WiMAX対応のモバイルWi-Fiルータとして2012年に入ってから発売された、WM3600RとURoad-SS10の二台を実際に使ってみたレビューのまとめ。
WM3600R:公衆無線LAN接続やクレードル経由での固定網接続に対応した万能モデル
- 公衆無線LAN対応が便利
- ハンドオーバー性能が改善され実用レベルに
- クレードル経由での接続:旅行/出張時にも便利
- イザという時にも安心のUSB接続対応
- PCにも対応した純正のステータス表示アプリ『Aterm WiMAX Tool』
- 各社より限定モデルが多数登場
- スリープからの復帰は少々時間がかかる
WM3600Rは、WiMAX対応のモバイルWi-Fiルータとしては初めて、公衆無線LANへの接続に対応したモデル。
UQコミュニケーションズ本家との契約であれば、『UQ Wi-Fi』が利用可能となっており、WM3600RにUQ Wi-Fi接続用のログインID/PWの設定しておくと、WiAMXが圏外になる地下鉄駅などでもUQ Wi-FiのエリアであればUQ Wi-Fiに接続する事が可能な点は、他のWiMAXルータにはない便利な機能(^ ^)
ファームウェアのバージョンアップによって、Wi2へのログインにも対応するなど、複数の公衆無線LANサービスに対応可能な点も、WM3600Rの特長として面白い機能ではあるけれど、残念ながらdocomoの提供する『docomo Wi-Fi』への接続には非対応となっている。
前モデルであるWM3500Rでは実用的な品質では無かった『高速移動時のハンドオーバー性能』についてもWM3600Rではずいぶん改善されており、WM3500Rと比べてかなり実用的になっている。
WM3600Rのハンドオーバー性能のチェックについては以下エントリにて。
WM3600R:ハンドオーバー性能をチェック 高速移動中でも問題無く利用可能! | shimajiro@mobiler
ただ、上記のエントリにも書いている通り、WM3500Rと比べて大きく改善はされているものの、URoad-8000とWM3600Rを比べてみても、高速移動時のハンドオーバーおよび通信状態については、URoad-8000の方が快適に感じてはいるので、そのあたりの性能を重視する場合はURoad-SS10の方をオススメ。
WM3600Rはクレードルとして接続して固定回線として使えるのも便利で、クレードル経由で自宅で使うのも良いし、旅行/出張先のホテルで有線LANが使える場合には、クレードル経由でWM3600Rを無線のアクセスポイントとして使う事で、普段使っているスマートフォンやタブレットなどの設定はそのままで、滞在中のホテルなどなどで利用する事が可能。
通信速度も基本的にはWiMAXよりも固定回線の方が速い事が多いし『普段使っている設定そのままで使える』という点も含めて、非常に使い勝手が良いのでクレードル経由で利用が可能なのは、何かと便利な事が多い(^ ^)
公衆無線LANへの接続やクレードル経由での固定網のアクセスポイントとして利用できる他に、PCとUSBで接続しての利用も可能となっているので、モバイルWi-Fiルータの利用が禁止されていたり、無線LANが混んでいるような状態でも、USBで接続する事で比較的安定して通信する事が可能になっているのも、目立たないけれどイザという時には役立つ機能。
ステータス確認用の専用アプリケーション『Aterm WiMAX Tool』も、Android/iPhoneのスマートフォン向けに限らず、PC向けのバージョンも用意されているので、WM3600RをPCと接続して利用している時でも、バッテリ残量をPCからカンタンにチェックする事が可能になっているもの、実際に使ってみると便利な事が実感できる。
Aterm WiMAX Toolのダウンロードは以下より。
Aterm WiMAX Tool ダウンロード
…さらに欲を言えば、PCのタスクバーの領域にバッテリ残量が表示されたら非常に嬉しいんだけれど(^ ^;
MVNO各社の専用モデルだったり限定モデルが多数販売されているのもWM3600Rの特長で、URoad-SS10が発売されてからは、しばらくURoad-SS10を使っていたけれど、7月から発売開始となった数量限定の『ブルーガチャムクモデル』がかなり気に入ったので、ブルーガチャムクモデル購入後はWM3600Rばかりを使っていたりする(^ ^;
関連エントリ:WM3600R限定モデル『ブルーガチャムク』を購入! | shimajiro@mobiler
各種機能に幅広く対応した、いわゆる『万能型』と言うにふさわしいWM3600Rだけれど、少々不便なのはスリープからの復帰〜通信の確立までに30秒ぐらいの時間がかかることで、この間の待ち時間を不便に感じる場合は『WM3600Rの電源を入れっぱなし』で運用する事をオススメ。
