CA非対応エリアでも下り最大220Mbpsが使える『WX01』スペックレビュー – 本体の操作性改善が地味に嬉しい

UQコミュニケーションズの新サービス・新デバイス発表会にて発表された、NAD31改め『WX01』のスペック&展示機を触って気付いたことのご紹介。

■4×4 MIMOに対応し下り最大220Mbps対応『WX01』
4×4 MIMOに対応し下り最大220Mbpsに対応する『WX01』

CA非対応エリアでも、WiMAX 2+で下り最大220Mbpsが使える

WX01の最大の特長は『4×4 MIMOによる下り最大220Mbps対応』で、モバイルWi-Fiルータ向けの4×4 MIMO技術の導入は世界初。

同じく下り最大220Mbpsに対応する『W01』(Huawei)との大きな違いとして、現行の下り最大110Mbpsエリア(20MHz幅)でも通信速度が下り最大220Mbpsで利用可能となるため、WiMAX 2+のCA対応基地局の広がりを待つ必要が無しに、現行の20MHz幅のみで下り最大220Mbpsの通信速度を得ることができる。

WiMAX 2+に対応する基地局は、2015年1月時点で約20,000局、3月末時点で22,000局の予定とされており、発表会ではほとんどの基地局は4×4 MIMOに対応しているため、対応端末(WX01)が発売されれば、現状のWiMAX 2+エリアの大半で下り最大220Mbpsが利用可能となる。とアピールされていた。

■4×4 MIMO方式は『全国一斉エリア化』
4×4 MIMO方式は全国一斉にエリア化

W01が対応するキャリアアグリゲーションによる通信速度の高速化は、現状30MHz幅が使われているWiMAX向けの周波数のうち20MHzをWiMAX 2+に割り当てたエリアでのみ利用可能で、対応エリアについては『順次全国に拡大予定』となるため、短期的にはWX01の方が広いエリアで下り最大220Mbpsが利用可能となる見込み。

特に、東名阪エリアなどについてはWiMAX 2+のキャリアアグリゲーション対応が他地域よりも遅くなる見込みで、東名阪エリアについては利用可能な帯域幅の追加を待たずに下り最大220Mbpsに対応しているWX01の方が利便性が高い。

発表会の中でWX01が『都会派』として紹介された理由は、WX01がauの4G LTEに非対応となっていることだけでなく、都市部ではWiMAX 2+のCA対応が遅くなり、当面はWX01の方が実効速度が速くなるためと考えられる。

■WX01:『都会派』と紹介された
『都会派』と紹介されたWX01

今回発表されたW01およびWX01は、それぞれキャリアアグリゲーションと4×4 MIMOのみ対応しているため、通信速度は共に下り最大で220Mbpsと横並びになっているけれど、キャリアアグリゲーションと4×4 MIMOの両方に対応する端末(2016年以降予定)では、下り通信速度は440Mbpsへと更に高速化される予定。

Bluetoothテザリングに対応で連続通信時間を延長

WX01は、WiMAX 2+対応のモバイルWi-Fiルータとしては初めて、Bluetoothテザリングにも対応しており、Wi-Fi接続と比べて約20%(説明員談)ほど少ない消費電力で通信を行うことができる。Bluetoothテザリングに使われるプロファイルはPAN(Personal Area Network)となり、PANU(子機)をサポートしないiPhoneシリーズでは非対応となる点は注意。(iPod touchなどはサポートしている)

連続通信時間の比較

端末/モード WiMAX 2+
(4×4 MIMO通信)
WiMAX 2+
(2×2 MIMO通信)
WiMAX
WX01 Wi-Fi接続 約6.5時間 約8.5時間 約11時間
WX01 BTテザリング接続 約8時間 約10.2時間 約13時間
(参考)NAD11 Wi-Fi接続 非対応 約7時間 約10.5時間

Bluetoothテザリング接続時は、消費電力が小さいという点では優れているものの、通信速度はWi-Fi接続時と比べて低速化するため、高速な通信速度が必要無い場合に使うことをオススメ。

Wi-Fiの5GHz帯は屋外でも利用可能に

WX01の前身と言えるNAD11は、WiMAX 2+対応のモバイルWi-Fiルータとしては初めて、IEEE802.11acに対応し屋内でのみWi-Fiの5GHz帯を利用可能だった。

WX01(およびW01)では、Wi-Fiの5GHz帯のうち『W56』と呼ばれる帯域をサポートしており、W56については気象レーダーとの干渉を避けることができれば、屋外でも利用可能。今回発表された両機種については気象レーダーとの干渉回避機能への対応によって、Wi-Fiの5GHz帯による接続を屋外でも利用可能となっている。

NAD11を使っているとわかるのが、Wi-Fiの2.4GHz帯接続時と5GHz帯接続時の通信品質(速度&安定性)の違いで、WX01に限らずW01でも屋外でもWi-Fi接続に5GHz帯が利用可能となった意義は大きい。

