ANA・JALは2016年4月-5月発券分の国際線航空券で燃油サーチャージの廃止を正式に発表。燃油サーチャージの撤廃は、燃油サーチャージの金額を決定する基準となっているシンガポールケロシン市況価格の値下がりによるもので、2016年6月以降は再び燃油サーチャージが設定される可能性もある。
両社の燃油サーチャージが廃止されるのは2009年9月発券分以来で、6年6カ月ぶりの燃油サーチャージ廃止となる。
ANAの燃油サーチャージ廃止に関するお知らせは以下にて。
国際線旅客「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」を改定|プレスリリース|企業情報|ANA
※JALの燃油サーチャージに関するお知らせはコチラより
■燃油サーチャージの撤廃
2016年4月1日から5月31日発券分の国際線航空券
燃油サーチャージは航空券の「発券」時の価格が適用されるため、上記の期間中に搭乗する場合であっても既に航空券を発券している場合は燃油サーチャージ撤廃の対象外。逆に言えば、上記期間中に発券する国際線航空券については、搭乗期間に関係無く燃油サーチャージが撤廃されるため、今後航空券価格が値下がりしない前提であれば、上記期間中に航空券を購入しておくことで支払総額を抑えることができる。
ANA・JALの燃油サーチャージに関しては、ちょうど1年前に当たる2015年4月1日発券分より、算定基準となるシンガポールケロシンの市況価格をドル建てから円建て基準に変更、円安基調のタイミングで基準となる通貨を円に変更したことによって燃油サーチャージの値下がり幅を小さくするなど、多少言い方は悪いけれど「最大限、燃油サーチャージを徴収できるように」努力を続けていたけれど、今回は純粋にシンガポールケロシンの値下がりを受けて燃油サーチャージが撤廃される。
関連エントリ:JAL、燃油サーチャージの基準を『円建て』に変更することで値下げ幅を縮小 – 2015年4月分より | shimajiro@mobiler
直近(2016年3月末まで)に発券する場合と比較すると、長距離路線(欧米路線)では片道7,000円の値下がり。当然のことながら、長距離路線ほど値下がり幅は大きくなる。
日系の航空会社では、航空券を有償で購入する場合だけでなく、マイルと交換する「特典航空券」を購入する場合でも燃油サーチャージの支払が必要となっていたので、燃油サーチャージの撤廃は各社のマイルを特典航空券と交換することを考えていた利用者にとっても嬉しい。
燃油サーチャージの撤廃によって特典航空券の利用希望者が増えることが予想されるとは言え、それにあわせて特典航空券と交換可能な座席の供給数が増えるとは限らないので、燃油サーチャージの撤廃に伴い、国際線の特典航空券が予約しにくくなることも予想される点はご注意を。(特に、2016年4月1日以降に予約・発券する場合)