エアアジア・ジャパン消滅後の新LCCは『海外のプレジャー・リゾート中心』の戦略!Peachとの統合予定はなし

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ANAホールディングスの決算発表に合わせて発表された、中期戦略の進捗説明の中で、マレーシアのエアアジアとの合弁事業である『エアアジア・ジャパン』消滅後の『新しいLCC』について発表があったのでまとめ。

ANAホールディングスのプレスリリースは以下より。
ANAグループ中期経営戦略の進捗について | プレスリリース | ANAホールディングス株式会社

■新LCCに関するまとめ
・新LCCは『プレジャー・リゾート』を中心の路線展開とする
・国内/海外の比率は『海外重視』となる見込み
・就航開始は12月下旬より。成田&名古屋を拠点
・A320を利用するため、比較的近距離の路線のみの就航となる

これまでの流れを整理すると、ANAホールディングスとマレーシアのエアアジアの合弁事業としてスタートした『エアアジア・ジャパン』の事業について、合弁の解消に関する合意が両社で行われ、エアアジア・ジャパンの株式はANAが全株式を取得、エアアジア・ジャパンは10月末に消滅することが発表されていた。
関連エントリ:「エアアジア・ジャパン」消滅へ!記者発表に参加して感じたこと | shimajiro@mobiler

ANAホールディングスでは、エアアジアとの合弁解消を発表した際に『7月末までに新しいLCCについて発表を行う』としていたものの、7月末の直前になっても『新しいLCC』についての情報が一切なかったため、同じくANAホールディングスが筆頭株主となっているLCC、Peach(ピーチ)ブランドに統一する可能性も考えられ、一部報道では『Peachと統合する方向』という報道が行われていたけれど、結果的には従来通り『新しいLCCとしての立ち上げ』の方針であることが改めて発表された。
関連エントリ:エアアジア・ジャパンはPeachブランドに統合か?9月以降の減便を正式に発表 | shimajiro@mobiler

新LCCは『海外のプレジャー・リゾート』中心の展開

『新しいLCC』について、具体的な展開については明らかにならなかったものの、会見の中でいくつかのキーワードが登場した。

まずは新LCCの方向性を示すキーワードとして『国内・海外を中心としたプレジャー・リゾートを中心として展開する』ことが明らかにされた。

会見中の関係者のコメントを総合すると、(少なくとも現時点では)国内よりも海外が中心に考えている模様。

運航する機材については、現状のエアアジア・ジャパンと同様にA320を使用するため、例えばハワイなどの長距離路線への参入はすぐには不可能となっているので、運航時間がそれほど長く無い都市に就航する方針となる。

就航都市について具体的な都市名は挙げられなかったけれど『成田&名古屋から4時間程度の距離にある海外のリゾート地』となる可能性が高く、個人的には(面白味は無いけれど)グアム・サイパンの他、東アジアのリゾート地への就航があるのではと思う。

『国内よりも海外重視』という点については、エアアジア・ジャパンの実績から鑑みて『国内よりも海外の方が顧客一人当たりの単価を上げやすい』という理由を含めての検討した結果であることが、会見中のコメントから理解できた。

2013年12月下旬より運航を開始/機材は急ピッチで追加予定

新LCCの就航は12月下旬からの予定となっているので、年末年始には新LCCが就航しており、年末・年始の旅行にも利用可能であることがアピールされていた。

運航開始時点では2機体制で運航を開始し、2014年1月には3機体制、3月末までに5機体制に拡大予定となっており、5機体制に拡大した場合は現行のエアアジア・ジャパンと同じ機材保有数となり、運航開始後急ピッチに機材の追加が行われる予定。

不明となっている新社名については8月中旬に、路線などの詳細については9月下旬に案内する予定であることが発表されたので、今後の発表に期待。

エアアジア・ジャパンで弱かった販売力・営業力を強化

会見で『エアアジア・ジャパンでうまくいかなかった』点として『Webサイトの使い勝手改善などの販売力の強化』が具体的に挙げられ、これらの点を改善するべく、新LCCの代表取締役社長には、ANA出身で現AIR DOの営業本部長である石井 知祥(いしい とものり)氏が就任予定であることが説明された。

Webサイトの使い勝手改善による直販の拡大のほか、エアアジア・ジャパンでは積極的に行っていなかった、旅行会社への航空券販売などについても、新LCCでは方針を転換して積極的に取り組む可能性も考えられるので、今後は旅行会社のツアーなどでLCCを利用したツアーの販売が増える可能性も考えられる。

会見では、エアアジア・ジャパンでLCCの経験を積んだことで『コスト削減については自信を持っている』と言うコメントがあったので、ANAホールディングスの課題は『販売力・営業力の強化』がメインと考えている模様。

新LCCの役割は『新しい市場の開拓』がメインか

会見終了後の囲み取材では『ANAが羽田から運航している路線でも時間帯によっては非常に安く販売されているため、早朝に成田に移動してまで国内線を利用するメリットが大きいとは考えていない。』という趣旨のコメントもあったので、現在エアアジア・ジャパンが運航している成田 ⇔ 福岡などの国内線については廃止となる可能性が高く、冒頭で紹介したように『海外中心のプレジャー・リゾート』を軸にした展開を目指すものと思われる。

さらに、エアアジア・ジャパンが就航している国内線は、成田 ⇔ 新千歳、福岡、那覇など、ANAとしても利用客の多い路線となっているので、これらの路線にLCCが参入することで、ANAホールディングスとしては顧客単価の高いANA便利用者が、単価の低いLCCの利用に流れることを防ぐ。

という要素が強くなるのも、エアアジアとの合弁事業ではなく、新LCCはANAホールディングスの100%子会社となる点を踏まえると頷けるので、そういった面でも『新しい路線への参入による新規市場創出』が、新LCCのメインの役割になるのかなと推測。

個人的には、成田を拠点とするLCC 2社(ジェットスター・ジャパン&エアアジア・ジャパン)の路線が非常に似ている。というのは面白味が無いなとは思っていたので、新LCCの展開については期待したいものの、2012年にLCCが国内線に参入してから、LCCを利用して国内を移動する機会が一気に増えた。

という経験があるので、新LCCが海外のリゾートを中心とした展開になることで、国内線でLCCの選択肢が減ることによって国内の移動コストが高くなってしまう可能性が高いのは少々残念。

そうは言っても、既存ブランドである『Peach』への統合ではなく、新しいLCCを立ち上げる。という点では期待しているので、今後の展開が楽しみではある。

会見のレポートは、Traicyにも掲載しているのでご紹介まで。
ANAグループ、中期経営戦略の進捗について会見を開催=新LCCはリゾート中心に : Traicy(トライシー)〜旅行がより楽しくお得になる情報を発信するブログメディア〜