総務省は、2019年の台風15号および台風19号により大規模な停電が発生し、携帯電話サービスが一部エリアで利用できなくなる障害が発生したことを受け、市町村役場などをカバーする通信設備の予備電源を24時間以上確保することを義務付ける方針。
総務省の中間とりまとめでは、都道府県庁および市町村役場、災害拠点病院では予備電源を最低24時間以上、大規模災害時の対策拠点となる都道府県庁や、対応に時間を要する離島や山間僻地の市町村役場をカバーする通信設備は、最低72時間以上の予備電源を備えることを義務付ける案が示されている。
総務省のWebサイトに公開される資料は以下。
通信インフラの耐災害性強化に向けた対応策(案)
総務省の資料によると、2019年の台風による携帯電話サービスの停止要因は、商用電源の停止による基地局の電源枯渇が7〜8割で最多。
携帯電話サービス停止要因
令和元年台風での携帯電話サービス停止要因としては、商用電源停止による基地局電源の枯渇(7〜8割)が最も多く、次いで、電柱の倒壊による伝送路断等の回線障害(1〜2割)であった。
全国の役場エリア約1,800か所のうち、携帯電話基地局の予備電源が24時間未満の局は約5%残っており、これらの基地局が「最低24時間以上の予備電源の義務付け」対象となる。
■見直し案
なお、ドコモでは役場や災害拠点病院をカバーする基地局の予備電源を72時間以上にする対応をほぼ完了(関連エントリ)しているほか、原則として全ての基地局で24時間以上の予備電源を備える方針。