楽天モバイルは、新たな料金プラン「Rakuten最強プラン」を発表した。2023年6月1日より提供を開始し、既存の「Rakuten UN-LIMIT Ⅶ」の契約者は新プランに自動移行する。
新プランの「Rakuten最強プラン」は、既存の「Rakuten UN-LIMIT Ⅶ」と月額料金は同一ながら、国内のローミング接続中のデータ通信量が無制限で使える。
楽天モバイルは、自社ネットワークによるエリア拡大を進める一方で、郊外地域などを中心にKDDIをローミングパートナーとして、ネットワークを借り受けてサービスを提供している。
■楽天モバイルの自社ネットワーク(アンテナ)
楽天モバイルの自社エリア拡大に伴い、ローミングエリアは徐々に縮小していた。例えば、2022年度の第4四半期および通期の決算発表では、ローミングエリアのデータ通信量が4.2〜4.3%程度まで減少している。
■楽天モバイル:自社回線の通信量割合が増加
掲載元:楽天グループ株式会社 2022年度 決算説明会
一方で、新プラン発表の前日には、東京都23区・名古屋市・大阪市を含む都市部の一部繁華街のエリアを対象としたローミング協定の締結を発表するなど、ローミングに関する新たな動きを見せていた。
ローミングに関する新協定の締結に関するプレスリリースは以下にて。
KDDIと楽天モバイル、新たなローミング協定の締結について | プレスリリース | 楽天モバイル株式会社
新協定では、これまでローミングに含まれなかった東京都23区・名古屋市・大阪市を含む都市部の一部繁華街のエリアを新たな対象とし、一部インドア(地下鉄、地下街、トンネル、屋内施設など)やルーラルエリアも引き続きローミング提供することに合意しました。新協定は2023年6月から開始し、提供期間を2026年9月まで延長(注2)します。
楽天モバイルは、自社に割当されている周波数帯が1.7GHz帯のみで、他の大手3社が使用中のプラチナバンドは現時点で割当されていない。楽天モバイルとKDDIのローミングについては、ローミング対象の周波数は「基本は800MHz帯」とされている。
■ローミング対象周波数について
掲載元:楽天モバイル株式会社サービスへのローミング提供について | 公開情報 | KDDI株式会社
楽天モバイルがアピールする通りに、ローミングエリアも通信速度制限が無く利用できるようになるのは大きなメリットと言える。
一方で、楽天モバイルは過去に「自社エリア内は使い放題」としながらも、1日のデータ通信量が10GBを超えると、通信速度を最大3Mbps程度に制限していた。(関連エントリ)
この制限は、一度も公式情報として出されたことはなく、制限をしていたことも、それを撤廃したことも公式情報としては一切情報が明かされていない。
ローミングエリアでの通信量が増加すると、(原則として)楽天モバイルがKDDIに支払いする金額が大きくなるので、「ローミングエリアも高速無制限」としながら、実際には何らかの制限をするのでは?という懸念は残る。
※とは言え、通常の用途で極めて大きな影響が出るような制限はないとは思う。
また、新たなローミング協定に含まれるエリアについてはその詳細が明かされていないので、「KDDIのエリアと同じように使える!」と、期待しすぎない方が良さそう。
それでも、都心部であっても建物の中(特に奥の方)では楽天モバイルの電波が弱くなって繋がりにくいケースがあるので、こうした場所の通信環境が改善されたら嬉しいなと。
楽天モバイルのサービス詳細・申込は以下にて。
→スマホからの申込も可能。