総務省は、2025年12月12日に「利用者視点を踏まえたモバイル市場の検証に関する専門委員会(第1回)」を開催した。
専門委員会では、「顕在化している課題への対応策の検討」として、SIM単体契約で認められている利益提供の上限額(22,000円)を目当てに、契約後に短期間で解約して他社へ乗り換える踏み台行為や、それを繰り返すホッピングが発生しており、対応が必要との声がある。としている。
対応策の例として、MNOが顧客IDなどをもとに、一定期間中に再度転入した契約者には利益供与(キャッシュバックなど)を提供しないなどの措置があげられている。
2025年12月21日時点で、MNO各社が「一定期間中に○回MNP契約をすると、特典適用の対象外とする」などの対応は行っていない。
※ただし、一定期間で新規契約(MNP含む)できる回線数を制限する事業者ある。
なお、SIMカード単体契約時の利益提供額の上限(22,000円)は、2019年10月に実施された電気通信事業法により導入された。これと同時に、期間拘束による割引は170円/月を上限とすること、また期間の上限を2年とすること、中途解約時の解除料の上限を1,000円(税別)とすることなどが定められた。(その後、これらの一部は改正されている)
■2019年10月1日に施行された電気通信事業法の改正

掲載元:電気通信事業法第27条の3等のルールの概要(PDF)
「踏み台行為」や「ホッピング」への具体的な対応は不明ながら、今後はSIMカードの単体契約における還元について、契約者ごとに適用可能な回数の上限を設けたり、一定期間ごとに適用できる回数に上限を設けるなどの対応がありそう。
なお、2024年12月26日のガイドライン改正では「お試し割引」として、1人の契約者が同一事業者に複数の割引を適用することは認められない旨のルールが定められた。
ただし、そもそも「お試し割引」はルール上可能となってから1年が経過するも、今のところこのルールに則って割引を適用する事例がない。
