共にソフトバンクグループとなっているイー・アクセスおよび、ウィルコムは合併に関する基本合意書に合意したことをプレスリリースにて発表している。
親会社であるソフトバンクによるプレスリリースは以下より。
当社子会社間の合併に関するお知らせ | 企業・IR | ソフトバンク
当社の子会社であるイー・アクセス株式会社と株式会社ウィルコムは、本日、2014年4月1日(予定)を効力発生日とし、合併を行うことについて基本合意書を締結しましたので、別添プレスリリースのとおりお知らせいたします。
今回発表された合併については、EMOBILEブランドにてサービスを行うイー・アクセスを存続会社とし、PHS事業を行うウィルコムは消滅会社となる吸収合併方式が予定されている。
合併後に存続する会社は、
イー・アクセス:440万契約
WILLCOM:570万契約
※契約件数2013年9月末現在
となっており、両社を合計すると1,000万契約を超える規模の通信事業者となる見込みで、国内の通信事業者としてはドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3キャリアに続く、1,000万契約超えの通信事業者となり、2013年12月時点では国内で第4の規模の通信会社となる。
今回の吸収合併ではPHSによる通信事業を行うウィルコムが消滅会社となることが発表されているけれど、吸収合併後の会社名およびブランドについては未定となっており、プレスリリースでは『決まり次第お知らせする』とされている。
ウィルコムは2013年7月に行われた、同社の経営再建後初となる新商品・サービス発表会にて『通信業界のLCCを目指す』と、ソフトバンクグループ内における同社のポジションを語っていただけに、今回の吸収合併は古くからのウィルコムユーザとしては正直寂しい限り。
直近では『だれとでも定額パス』など、『とがった』製品を提供開始していたこともあって、『通信業界におけるLCC』として、ウィルコムの今後の役割に個人的に期待していたこともあり、ちょっと残念なタイミングでの吸収合併ではあるけれど、ウィルコムが経営再建に取り組んでいた過去や、その後ソフトバンクに買収されたことなどを考えると、仕方のない流れとは言えるのかも。
携帯電話とPHSという意味で捉えると、2013年11月から『070』から始まる電話番号が携帯電話でも利用されており、2014年10月からは携帯電話 ⇔ PHSを跨ぐMNP(携帯電話番号ポータビリティ)も提供開始される予定となっており、個人的には携帯電話 ⇔ PHS間での競争が激化することを楽しみにしていただけに、唯一のPHS事業者であるウィルコムが消滅してしまうのが寂しい。
ソフトバンクでは、グループ内の通信事業者同士(例えばソフトバンク ⇔ イー・アクセス)のMNPについては、ドコモやKDDIからのMNP転入と比べて端末販売価格を高く設定するなどの施策を行っており、イー・アクセスによるウィルコムの吸収合併後も、同様の販売施策が継続されるものと思われる。
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『だれとでも定額』などのサービスで『音声通話での定額サービス(他社宛の通話を含む)』を業界内で初めて実現したウィルコムと、携帯電話による高速データ通信サービスにおけるパイオニアと言えるイー・アクセスの合併でどんなシナジーが生まれるのか、今後のソフトバンクグループの展開に期待。