IIJmio meeting 13:ゼロ・レーティングの課題を丁寧に説明、スピードテスト”だけ”速くするのは優良誤認

IIJ(インターネットイニシアティブジャパン)は、10月22日(土)に東京都内でIIJmio meeting 13を開催。

海外旅行者向けに提供する「海外トラベルSIM」が通常の国内向けIIJmioのSIMカードと異なる理由やサービスの仕組み、またTwitter・LINE・FacebookなどのSNSが通信量を消費しない「ゼロ・レーティング」に関する課題や、ゼロ・レーティングに関するIIJとしての考え方を紹介した。

「IIJmio meeting 13」の紹介は以下にて。
てくろぐ: IIJmio meeting 13 ゼロレーティングの話など

「LINEやTwitterが使い放題」など、特定サービスを利用する際のデータ通信を無料とする「ゼロ・レーティング」に関しては、通信の秘密の侵害、ネットワーク中立性原則に照らし合わせた妥当性の問題、利用者間の公平性が担保されない点を課題と説明。

IIJとしては今のところゼロ・レーティングサービスを提供する考えが無い事や、IIJがMVNEとなって展開するMVNOサービスでの展開についても「パートナーに問題点などを説明した上で判断してもらう」とコメント、ゼロ・レーティングに対し手消極的な見解を改めて明らかにしている。
※IIJがゼロ・レーティングサービスを提供する予定が無い。というのは従来から特に変わりが無い。

■ゼロ・レーティングサービスにかかる課題
ゼロ・レーティングサービスにかかる課題

■「通信の秘密」とは
「通信の秘密」とは

■ゼロ・レーティングと通信の秘密
ゼロ・レーティングと通信の秘密

■ゼロ・レーティングとネットワーク中立性原則
ゼロ・レーティングとネットワーク中立性原則

■利用者間の公平性の問題
利用者間の公平性の問題

ゼロ・レーティングに関する課題を説明後「IIJの考え方」として仮にゼロ・レーティングを採用してサービスを提供する場合については、通信の秘密について「事前」に「個別」かつ「明確」な同意を得た上でサービスを提供することを表明。

また、ゼロ・レーティングサービスの提供事業者がコストを負担しないモデルについては利用者間の公平性が保てないために導入の意思がなく、サービス提供事業者がコストを負担するモデルについては、現時点で予定が無いと説明しながらも、提供することがあれば通信の秘密およびネットワーク中立性の観点から検証を行う。としている。

ただし、冒頭でも紹介したようにIIJmioにおいてゼロ・レーティングの提供が前向に検討開始されたのではなく、あくまで「仮に」提供する場合の対応として紹介。

IIJmio meeting 13では、一連の説明のあとに質疑応答コーナーが開催。質疑応答の中では、スピードテスト結果だけが高速で、他の通信に関しては速度が遅いMVNOがあることに関する質問も飛び出した。

■スピードテストだけ速い通信事業者がある?
IIJmio Meeting 13

IIJ側は「専門外なので何ともコメントし難い」と躱しながらも、仮にそういった最適化が行われているのであれば、景品表示法上の優良誤認にあたるのでは無いか。とコメント。

なお、上記質問にて名指しされている(状態に近い)FREETELについてはスピードテストアプリに対して「見せかけの速度高速化」を行っていないことが明言されている。

FREETEL発表会で通信速度について確認してきた | 幽玄会社中山商店

発表会後にFREETELの増田代表取締役に確認したところ「他社さん同様チューニングはしているが、特定のアプリや通信内容で通信速度制限をするといったことはしていない」とのことです。また速度計測アプリだけ規制をせず、速く見せかけるようなことも絶対にないそうです。

IIJは、自社でゼロ・レーティングサービスを提供していない(かつ、現時点で提供する予定も無い)としながら、同種のサービスを提供する他社に対するネガティブキャンペーンのような形ではなく、関連法規や規制との兼ね合いや、ユーザ間での不公平性という類いの問題点を指摘、その上で自社としてはゼロ・レーティングを提供する予定が無いことを丁寧に説明するなど、非常に「真面目なMVNO」という印象を受けた。

過去に開催されたIIJmio meetingの公開資料は以下にて。
てくろぐ: IIJmio meeting ARCHIVE

IIJmioのサービス紹介・申込は以下にて。