SIMフリー版のiPhone 6/6 Plusが発売開始され、キャリア版のSIMカードでの動作確認結果などが報告されているので、SIMフリー版iPhone 6/6 Plusに、従来のiPhone(5以降)のSIMカードを差し替えてできること、できないことのまとめ。
ネットワークについては特に制限なし
SIMフリーのiPhone 6を、従来のiPhoneのSIMカードで使ってみた。という動作確認結果については、ITmediaにその結果が掲載されており、3社共『SIMカードを挿しただけで4G通信が行えた』とされている。
使える? 使えない? 速さは?:SIMフリー「iPhone 6」にキャリア各社のSIMを挿してみた【速攻チェック編】 – ITmedia Mobile
今回試したのは、NTTドコモの「iPhone 5s」、KDDI(au)の「iPhone 5c」、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」で使っていた各キャリアのSIM。もちろん3枚のSIMとも、サイズはすべてNano SIMだ。
結論から言うと、キャリア3社のSIMは装着しただけで4G通信が行えた。
同様の結果については、RINGO-SANCOのBlogエントリにも掲載されている。
SIMロックフリー「iPhone 6」における各キャリアの動作状況
よって、SIMフリー版のiPhone 6/6 Plusを各キャリアの販売していた過去のiPhone(nanoSIM)のSIMカードで利用することは問題無く可能であると言える。
iPhone 6/6 Plusは、従来のiPhoneシリーズでは非対応となっていたキャリアアグリゲーション、TD-LTEへの対応が追加されており、従来のiPhoneシリーズ向けのSIMカードでこれらの機能が使えるか?
という点については、詳細な検証結果を見つけることはできなかったけれど、例えばKDDIのWiMAX 2+非対応端末で契約したSIMカードを使い、WiMAX 2+(Band 41)への接続については確認ができているので、iPhoneでも問題が無いものと思われる。(キャリアアグリゲーションについても同様)
通信料割引:月々サポートなどは原則適用が可能
SIMフリーのiPhone 6/6 Plusに、過去に使っていたiPhoneのSIMカードを挿して利用した場合に『月々サポート』のような、通信料からの割引が適用されなくなるのか?
という点については、iPhone 6/6 Plusが発売直後であり、まだ料金が確定していないので確証は無いけれど、原則としては月々サポートのような割引については、実際に使用する端末に関わらず『購入した端末』に紐付いて適用されるため、SIMカードをSIMフリーのiPhone 6/6 Plusに差し替えて利用しても、従来通り適用が可能。
※KDDIのiPhoneで契約したSIMカードを別の端末に入れて利用しても、毎月割は問題なく適用されていることを確認済み。
ただし、今のところiPhone向けの割引としては思い当たるものは無いけれど、一部の割引については『実際に使用した端末』に基づいて割引金額が変更される例があり、この種の割引が今後iPhone向けに登場した場合、割引金額が減額されたり、割引そのものが適用されなくなることがあるので注意が必要。
例えば、ドコモの新料金プラン『カケホーダイ』は、スマートフォン向けの利用料金が2,700円/月で、ケータイ向けの利用料金は2,200円/月(共に二年契約時)と、利用する端末によって月額料金が異なる料金プラン。
通常は、利用する端末に合わせたプランを選択するのであまり気にする必要は無いけれど、例えばケータイ向けの料金プラン(2,200円/月)を契約した上で、スマートフォンなどで利用した場合、ケータイ向けのプラン(2,200円/月)ではなく、スマートフォン向けの料金プランと同額の2,700円/月が請求されるようになっている。
■ドコモ:新料金プラン
各キャリアの動作保証対象外
そんなわけで、基本的に実利用上は特に困ることが無いSIMフリー版 iPhone 6 + 各社のSIMカードの組み合わせだけれど、いわゆる『動作保証』されている端末と異なり各社のサポート対象外の端末となるため、各種設定に関するサポートなどなどをキャリアショップで受けることはできず、基本的には『何が起きても自己責任』になる。
『キャリアが販売している端末以外についてはサポートしない(できない)』という点については、従来から特に変わったものではないけれど、iPhone 6/6 Plusは、初めてキャリア版とSIMフリー版のiPhoneが同日販売される端末となっており、なおかつ端末そのものは同じ『iPhone 6/6 Plus』であるため、『各キャリアのサポートを受けることができる』という考えてもおかしくはないけれど、実際にはiPhone 6/6 Plusは『動作保証外』端末となる点は注意する必要がある。
実際に、動作保証外のApple製品の利用に関するトラブルとしては、iOS 8にアップデートした端末では、KDDIのネットワークを使うMVNOサービス『mineo』でデータ通信が一切できなくなってしまったほかにも、過去にはiPhone 5でドコモのLTEが使えない。というようなトラブルがあり、ハードウェア&サービスのスペック的には特に問題が無いと思われる組み合わせにおいてもトラブルが発生する事例がある。
実利用には大きな問題が無いけれど、サポートは対象外
前述の通り、SIMフリー版のiPhone 6/6 Plus + 各キャリアのSIMカード(MVNOは除く)の組み合わせでは『動作保証外にはなるけれど、利用出来ない機能やネットワークは原則として無い』というのがシンプルな回答になるかなと思う。
ただし、例外としてソフトバンクモバイルがiPhone 6/6 Plus向けに提供を開始した『アメリカ放題』については、従来のiPhone向けのSIMカードでは利用できない(SIMカードの交換が必要)とされている上、サービス発表会での説明内容からすると、SIMカードがiPhone 6/6 Plus向けのものでなければアメリカ放題が利用できない可能性が高い。
ソフトバンクモバイルでは、SIMフリーのiPhone向けには自社のSIMカードの提供を行っているものの、SIMカードの発行については『アメリカ放題』対応のSIMカードを発行する。と明記されていないので、SIMフリーのiPhone 6/6 Plusを持込してSIMカードだけしたとしても、アメリカ放題非対応のSIMカードが発行される可能性の方が高いのではと思う(未検証なので対応可能な可能性はあるけれど、恐らく)
他社端末に対するSIMカードの提供条件などについては、ソフトバンクモバイルのWebサイトにて。
他社が販売する携帯電話をソフトバンクモバイルで利用する
※9月19日(金) 19:30現在は、SIMフリーのiPhone 6/6 Plusに対してSIMカードを提供する。という情報は掲載されていない。
さらに、現在ソフトバンクでアメリカ放題非対応機種(iPhone 5sなど)を使っているユーザが、利用する端末をSIMフリーのiPhone 6/6 Plusに変更することを理由にして、アメリカ放題対応のSIMカードへ交換してもらう。という対応は、少なくとも直近では対応が難しく、将来的に対応するかどうかも不明。
※アメリカ放題対応のSIMカードを、自社端末外へ提供する準備が整っていないと思われるため。将来的には対応できる可能性はあるかも。