のデータ通信速度に対する不満などなどもチェックしてから契約することをオススメ。

データとしては少々古いデータにはなるけれど、MMD総研が2014年2月に行った調査では、ドコモのMVNOを利用するユーザの間で通信速度に関する満足度が大きく異なる結果が出ており『ドコモのMVNO』だからと言って『ドコモと同じ速度で使える』とは限らないのに加えて、通信速度の実効速度についてはMVNO間でも大きくことなり、その結果が実際のユーザの満足度にも表れている。

■通信速度に関する満足度
OCN:61.2%
IIJ:62.8%
BIGLOBE:58%
日本通信:38.4%
情報元:低価格SIMカード利用者の満足度調査 – MMD総研
※調査データは2014年2月のもので現在は状況が異なる可能性があり、『MVNOでも通信速度に差がでる』ことのデータとしてご紹介まで。

ドコモなどのMNOが音声通話定額&パケット通信量の家族間シェアを軸とした『新料金プラン』に移行していく中で、低価格をウリにしたMVNO各社のサービスへのニーズは高まっており、今後もMVNOを契約するユーザが多くなる可能性は高い。そんな中で、MVNOが『通信速度はドコモと同じ』というような表現で、ユーザを欺くような方向にはいってほしくないなと。

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