事業者ごとに最大22,000円を割引、「お試し割引」のルールまとめ

本Blogのエントリには、アフィリエイト広告が含まれています。

2024年12月26日に「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」が改正された。

ガイドライン改正により、通信事業者は新規の利用者に対して通信料金を割引する「お試し割引」が提供可能になったので、「お試し割引」の適用条件のまとめ。

■「お試し割引」の主なルール
(1)割引の合計額は税別20,000円(税込22,000円)まで
(2)割引の適用期間は、最大で6カ月間
(3)1人のユーザーが1つの事業者に適用される割引は1回まで
(4)端末を購入しなくても割引適用可能(SIMカード単体契約で割引ok)

上記ルールから、「お試し割引」の割引額は最大で22,000円/6カ月の3,666円/月となる。

月額料金で言えば、NTTドコモの「ahamo」(2,970円)、LINEMOベストプランV(2,970円)や楽天モバイル「Rakuten最強プラン」の月額料金の上限(3,278円)に近くなり、これらの料金プランを契約すると、月額料金が6カ月無料になる使い方も可能。

もともと制度の導入を求めて楽天モバイルが総務省に提出した資料(後述)では、「6カ月間の通信サービス無償体験または全額ポイントバック」という記載があり、利用開始から一定の期間はユーザーの負担無くサービスを試せすことを目的に制度が導入されている。

適用に関する制限としては、1人のユーザーに適用できる「お試し割引」は事業者ごとに1回までまで。このため、ソフトバンク↔Y!mobile↔LINEMOなどの複数ブランド間でプラン変更や乗り換えをする場合でも、割引適用は「事業者ごとに1人1回まで」に制限されるため、複数ブランドで割引の「おかわり」は不可。

ただし、1人のユーザーがNTTドコモ→KDDI→ソフトバンク→楽天モバイルのように複数の通信事業者を乗り換えて契約する場合は、事業者ごとに1回ずつ「お試し割引」を適用することは可能。全てのMNOで「お試し割引」が適用される場合、割引額の合計は22,000円×4事業者で最大88,000円、割引期間は延べ24カ月になる。

「お試し割引」は、2024年3月に開催された「競争ルールの検証に関するWG(第53回)」の中で、楽天モバイルが既存の大手事業者(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)に対して不利であるとして、新規利用者獲得のために、ユーザーが気軽に通信サービスを試せるようにする環境を整備することを目指して導入を求めた経緯があるが、制度上は楽天モバイル以外も「お試し割引」の提供が認められている。

■楽天モバイルの提出資料(2024年3月13日)
楽天モバイルの提出資料(2024年3月13日)
掲載元:競争ルールの検証に関するWGWG(第53 回)関係者ヒアリングご説明資料(PDF)

楽天モバイル2024年春に導入を求めた制度であり、年末のガイドライン改正にあわせて、すぐに提供を開始するのかな。と思っていたところ、1月14日時点では「お試し割引」の提供に関する公式発表はされていない。

各社の公式オンラインストアは以下にて。
NTTドコモ | au Online Shop | ソフトバンク | 楽天モバイル

最後に、ガイドラインに記載された「お試し割引」に関する条件(例外として回線契約に基づく割引が認められる条件)を抜粋。

ただし、「継続利用」を条件としない通信料金の割引については、以下3点の条件を全て満たす場合は、法第 29 条第1項第5号の要件に該当しない。

①当該割引の合計額の上限が2万円(税抜)であること(当該割引の合計額
は、利益の提供の上限額の内数に含まれる。)
②当該割引の期間の上限が6か月であること。
③当該割引が同一事業者で一回のみであること。
③の割引回数は、契約者名義で判定する。その際、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律(平成 17 年法律第 31 号)において義務付けられた本人確認記録の保存期間の範囲で、本人特定事項に照らして確認を行う。

また、電気通信事業者が複数のブランドで移動通信役務を提供している場合には、ブランドごとに当該割引を実施することはできない。
当該割引は、約する時点において利益の提供額を確定する。

掲載元:電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン(PDF)