総務省は、2026年4月20日(月)に「利用者視点を踏まえたモバイル市場の検証に関する専門委員会(第6回)」を開催した。
総務省|情報通信行政・郵政行政審議会| 情報通信行政・郵政行政審議会 電気通信事業部会 市場検証委員会 利用者視点を踏まえたモバイル市場の検証に関する専門委員会(第6回)配布資料・議事録
短期解約に関する課題として、短期間で回線解約をしても解除料金などによる利用者側の負担が発生しない反面、携帯電話事業者側は回線契約によるポイント還元・本体割引などによる利益提供を行っている。
このため、ポイント還元などを行って獲得した利用者が短期間で解約してしまうと、事業者側として持ち出しになってしまう課題や、乗り換え特典を目当てに通信事業者の乗り換えを繰り返す「ホッピング」と呼ばれる行為の規制が検討されている。
総務省では、2026年夏頃までに
・短期解約に関する問題
・端末購入プログラムにおける残価率算出ルール
・電気通信事業法27条の3における特定関係法⼈の規律
について、一定の結論を出す予定としている。

短期解約に関する各社の主張
ドコモの主張
ドコモは、新規契約者への利益提供上限額が現状の20,000円の場合、既存の契約者との公平性を担保するには継続利用期間を30カ月とするべきと主張している。
また、継続利用期間を短く設定する場合、不公平さを是正するために利益提供上限額の引き下げを実施する必要があるとした。
ドコモが主張する継続利用期間と利益提供上限額は以下の通り。
■利益提供上限額と継続利用期間
4,000円(6カ月)
8,000円(12カ月)
16,000円(24カ月)
20,000円(30カ月)
単純計算すると、ドコモの利益提供上限額は1カ月あたり約666円と計算される。
KDDIの主張
KDDIは、短期解約数の分布に照らし合わせて、実効性が高くなる期間として1年間の継続利用条件の設定を主張した。
また、現在のように一括して利益を提供するのではなく、通信サービスの利用期間に連動した分割利益であれば囲い込みには当たらないため、継続利用期間を制限しなくても、利用者の解約の自由を不当に制限せすに短期解約を防止できるとも主張している。
ソフトバンクの主張
ソフトバンクは、通信料収入から得られる利益で回収する期間や、利⽤者の契約実態や制度趣旨を考慮すると、継続利用期間を2年程度と主張した。
楽天モバイルの主張
楽天モバイルは、現行ルールにおいても1年以内であれば不当な期間拘束にあたらないことを根拠に、継続利用期間を最長1年とすることが望ましいとした。
MVNO委員会とオプテージ
MVNO委員会とオプテージは、解約を妨げることでスイッチングコストを上げるのではなく、継続利用期間は必要最低限にすべきで、最長でも6カ月と主張した。
オプテージは、短期解約の主な要因はMNPによる利益提供がスイッチングコストを上回る点にあり、利益提供が短期解約の動機に繋がらないように水準を見直すことが、公正な競争の促進に繋がると訴えた。
まとめ
■継続利用期間(最低利用期間)の設定
NTTドコモ:30カ月以上(利益提供額を引き下げる場合はおおむね1カ月×666円)
KDDI:1年以上
ソフトバンク:2年程度
楽天モバイル:1年以内
MVNO委員会など:最長6カ月
このほか、今回の会議では全ての関係者が「短期解約であっても利益還元の獲得のみを目的とした申し込み→解約であるかどうかを特定することは困難」と説明した。
・全ての関係者から、「利益還元の獲得のみを⽬的とするような悪質な解約かどうかを特定することは困難」との回答があった。
・⼀部の関係者からは、同⼀名義で短期間での転出を繰り返す等、⼀定の傾向を把握することは可能との回答もあった。
残価率の一律化案、Appleが反対
端末購入プログラム(本体代金の分割支払と返却)によって免除される残価の算出ルールについて、現在はRMJ(リユースモバイルジャパン)の平均買取り価格を基にして算出されているが、形骸化しているとの指摘がある。
このため、残価率について全機種・全キャリアで一律とする案が出されている。一律化する案には、ドコモとソフトバンク、メーカーではGoogleとサムスン電子ジャパンが賛成している。
一方で、KDDIや楽天モバイル、RMJなどは一律化案に慎重に検討すべきとしたほか、Appleは「長持ちする高品質な製品を作り出す」メーカーに対する不当な扱いで、AppleとAppleの顧客に対する差別的な影響があるとして強く反対した。
■残価率の一律化案に対するAppleの主張

MNOが販売する中古端末の課題
このほか、MNOが認定中古品の端末を大幅に割引して販売することで、中古端末を販売するショップの買取単価や売上単価へ影響が出ていることが、RMJから指摘されている。
■MNOが販売する中古端末の課題
RMJは、会員企業の売上・買取の実績において、売上単価(売上総額÷売上台数)や買取単価(買取総額÷買取台数)が2025年上半期から減少していることを⽰し、⾼価格端末のユーザがMNOの端末購⼊プログラムを利⽤していることや、MNOが認定中古品販売時に⼤幅割引していることが⼀因ではないかと指摘している
各社の公式オンラインストアは以下にて。
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