ASUSのSIMフリースマートフォン「ZenFone 3」をドコモの音声通話定額プランとMVNOのデータ通信プラン(いわゆる格安SIM)でデュアルSIM運用する場合の月額料金および注意点などをご紹介。
■ZenFone 3 ZE520KL
■ZenFone 3はデュアルSIMでDSDS(Dual SIM Dual Standby)に対応
■前提条件
SIMカード1:ドコモの音声通話定額プランで使用
SIMカード2:MVNOのデータ通信プランで使用
月額料金:ドコモ音声通話定額が月額2,700円 + MVNOのデータ通信プランの料金
ZenFone 3のデュアルSIMを「ドコモの音声通話定額 + MVNOのデータ通信プラン」で使う場合、ドコモの音声通話定額の月額料金は月額2,700円(二年間契約時)で、これに加えてMVNOのデータ通信プランの月額料金が発生する。
※それぞれ、契約時の事務手数料や他社からの乗り換えの場合の手数料などは考慮しない。
具体的には、ドコモの新料金プランである「カケホーダイ」の月額料金で、ZenFone 3向けに適用されるのは月額2,700円(二年契約時)。
■ドコモ:基本プランの月額料金
※ケータイとして記載されている料金が適用されるのは「ドコモが販売するiモードケータイ」などで、ZenFone 3に関しては「スマートフォン・タブレット」向けの料金が適用される。
国内版のZenFone 3は当然ながら国内利用を考えて技適マークを取得、技適マークの表示が可能(と考えられる)ため、ZenFone 3を持込してドコモショップなどでカケ・ホーダイを新規契約することは可能。また、既にドコモを利用中であれば、必要に応じて料金プランを変更することでZenFone 3の音声通話用の回線としてドコモ回線を利用することができる。
ZenFone 3のデュアルSIM(DSDS)仕様を活かしてドコモ回線を音声通話専用に、MVNOの回線をデータ通信専用に使うのであれば、ドコモの各種パケット定額プランなどの契約は不要。発生する料金はカケホーダイの料金(基本プランの料金)のみとなる。
これに加えて、MVNOのSIMカードをデータ通信専用SIMカードとして使う場合、そのMVNOの月額料金に応じた料金が発生する。MVNOの料金プランは各社多様なプランが提供されているので一概には言えないけれど、概ね3GBが月額1,000円以下というのが大半。ケイ・オプティコムの提供する「mineo」では3GBが月額900円で提供されている。
■mineo:料金プラン(ドコモプラン)
このため、ドコモのカケホーダイプランとmineoのドコモプラン(データ通信専用)3GBを契約して利用する場合の月額料金は以下。
音声通話:ドコモ カケホーダイ 2,700円/月
データ通信:mineo ドコモプラン3GB 900円/月
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合計料金:3,600円/月
※各種料金は税別
既存の「格安SIM」と呼ばれるMVNOのSIMカードと「格安スマホ」と呼ばれるSIMフリースマートフォンの組み合わせの中で特別に安いわけではないけれど、ZenFone 3はデュアルSIMのDSDS(Dual SIM Dual Standby)に対応するため、MVNOのSIMカードでデータ通信をしている最中に、ドコモ回線側で音声通話を受けることができる。
※ただし、音声通話を着信・通話している状態では、同時にもう一方のSIMカードでデータ通信を行うことはできない。
このため、ZenFone 3のデュアルSIMをドコモの音声通話定額 + MVNOのデータ通信プランの組み合わせで使うのは「音声通話定額は手放せないけれど、データ通信についてはMVNOで節約したい」という方にピッタリ。
ドコモの音声通話定額 + MVNOのデータ通信で利用する場合のデメリット&注意点
ZenFone 3をドコモの音声通話定額 + MVNOデータ通信プランで運用する場合のデメリットおよび注意点としては、ZenFone 3のDSDSはあくまでも「同時に通信できるSIMカードは1つ」という仕様のため、SIMカード1が音声通話専用、SIMカード2がデータ通信専用という使い分けをする場合、音声通話を行っている最中にはデータ通信が行えなくなってします。
※音声通話を行うSIMカードで、データ通信プランを契約すれば音声通話中にデータ通信を利用できる。ただし、その場合(特にドコモ契約の場合)は月額料金が高くなる。
ZenFone 3で音声通話を行っている最中にデータ通信を行いたい場合は、音声通話を行う回線でデータ通信が可能なプランを契約する必要がある。ただし、携帯電話会社のデータプランを使わない方法として、音声通話中にWi-Fiを経由したデータ通信であれば、音声通話をしながらデータ通信を行うことはできる。
また、ZenFone 3はドコモのVoLTEには非対応となっているため、仮に音声通話+データ通信が可能なプランを契約の上、音声通話中に同じSIMカードを使ってデータ通信を行った場合でも、データ通信については3Gでの通信となるため、4G LTEの高速なデータ通信を行うことはできない。
※KDDIおよびそのMVNOで利用する場合、VoLTE対応のSIMカードを利用することでVoLTE通話を行いながら、4G LTEデータ通信を行うことができる。
そんなわけで、ドコモのVoLTEには非対応、またDSDSでは2枚のSIMカードで同時に独立した通信が行えないという点から、いくつかの注意点は残るものの「音声はMNOの音声通話定額で、データ通信はMVNOで使いたい」というニーズをシンプルに満たすことができる点はDSDS対応機の魅力。従来は1台の端末では実現することができなかった使い方が1台で出来るようになるのは便利なので、ZenFone 3のデュアルSIMを活かしたサービスが登場してくることに期待したいなと。