ドコモの2013年冬 〜 2014年春モデル新商品発表会で発表されたモバイルWi-Fiルータ『Wi-Fi STATION HW-01F』の展示機をじっくりと触ってきたので、展示会で聞いた端末仕様などの解説。
- 下り最大150Mbps対応/Xiのクアッドバンドに対応
- 本体はタッチパネル対応/各種操作設定がルータ単体で可能に
- バッテリはHW-02Eと共通/連続通信時間は延長の見込み
- 屋外でも5GHz帯のWi-Fiが利用可能に
- SIM認証対応により、docomo Wi-Fi利用がカンタンに
- カラーバリエーションは二色:オレンジが目を引く
HW-01Fは、
2.1GHz帯(Band 1)
1.7GHz帯(Band 3)
1.5GHz帯(Band 21)
800MHz帯(Band 19)
の4つのLTEが利用可能な『クアッドバンド』対応のモバイルWi-Fiルータであり、2014年2月に発売予定となっているLG製のモバイルWi-Fiルータ『L-02F』に続いて、二台目となる下り最大150Mbps対応モバイルWi-Fiルータ。
東名阪エリアでは、1.5GHz帯(Band 21)を使った下り最大112.5Mbps対応サービスが提供されていないため、1.7GHz帯(Band 3)を使った下り最大150Mbps対応端末を、下り最大150Mbpsエリア内で使用することで、従来より高速化が体感できることに期待したい。
HW-01Fは、タッチパネルに対応しており、各種の操作設定をモバイルWi-Fiルータ単体で操作することができる。
タッチパネルを使った操作に対応したこと、PCやスマートフォンから管理画面にアクセスしなくても、カンタンに設定などなどを変更できるようになったのは嬉しいけれど、肝心のタッチパネルを使った操作性については、展示会の段階ではイマイチだったので、この点は発売までの改善に期待したいところ。
展示会場で展示されていたHW-01Fのタッチパネル操作については以下動画にて。
■HW-01Fのタッチパネル操作(YouTube)
上記動画の操作手順は、
ロック解除 > 端末情報 > Wi-Fi 5GHz帯利用 > TOP画面に戻る
2013年後半以降に発売されるモバイルWi-Fiルータは、WiMAX 2+対応の『Wi-Fi WALKER WiMAX2+』や、SoftBankの『301HW』などもタッチパネルに対応しており、タッチパネル対応がモバイルWi-Fiルータのトレンドになりつつある。
タッチパネル操作に対応していることで、APNの作成が本体単体で可能となり、SIMロックを解除して海外でAPNを作成する際の手間が、従来(管理画面にアクセスしてAPN作成)と比べて大幅に減少する点で、この点の使い勝手などなどは販売が開始されてから試してみたいところ。
※SIMフリーで使えるモバイルWi-Fiルータの選択肢はドコモ端末のみとなってしまったので…。なおさら。なお、SIMロック解除については店頭で解除が完了しないため、従来のモバイルWi-Fiルータ/データ通信端末と同様に、メーカー側に送付しての対応が必要になる。
HW-01Fのバッテリーは、従来モデルであるHW-02Eと共通となっており、容量は1,780mAhのまま変更されていなかった。
■バッテリはHW-02Eと共通
前モデルであるHW-02Eは、連続通信時間が約5時間となっており、既に発売中であったL-03Eと比べると連続通信時間が半分以下。というデメリットがあった。
HW-01Fでは、バッテリ容量がHW-02Eから変わらないということで連続通信時間の面で少々不安があったけれど、説明員によると連続通信時間は向上しており、詳細なスペックは未定ではあるものの、連続7時間以上を目指しているとのことで、発売までの性能改善に期待したい。
HW-01Fは国内で販売されるモバイルWi-Fiルータとしては初めて、屋外で5GHz帯のWi-Fiを利用することが可能になっている。
※L-02Fが対応するIEEE802.11ac規格には非対応。
Wi-Fiで利用する5GHz帯は、気象レーダーと同じ周波数を一部で使っているため、そのままの状態では屋外で利用することは禁じられており、HW-01Fではこの問題を解決するために、気象レーダーの周波数を検出(屋外であることを検出)すると、屋外で利用可能なチャンネルのみを使用可能とする「DFS」(Dynamic Frequency Selection)に対応している。
一般的にモバイルWi-Fiルータが使用する2.4GHz帯は、多数のデバイスに利用されていることが原因で、通信速度が不安定になりがち。という課題があったけれど、HW-01Fでは『屋外でも5GHz帯が利用可能』になることで、この課題を解決しようとしており、これによって屋外での通信環境がどの程度改善するのか?は興味深いところ。
公衆無線LANやモバイルWi-Fiルータの増加によって、2.4GHz帯が混んでいることが多い昨今の状況を考慮すると、屋外でも5GHz帯の利用をサポートする。というのはモバイルWi-Fiルータの標準的な機能になって欲しいなと。
HW-01F(およびL-02F)は、docomo Wi-Fiが新しくサポートする『SIM認証』に対応しているため、docomo Wi-Fiを利用可能なdocomoのSIMカードを挿した状態で利用すると、docomo Wi-Fiへのログイン認証が省略されるため、従来よりカンタンかつ高速に認証を行える。
モバイルWi-Fiルータからdocomo Wi-Fiを利用するための設定は、スマートフォンやタブレットと比べて少々ハードルが高い。という問題があったけれど、SIM認証への対応によってこの課題が解決することで、モバイルWi-Fiルータから公衆無線LAN利用がぐっとカンタンになりそう。
HW-01Fのカラーバリエーションはオレンジとホワイトの二色。
端末背面には『Wi-Fi STATION』という表記がされている。
前モデルであるHW-02Eの3色 ⇒ HW-01Fでは二色と一色少なくなっているけれど、オレンジ色のモバイルWi-Fiルータは珍しく(国内初かも)、所有感がある。
連続通信時間やクレードル対応などの面を考慮すると、より『本格的に』使うユーザにはL-02Fの方が向いている気がするものの、HW-01Fは屋外でも5GHz帯のWi-Fiが利用可能になっているほか、端末も薄型・コンパクト端末であり、L-02Fより『気軽』に使えるモバイルWi-Fiルータであり、長時間の連続通信を必要としないユーザにとってはHW-01Fでも十分使い勝手が良い。ということに期待したい。
※連続通信時間が最終的にどの程度の長さになるのか。に大きく左右されるところではあるけれど…。
同日に発表された、LG製のモバイルWi-Fiルータ『L-02F』の解説については以下エントリにて。
下り最大150Mbps対応のモバイルWi-Fiルータ『L-02F』を徹底解説! | shimajiro@mobiler