フィリピンで購入した、SMARTのLTEに対応するモバイルWi-Fiルータ『E5372』を約1ヶ月間使用したレビュー。
購入方法や購入金額については以下エントリにて。
フィリピン SMARTのLTEが使えるモバイルWi-Fiルータ『E5372』を購入!おまけのプリペイドSIMで7日間LTEが無料 | shimajiro@mobiler
■SMARTの販売するモバイルWi-Fiルータ『E5372』
- 動作は非常に安定/ストレスは無い
- エリアは案外広いけれど、屋内ではLTE圏外になることも
- ネットワークの固定に対応/LTEに固定して使用がオススメ
- 無線LANは5GHz帯に設定可能/外部拡張アンテナにも対応
- デメリット:連続通信時間は短い
通信機器として基本的な要件と言える、動作の安定性については文句なしで、MacBook AirとUSB接続して固定回線代わりに使ったり、PCと接続していない際もWi-Fi経由でスマートフォンやタブレットと接続して使うモバイルWi-Fiルータとして実質『24時間、固定回線代わりに使う』という使い方をしているけれど、動作は非常に安定しており、通信中に端末が再起動したり、通信状態が悪くなって再起動する。というような不便を感じたことは無い。
E5372を使ってこんな使い方をしてみました。という例は以下。
・MacBook Airを使ってSkypeのビデオ通話を連続約4時間使用(USB経由で充電しながら)
・iPad mini経由でHD映画(約5GB)のダウンロード
・OS X Mavericks(約5GB)のダウンロード
・Android端末を使ってSkypeのビデオ通話を連続1時間以上動作
上記のような、割と負荷の高い通信を行っても安定して動作しており信頼性は高い。
E5372が対応する、SMARTのプリペイドSIMでのLTEサービスは、数GBのファイルをダウンロードしても通信速度制限を受けることが無いので、ざっくり言うと『電波状態さえ良ければ、固定回線として問題なく利用することが可能。』という感じで、実際には電波状態がそれほど良くない環境でも、固定回線代わりにして使っている。
通信速度については電波状況によりけり。という要素は大きいけれど、LTEに繋がった状態であれば、E5372経由とWi-Fi接続したスマートフォンで、通信速度が下り10Mbpsを超えることも珍しくなく、フィリピンで使えるモバイルインターネットは、3GとLTEでは劇的に通信速度が異なっている印象。プリペイドでLTEが利用可能になって、モバイルインターネット環境は一気に改善したように思う。 フィリピンの3G回線は、スマートフォンで画像をアップロードすることさえ時間がかかってしまい、満足にできないことも多かったけれど、LTE接続された状態ではそんな心配は無用で、電波状態が著しく悪くなる。というようなことが無ければ、屋外/屋内を問わず通信速度も概ね快適だった。 ■E5372経由で接続したスマートフォンで下り10Mbpsを超える ■非LTEでのスピードテストの例:下り0.12Mbps/上り0.15Mbps ■電波状態が良い状態では下り28.81Mbps/上り21.27Mbpsを記録 SMARTのLTE回線を使用しているのは、滞在中のセブ市内が中心となっており、幅広いエリアで利用してみた。と言える状況では無いけれど、少なくとも自分が使っている範囲では、エリア&時間帯を問わず、通信速度が著しく低下するようなことは無かった。 これは現地で販売されている端末や実際に現地の人が使っている端末を見る限り、LTEの利用者がまだまだ少ない。という要素が大きいと思われるので、今後もLTEサービスの利用者が増えない限り、通信量の増加による通信速度の低下する心配は無さそう。更に言うと、現在販売されているLTE対応端末の価格から考えると、すぐにLTEサービスの利用者が増える。ということは考えにくいので、フィリピンのLTE通信はしばらくは快適に使うことができるんじゃないかと思う。 SMARTのLTE対応エリアについては、LTE対応スポットとして情報がWebサイトにて公開されている。 