安全への配慮、ドコモ・バイクシェアの新型電動モビリティ – 免許必須と歩道禁止の理由

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ドコモ・バイクシェアは、ハセガワモビリティ(YADEA)と共同で、2025年春に実証実験として投入予定の新型電動モビリティをお披露目した。

■ドコモ・バイクシェアが発表した新型電動モビリティ
ドコモ・バイクシェアが発表した新型電動モビリティ

ドコモ・バイクシェアが発表した新型電動モビリティは、ペダルを漕がずに、電気を動力にして走行する自転車タイプの車両で、2023年7月の道路交通法改正で新設された車両カテゴリの「特定小型原動機付自転車」(以下、特定原付)に分類される。

■車両区分の違い(特定小型原動機付自転車について)
車両区分の違い(特定小型原動機付自転車について)

道路交通法上、特定原付は16歳以上であれば運転免許不要、ヘルメット着用は努力義務となっている。

このほか、時速6km以下で走行し最高速度表示灯を点滅できる車両については「特例特定小型原動機付自転車」(以下、特例小型原付)として扱われ、歩道モードに切り替えた状態であれば、歩道走行が認められる。

特例小型原付の代表例は、Luupの電動キックボードやOpenStreet(HELLO CYCLING)の電動サイクルなどがある。

■Luupの電動キックボード
Luupの電動キックボード

■OpenStreetの電動サイクル
OpenStreetとglafitが共同開発した電動サイクル

特例小型原付は、16歳以上であれば免許不要で運転できることもあってか、残念ながら電動キックボードが車道モードのまま歩道を走行している例が数多く見られ、問題になることも多い。

ドコモ・バイクシェアが発表した新型車両は、車両としてそもそも歩道モードには対応していない。このため、ルール上は自動車や原動機付自転車(原付)などと同様に車道のみ走行できる。
※動力をオフにした状態で手押しすれば歩行者扱いになるのは自転車などの車両と同様。

また、車両区分(特定小型)としては法律上は必須ではない、運転免許証の登録を必須にしており、法律よりも厳しい基準で運用される。

■免許証の登録が必須。法律よりも厳しい運用
免許証の登録が必須。法律よりも厳しい運用

後輪のドレスガード部には、「STOP!歩道ライダーこの車両は歩道走行できません」とアピールするステッカーが貼られている。

■「歩道走行できません」をアピールするステッカー
「歩道走行できません」をアピールするステッカー

ドコモ・バイクシェアは、運転免許証の登録を求める理由として、「特定の車両の運転技術がある。ということではなく、交通ルールや法律に対する知識があるかを確認するため。将来的には幅広い層に活用してもらうために、運転免許証を返納した後に交付される、運転経歴証明書などでも認証できるようにすることを検討する」という趣旨のコメントをした。
※第一種/第二種の運転免許証であれば、車両区分(普通免許/中型免許/原付免許)は問わない。

交通安全に関するテストも「(正確に理解していなくても)何度か挑戦すればクリアできるような形式ではなく、少し迷いやすい内容のものを、定期的に思い出していただくような仕組みを用意したい」と説明している。

事業者としては、法律通りに免許証は不要、交通安全に関するルールの確認についても、「必要なことはやってます」と言える最低限を実施して、多少安全面に問題があっても多くの利用者を獲得することを優先することも可能だけど、ドコモ・バイクシェアとしては安全面や公共性を重視していることをアピールしていたのが印象的。
※特定原付の分野では後発となったので、先行事例を悪しき例として別路線をとっただけ。という見方もできるかもしれないけど…。

■車両の基本スペック
型式:S-01 T-IS
モーター:定格出力 350W
サイズ:全長1,550✕全幅590✕ハンドル高さ1,160(ベル1,170)(mm)
バッテリー:48V 14,000mAh
重量:28.6kg
耐荷重:人+貨物=120kg
防水・防塵:IOT : IP67
バッテリー:IPX7
ウィンカー:ハンドル横。安全速度表示灯と兼用・音の発生あり
タイヤ:チューブタイヤ20×1.75インチ 空気圧前後440kPa
制動装置:前後ドラムブレーキ
ハブロック:タイヤの回転が1/4からでロックがかかる。常時ロックではない
サドル:地面から79cm~
シートポスト:メモリ及び数字の印字。サドルは限界値で車体から抜けない構造
貸し借り用QRコード:車体後方
モニター:受電残量(メモリ)と速度の表示のみ
航綄距離:70km ※気温など走行条件によって異なる

ドコモ・バイクシェアのプレスリリースは以下にて。
ドコモ・バイクシェア、新型電動モビリティを発表 | 株式会社ドコモ・バイクシェア