楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT Ⅵ」を自宅の固定回線代わりに使うメリット・デメリットのまとめ。
■楽天モバイルを固定回線に使う
楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT Ⅵ」は、月間のデータ容量に基づく速度制限が無いため、自宅や事務所が楽天モバイルの自社エリア内である、楽天モバイルの自社回線に対応するデバイスを持っているなどの諸条件を満たしていれば、固定回線として使うことは難しく無い。
月額料金の上限は3,278円で、光回線などの固定回線と比べると割安。また、宅内の工事は不要なため、端末が手元に届き次第すぐに固定回線代わりに使うことも可能。
楽天モバイルの自社回線のエリアは、大手3社(ドコモ、KDDI、ソフトバンク)と比べれば限られているものの、都市部を中心に拡大中で、「外出中は使えないけど自宅(または事務所)は楽天回線のエリア内」というパターンもあり得る。
楽天モバイルのエリアマップは以下にて。
サービスエリア
楽天モバイルでは、固定回線での利用に適したホームルータータイプの製品は発売していない。ただし、モバイルWi-Fiルーターをそのまま使ったり、モバイルWi-Fiルーター + 据置用のアクセスポイントと組み合わせで使うなどの方法で、楽天モバイルを固定回線に活用できるので、方法別にメリット・デメリットをご紹介。
モバイルWi-Fiルーターを使う
楽天は、4G LTEに対応するモバイルWi-Fiルーターを自社回線対応製品として販売している。
2022年1月時点での取扱端末のうち、最も本体価格が割安なのは「Rakuten WiFi Pocket 2B」で、「Rakuten UN-LIMIT Ⅵ」の新規契約とあわせて購入すると、本体代金が1円になる。
楽天モバイルのサービスでは、契約時の事務手数料は無料のため、初期費用を気にすることなく、モバイルWi-Fiルーターを入手できる。また、「Rakuten WiFi Pocket 2B」を回線契約とセットで購入すると、5,000ポイントが還元される。
モバイルWi-Fiルーターを固定回線に使う方法は、楽天モバイルを固定回線として使う方法の中で、スマートフォンのテザリングを使うのと同様に、非常にお手軽かつ、端末側に起因するトラブルも少なく安定した運用が可能。
ただし、端末(モバイルWi-Fiルーター)側のWi-Fiの出力が(据置タイプと比べると)弱く、モバイルWi-Fiルーターを窓際に設置したりすると、宅内でWi-Fiが弱くなることで通信速度が下がったり、Wi-Fi接続が安定し難くなることがある。
「Rakuten WiFi Pocket 2B」の製品紹介は以下にて。
Rakuten WiFi Pocket 2B – 楽天モバイル
モバイルWi-Fiルーター + 据置用のアクセスポイントを使う
モバイルWi-Fiルーター + 据置用のアクセスポイントを使うと、モバイルWi-Fiルーターの弱点である「Wi-Fiの出力が弱い」などの問題を解決しやすくなる。
ただし、据置用のアクセスポイント(Wi-Fiルーター)との連携のための設定が必要になるので、設定・運用にはある程度のハードルが生じる。
「Rakuten WiFi Pocket」を、ASUSの据置ルーターと設定して使う方法については以下エントリにて。
NECプラットフォームズ製のモバイルWi-Fiルーター「Aterm MR05LN」と、据置ルーターを組み合わせて使う方法は以下エントリにて。
楽天自社回線だけに繋がる設定が可能なルーターも
楽天モバイルが取扱する製品ではないものの、「I-O DATA」の「WN-CS300FR」は、SIMカードがささるSIMフリーの据置型Wi-Fiルーターで、MVNO回線を含めて好きな通信事業者のSIMカードを入れて利用できる。
■WN-CS300FR
同機種に、ソフトウェアアップデートにより、利用する周波数帯を限定する機能が追加されている。これに伴い、楽天モバイルが自社回線として使う周波数帯(4G LTEのBand 3)のみ繋がる設定にすれば、楽天モバイルのパートナー回線(KDDI回線)には繋がらず、楽天モバイル回線にのみ繋げる設定も可能。
楽天モバイルの自社回線と、パートナー回線をいったり来たりして困る…というような場合に、接続先の回線を楽天モバイルに限定することができる。
モバイル回線側の周波数を固定できるルーターは多く無いので、楽天モバイルを固定回線代わりに使いたい…という方には貴重な選択肢となり得る。
※ただし、楽天モバイルの自社エリア外ではこの設定をしても意味が無いので注意。また、SIMカードのサイズはmicroSIMで、スマートフォンでよくあるnanoSIMではない。
「WN-CS300FR」の販売価格は11,000円前後なので、モバイルWi-Fiルーターでは物足りず、とは言え据置用アクセスポイントとの連携設定は手間…というような方には丁度良い製品。
Amazonでの販売ページは以下にて。
ヨドバシカメラでの販売ページは以下にて。
ヨドバシ.com – アイ・オー・データ機器 I-O DATA WN-CS300FR [SIMフリー4G/LTEルーター] 通販【全品無料配達】
デメリット・注意点
楽天モバイルの自社回線を固定回線代わりに使うデメリットとして、楽天モバイルの自社回線のエリアが大手キャリアと比べると限定されていること、通信量が1日10GBを超えると最大3Mbpsに制限されることがあげられる。
とは言え、通信量が1日10GBを超えるような使い方をしなければ速度制限を気にする必要は無い上に、速度制限が適用されている状態でも、上下共に3Mbps程度の速度がでればそれなりに快適に使えるので、この点は通信量が多い使い方を常時する方でなければ、過度に心配する必要は無さそう。
また、固定回線”代わり”に使えるとは言っても、インターネット回線としての遅延は光回線などと比べれば大きく、オンラインゲームなどのうち、遅延が小さいことが重要な用途については、モバイル回線を固定回線として使うことは推奨しない。
あくまでも、
・通信遅延の小ささや、1日10GBを超えても快適に通信できることがさほど重要ではない
・固定回線を契約できない(建物の事情やスケジュールの事情)
・長期間にわたって利用する環境ではない(一時的な滞在や出張)
などのケースに適した使い方と言える。
楽天モバイルは、基本料金が1年無料になるキャンペーンが終了したものの、引き続き最大4カ月(初月 + 3カ月)は無料になるため、これから楽天モバイルを契約する方でも、初期費用や契約初期の料金を節約しやすい。
また、固定回線を契約したり、引っ越ししたりするなどの理由で、固定回線代わりに使っていた楽天モバイル回線を使わなくなった場合は、1回線目であれば月額料金が0円(通信量1GB未満なら)になる特典が適用されるため、使わなくなった場合の料金を気にする必要もない。
楽天モバイルのWebサイトは以下にて。