LTE Coverage – SMART Broadband – SMART Communications ただ、実際に使ってみると『屋外では案外広いエリアで使える』というのが率直な印象で『一部スポットで対応』というよりは『屋外ではそれなりに広いエリアで使える(LTEを掴む)』という感じで、留学中であまり遠出をしていない。 ということもあるけれど、少なくとも自分の行動範囲では、屋外ではLTEが圏外になったことは無い。 以前セブ島&マクタン島行った、SMARTのLTEエリア調査については以下。 E5372は接続するネットワーク種別の固定(LTE固定)が可能。 先述の通り、フィリピンのモバイルインターネットはLTEと非LTEの通信速度差がかなり大きいので、基本的にはLTEに固定して使うことをオススメ。 ■ネットワークは4G LTE固定に対応 LTEに固定した場合、LTEが圏外になるエリアでは通信が一切行えなくなる。という不都合はあるものの、それでも、通信速度にかなり不満を感じるであろう、3Gの通信速度と比べれば、ネットワークはLTEに固定して使う方がオススメ(あくまでもLTEエリア内であれば…。という話にはなるけれど) E5372で面白かったのは、無線LANが5GHz帯に設定できることと、外部の拡張アンテナに接続して電波の受信状態を改善することができること。(後者はアンテナを別途入手する必要があり、販売されているお店が確認できていないため、効果の程は未確認) ■モバイルWi-Fiルータ E5372 5GHz帯の設定が可能 E5372の無線LANは5GHz帯または2.4GHz帯のどちらかを選択して設定する。デフォルトは2.4GHz帯になっている。 また、販売されている実物を見たことは無いので効果の程は不明だけれど、外部アンテナを接続して利用することも可能となっているので、電波が入りにくい場所で使用する際も、外部アンテナを使うことによって通信環境の改善が期待できる。 基本的には大きな不満の無いE5372だけれど、明確に不満がああるのはバッテリーの持ちが短いこと。 メーカーのスペック上は6時間となっている連続通信時間だけれど、体感的には4時間〜5時間程度でバッテリーが切れてしまうため『1日使う』には物足りず、日本で販売されているモバイルWi-Fiルータでは連続通信時間が10時間以上になっていることが標準的となっているのと比較すると、連続通信時間は『かなり短い』ように感じると思う。 幸いなことに(?)E5372用のバッテリーは、国内ではドコモから発売されている『HW-02E』と同じバッテリーが採用されているため、この二つの端末のバッテリーは入れ替えて使うことが出来るので、E5372を使って外出する際は、予備バッテリーとしてHW-02E用のバッテリーを携行しているけれど、替えのバッテリーが無い場合は別途モバイル電源を持っておいた方が良さそう。
※Pingが400msを超えており遅いのは、サーバを変更することで改善されたものの、下り/上りの通信速度の結果は同一。
※通信はE5372経由ではなくスマートフォンに直接SIMを入れた状態でスピードテストを実施。
※4G LTEにネットワークを固定した状態で確認。ネットワーク固定をしない場合は3G接続になること多数。
セブ島&マクタン島でSMARTのLTEエリアを調査 – 屋外では広いエリアでLTEが利用可能 | shimajiro@mobiler
※外部アンテナについては、いずれ入手して実際に使ってみたいなと思案中…。
そんなわけで、基本的には『動作が安定しておりLTEに繋がれば速い』ということで、フィリピンで使えるモバイルWi-Fiルータとして、E5732はかなりオススメできる一台。
連続通信時間が短い。などのスペック面での不満が無いわけではないけれど、ネットワークを4G LTEに固定可能&端末の動作が安定している。という点や、パッケージに7日間のLTE利用可能なプリペイドSIMが同梱されており、カンタンにフィリピンでLTEを使い始めることができる点などを含めて、フィリピンでLTEサービスを使ってみたい。という方には安心してオススメすることができる一台。
個人的には、プリペイドSIMでLTEが利用できるか/できないかで、現地でのモバイルインターネット環境に決定的な差が生じているので、フィリピンで使うモバイルWi-Fiルータとして、E5372は心強い存在となっている。