※特に、クレードルがあると、電源入れっぱなしの運用がし易い
URoad-SS10:WiMAXだけの使い勝手ならベストなモバイルルータ
- ウェイティングへの移行/ウェイティングからの復帰が高速で快適
- 高速移動中の通信はWM3600Rより快適
- 休止状態のバッテリ消費はWM3600Rより優秀
- ステータス確認用アプリ『URoad Magic』が7月より提供開始
URoad-SS10で最も便利なのは、ウェイティングへの移行/ウェイティングからの復帰が高速な事で、特にウェイティングからの復帰は、復帰〜通信の確立がおおむね15秒以内で完了するため、WM3600Rの休止状態からの復帰(約30秒)と比べて、かなり短く感じる。
URoad-SS10の前モデルURoad-8000では、そもそもウェイティングなどのモードに非対応だったので、URoad-8000からの乗換で使う場合、ウェイティングの対応によって非利用時のバッテリ消費を抑える&非利用時 ⇒ 利用開始時の待ち時間が短くなる。という両面で、使い勝手が大きく改善されている。
『利用しない時もルータの電源を入れっぱなし』にしない場合は、ウェイティング状態からの復帰が高速なのは大きな武器で、WM3600Rと比べると公衆無線LANにもクレードルにもUSB接続にも非対応なURoad-SS10だけれど、それでもなお利用価値があると思っている大きな理由が、スリープからの復帰が高速で使い勝手が良いという点。
高速移動中の通信状態は、WM3600Rも前モデル(WM3500R)と比べて大きく改善されているものの、URoad-SS10の方が安定して通信する事が可能で、WiMAX端末としての通信の基本性能については、URoad-SS10の方が高いと思う。
関連エントリ:電車移動中にURoad-SS10とURoad-8000の通信状態を比較 | shimajiro@mobiler
シンセイコーポレーションが販売するモバイルWi-Fiルータとしては初めて、WiMAXハイパワーに対応しているので、前モデルのURoad-8000と比べて弱電界での電波の掴みは強くなっているハズなんだけれど、最近はWiMAXのエリアが広がってきた事もあって、弱電界でテストをする機会が無く、URoad-SS10のWiMAXハイパワー対応による恩恵がどの程度なのかは、実はあまり意識した事が無い(^ ^;
休止状態でのバッテリ消費はWM3600Rと比べて小さくなっており、充電せずにしばらく使わない期間があったとしても、休止状態でのバッテリ消費が少ないので長時間利用する事が可能だし、そもそも連続動作時間が約9時間となっており非常に長いので、それほどバッテリを気にする必要が無いのも、実際に使ってみると便利に思うポイント。
関連エントリ:URoad-SS10&WM3600R 休止状態でのバッテリ消費比較 | shimajiro@mobiler
URoad-SS10は3月に発売されたモデルだけれど、7月になってからステータス表示用のアプリ『URoad Magic』提供開始されている。
Android向けのURoad Magicダウンロードは以下より。
URoad Magic – Google Play の Android アプリ
iOS向けは以下より。
カテゴリ: ユーティリティ
販売元: MODACOM CO., LTD. – MODACOM Co. Ltd(サイズ: 0.6 MB)
WM3600Rと比べると、URoad MagicではPC向けのアプリケーションが提供されていないのは少々残念だけれど、発売から4ヶ月以上が経過してからのアプリケーション投入という事で、そのあたりは端末発売後のユーザニーズを汲み取っての改善なのかなぁと推測しているので、PC版については今後に期待という事で(^ ^;
少々長くなったので改めてまとめると、URoad-SS10は接続できる回線がWiMAXのみに限定されていて、スペック的には割と地味ではあるものの、WiMAXだけを使うためのモバイルWi-Fiルータとして見れば使い勝手はWM3600Rより良く、公衆無線LANへの接続やクレードル経由での無線アクセスポイントとしての利用をしないのであれば、URoad-SS10がオススメで、そうでない場合は万能型のWM3600Rをオススメという感じで、この二台についてはどちらかが極端に劣っているという事は無くて、どちらを使ってもそれなりに使い勝手は良い製品と思う(^ ^)
WiMAX端末の新規購入でオススメなのはBIGLOBE WiMAXが実施しているキャンペーン。
年間パスポート契約で新規契約の場合、WM3600RもURoad-SS10も端末代は0円かつ、キャッシュバックを最大で20,000円受け取る事が可能になっており、他のMVNOが実施中のキャンペーンと比べてお得な内容になっている。
※現在のキャンペーンの期限は8月末までに設定されている。