2017年8月に札幌市にてサービスを提供開始した「Mobike」は、札幌市にて開催したローンチイベントにて「2017年内に日本国内の10都市での提供を目指す。」
としながらも、札幌市でのサービス提供開始以来、参入が決定した都市は無い。さらに、当初サービスを開始予定としていた福岡市でもサービス提供予定が未定となっており、現時点で「札幌以外」で最有力と言える福岡についてもいつ頃サービスを提供開始するか?について、具体的なアナウンスは行われていない。
これまでの「Mobike」の展開ペースを考えると、「2017年内に10都市展開」は相当に厳しい目標のように思える。
「Mobike」が「年内に国内10都市での展開を目指す」としたコメントについては、日本経済新聞(Web)でも確認可能。
自転車シェア中国「モバイク」、日本で10カ所展開へ :日本経済新聞
モバイクは23日から札幌市内のコンビニエンスストアやドラッグストアなどに数百カ所の駐輪場を設け、合計で数千台の自転車を貸し出す。キャンペーン価格として30分50円で提供し、利用者の反応をみて正規料金を決める。年内にも政令指定都市を中心に国内10カ所程度に広げる方針だ。
■札幌市にて提供を開始した「Mobike」
ソフトバンクと組んだ「ofo」、9月にはサービス提供予定だった?
一方、ソフトバンクコマース&サービスと提携し、2017年9月以降に東京・大阪にてサービスを提供開始することを発表した「ofo」は、10月25日時点で具体的なサービス開始時期を明らかにしていない。
サービス提供開始に向けた準備は進めているようで、10月16日には「ofoが日本に上陸」という趣旨のツイートをTwitter公式アカウントから行っているほか、10月21日(土)・22日(日)に開催された「チャイナフェスティバル2017」では、日本国内仕様の「ofo」を展示した。
世界最大級のシェアサイクルプラットフォームofoが、日本に上陸しました!よろしくお願いします💕世界15か国🚲190都市🚲1,000万台🚲ユーザー数1億人超え!
Share more&Consume less with #ofojapan #letsofo #オフォ#シェアサイクル pic.twitter.com/Ny6sRUIsuP— ofoJapan (@JapanOfo) October 16, 2017
■日本国内仕様の「ofo」
「ofo」の「チャイナフェイティバル2017」参加がいつ頃決まったのかは定かではないけれど、当初の予定としては、9月中に東京・大阪(の一部エリア)にて「ofo」サービスを提供開始した上で、「チャイナフェスティバル2017」で「ofo」を展示することを計画していたのでは。と推測される。
「ofo」が国内参入の準備を進めていることは、既に東京・大阪に「ofo」の自転車が(物理的には)上陸していることからも理解できる。
→ただし、実際には「ofo」の自転車は倉庫に入っている状態で、一般の利用者向けにサービスが提供されている状況にはない。
■東京:若洲海浜公園(江東区)付近に自転車を配備
既にサービス提供に向けた準備が整っているように見える「ofo」が国内でのサービスを提供していない理由は、おそらくサービスを利用開始するにあたって、必要十分な駐輪スペースを用意できていないことが理由として考えられる。
「ofo」や「Mobike」は、「好きな場所で借りて、好きな場所で返却(乗り捨て)」できることで人気を得たものの、日本国内での展開にあたっては「Mobike」と同様に、専用の駐輪スペースを確保した上でサービス提供を計画している模様。
■札幌を本拠地とするコンビニ「セイコーマート」に設置されたMobikeポート
自転車のレンタル・返却にポートが必須となっている「ちよくる」などのドコモ・バイクシェア系サービスと異なり、「Mobike」や「ofo」はドックレス型のサービスであるため、厳密に言うとサービス仕様上は(専用の)駐輪スペースが無いとサービスが提供できないわけではない。
実際に、「Mobike」が提供開始された後の札幌市内では、最寄りの駐輪エリア(ポート)から1km以上の距離がある、すすきの交差点付近に「Mobike」が乗り捨てされるなど、ポート以外の場所でも自転車が返却されることがあった。
■すすきの交差点付近で返却(乗り捨て)された「Mobike」
仮に、「Mobike」や「ofo」が「十分な駐輪スペースを確保するまでサービスを開始しない」という方針なのであれば、日本国内でのサービス拡大にあたっては、需要の大きいであろう都市部ほど「駐輪スペースが確保出来ない」問題によってサービス開始までに時間を要することになり、結果的にシェアバイクサービスが広がっていかない可能性があるのが心配なところ。
→もちろん、「駐輪に関しては利用者の問題なので一切知りません。」というスタンスをとることで、迷惑な路上駐輪を誘発するようなことを望んでいるわけではない。