■屋外での5GHz帯利用は気象レーダーとの干渉を避けるチェックが行われる
WX01のWi-Fi 5GHz帯は屋外でも利用可能に

バッテリ容量は2,500mAhに増加も、連続通信時間はそれほど伸びず

WX01のバッテリ容量は2,500mAhで、NAD11の2,100mAhと比べて約20%ほど増加している。一方で、Wi-Fi接続時で比べると4×4 MIMO通信中の連続通信時間は約6.5時間と短く、2×2 MIMO通信時で約8.5時間と、NAD11の7時間と比べて連続通信時間の長短は一概には言うのが難しく、実利用においてはNAD11とほぼ同等程度の連続通信時間になるものと予想される。
※省電力設定によって4×4 MIMOを無効にすることが可能なので、4×4 MIMOを無効にするとNAD11よりバッテリ持ちが良くなるかも。

率直に言えば、NAD11と同様にWX01についても連続通信時間の点からは『丸1日使う』という使い方をするのは難しいことが予想されるけれど、WX01についてはバッテリ交換が可能となっているので、予備となるバッテリを何らか用意しておけば、実用上はそれほど困らないという可能性も考えられる。(ただし、UQコミュニケーションズなどから予備となるバッテリの販売に関する正式なアナウンスは行われていない)

■WX01のバッテリ容量は2,500mAhに増加
WX01のバッテリ容量は2,500mAhに増加

本体キーの追加とレスポンスが改善でストレス減、ディスプレイも大型化で見やすく

NAD11を使っていて微妙に使い勝手が悪かったのが本体キーで操作を行った際のレスポンスが悪い(応答時間が長い)ことで、展示されていたWX01はこの点も改善されているのが見られた。4×4 MIMO対応による下り最大220Mbps対応と比べると非常に地味なポイントではあるけれど、こういった点が改善されていると実際に端末を使ってみてストレスが小さくなるのが嬉しいところ。

合わせて、NAD11では『SET』だけだった操作関連のキーに『SELECT』が加わったことで、『SELECT』で選択して『SET』で決定する。というシンプルな操作で各種設定などを変更することができる。NAD11では、SETキーの長押し/短押しによって選択/決定の操作を使い分ける必要があった操作体系が、ハードウェアキーの追加によって改善されている。

WX01は、NAD11と同じくタッチパネル操作には非対応となっているものの、NAD11と比べて大型化されたディスプレイにはたくさんの情報が表示できるようになった。

■ディスプレイが大型化して見やすく
ディスプレイが大型化して見やすく

デメリット:auの4G LTEには非対応、通信モードの切替に非対応

WX01は、auの4G LTEに非対応となっており、通信方式としてはWiMAX 2+およびWiMAXのみに対応している。加えて、WiMAXのみに接続する『ノーリミットモード』とWiMAX 2+とWiMAXに接続する『ハイスピードモード』のようなモード切替に非対応となっているため、通信方式およびモード切替という点では非常にシンプルな仕様となっている。

WiMAX 2+やWiMAXが圏外になる、あるいは不安定で使いにくい場所で利用する場合は、W01などauの4G LTEにも対応する機種を選んだ方が安心できる。

WX01は、NAD11から引き続きストラップホームも継承されており、Wi-Fiルータにストラップをつけて使う(個人的にはつけている)方も安心して使うことができる。この点はNECプラットフォームズ製のWiMAX系のモバイルWi-Fiルータの伝統とも言える。

■ストラップホームもNAD11から継承
ストラップホールもNAD11から継承

まとめ:4×4 MIMO対応で『全国エリア』の下り220Mbps対応が嬉しい

WX01のメリットは何といっても『全国エリア』で下り最大220Mbpsが利用可能となることで、キャリアアグリゲーション方式での下り最大220Mbps対応エリアが広がるまでの間、東京都心などを含めて下り最大220Mbpsが使える貴重なモバイルWi-Fiルータとなりそう。
※CA対応エリアも『1年以内には全国的に展開する』とされていたので、都心部のエリア化にそれほど長い時間はかからないものと期待したいけれど…。

WX01のデメリットは現行のNAD11と変わらず、auの4G LTEに非対応となっている点と、連続通信時間についてはやや不安が残る。ただ、WiMAX 2+のエリアは2015年3月末までに『初代WiMAXとほぼ同等』のエリアに拡大する予定であり、なおかつ地下鉄や空港などの屋内エリアについてもエリアが強化される予定となっているので、少なくともWiMAXと比べてWiMAX 2+のエリアが著しく狭い。と感じることは少ないのではと思う。

加えて、連続通信時間がやや短いという問題についても、極端に言ってしまえば予備のバッテリなり充電器があれば解決できる話ではあるので、世界初となる4×4 MIMO対応による下り最大220Mbps対応を果たしながらも、タテヨコはNAD11とほぼ変わらず厚さが若干増しただけの薄型・軽量路線をキープし続けている点は個人的には好感触。そんなわけで、3月上旬予定となっているWX01の発売が楽しみ。

なお、WX01は『史上最大のタダ替え大作戦』の対象端末になっているので、初代WiMAXサービスを使っている方が乗り換える端末としても選択肢に入ってくる。現在(初代の)WiMAXを利用中で、W01よりもWX01の方が魅力的。という方はWX01が発売されてから2+に乗り換えるのもアリ。