総務省、2015年5月以降の全機種でSIMロック解除を無料対応することを義務化

総務省は、SIMロック解除に関するガイドラインを改正し、通信事業者に対して全ての端末を対象としたSIMロック解除の対応を義務化する方針を発表。ガイドラインの改正案は総務省のWebサイトにて公開されており、12月1日まで意見公募が行われている。

総務省による告知は以下より。

総務省|「SIMロック解除に関するガイドライン」の改正案に対する意見募集

総務省は、「SIMロック解除に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」といいます。)の改正案を作成しました。つきましては、本改正案について、平成26年11月1日(土)から同年12月1日(月)までの間、意見を募集します。

SIMロック解除に関するガイドライン(改正案)は以下PDFにて公開されている。
「SIMロック解除に関するガイドライン」(改正案) – PDF

SIMロック解除に関するガイドラインは、2010年に定められたものの、その時点では『事業者の主体的な取り組みによってSIMロックを解除すべき。』とされた結果、ドコモや(旧)イー・アクセス以外の通信事業者は大半の端末でSIMロック解除に非対応になるなど、ガイドラインに沿って主体的にSIMロック解除に対応した事業者が少なかった。
※ソフトバンクモバイルは、一部機種のみSIMロック解除に対応、KDDIはSIMロック解除対応機種なし。

こうした状況を踏まえて、SIMロック解除の対応を原則義務化すべく、『SIMロック解除に関するガイドライン』が改正される見通し。

ガイドライン改正の要点は以下。

・全ての端末でSIMロック解除に対応することを義務化
・SIMロック解除に係る手数料は無料とすること
・対象となる端末は2015年5月1日以降に発売される機種で、現在発売中の機種については対象外
・端末の割賦代金が支払われない可能性がある場合などはSIMロック解除対応を行わなくても良い

一部の事業者を除いて反故にされてしまった2010年のガイドラインと比べると、2015年5月1日以降に発売されるスマートフォン、タブレット、モバイルWi-Fiルータなどの全機種を対象に、無料でSIMロック解除に応じることとなっており、SIMロックを解除して使いたいユーザにとっては嬉しい改正となるのではと思う。

ただし、直近の事例ではSIMフリー端末 + 本来利用可能であると考えられるMVNOのサービスの組み合わせでサービスが利用できなくなった事例や、通信事業者側の新しいサービスを利用するために、SIMカードが従来と異なるバージョンのものが使用され互換性が保証されなくなるなど、端末側がSIMフリーであるかどうかに関わらず、ユーザ側に不利益が生じるケースが発生している。

前者の例は、Appleの販売しているiPhone 6/6 Plusや、iPadなど向けの最新OS『iOS 8』にアップデートすると、KDDIのMVNOサービスである『mineo(マイネオ)』を使った通信が一切できなくなる。という問題で、新発売される端末だけでなく、従来機種(iPhone 5s以前)を使ってもOSのアップデートによってデータ通信が利用出来なくなるので、この組み合わせでサービスを利用しようと考えていたユーザとしては致命的な問題と言える。
関連エントリ:mineo、iOS8でデータ通信が利用できない問題はβ版の段階で把握、最低利用期間内の違約金免除は無し | shimajiro@mobiler

後者の例としては、ソフトバンクモバイルがiPhone 6/iPhone 6 Plus/iPad Air 2向けに提供する『アメリカ放題』は、対応機種向けのSIMカードが従来のSIMカードと異なっており、同サービスを利用するためには、同サービスの対応機種向けに発行されるSIMカードを利用する必要がある。

このほか、KDDIが発表したVoLTE対応機種では、ソフトバンクモバイルの例のようにVoLTE対応機種向けのSIMカードが発行され、VoLTE対応機種向けのSIMカードをVoLTE非対応機種と組み合わせての利用が動作保証対象外となるなど、同一キャリアの中でもSIMカードと機種の互換性が完全に確保されない状態が発生している。
関連エントリ:au VoLTE対応機種向けのSIMカードは専用SIMを発行 – 3G対応機種での使用は保証外 | shimajiro@mobiler

個人的には、海外への渡航機会が多いのでSIMロック解除の義務化は嬉しい面もあるけれど、SIMロック解除の義務化によって総務省が期待しているような『事業者間の公正な競争促進』の効果はそれほど見込めないのでは。というのが正直なところ。