総務省は『SIMロック解除に関するガイドライン』の改正案を発表。
ガイドライン改正案の主な内容としては、2015年5月1日以降より販売される機種については、無料でSIMロック解除に対応することを原則義務付ける方針となっている。
総務省によるガイドライン改正案は以下より。
総務省|「SIMロック解除に関するガイドライン」の改正案に対する意見募集
SIMロック解除の義務化については『海外渡航時に、現地キャリアのSIMカードを挿して利用することが可能になる』という点で基本的には賛成だけれど、ガイドラインの中で期待しているとされているような、国内の通信事業者の乗り換えや、他社からのMNP契約によるキャッシュバックの抑制などなどには繫がらないのではと思う。
と言うのも、SIMロック解除については、既に最大手のドコモが(Apple以外の機種で)2011年4月から対応を開始しているものの、SIMロック解除の対応実績は、累計で約20万件であることが発表されており、SIMロックを解除して他社のSIMカードで使うことは、少なくともドコモの例を見る限り、現時点で強いニーズがあるとは言い難い。
関連エントリ:ドコモのSIMロック解除実績は3年間で累計約20万件 | shimajiro@mobiler
総務省のガイドライン改正によって、各キャリアが販売する端末に対してSIMロック解除が義務化された後も、SIMロックを解除した端末が他キャリアのネットワークに接続ができるかどうか、あるいはその際に適用される料金が定額適用されるかどうかはユーザの自己責任となる点が現状通りであれば、SIMロックを解除して他キャリアのSIMカードで使う。という動きが急速に広がるとは思いにくい。
※実際には問題無く利用できて高額請求が発生することが無くても『保証されない』というのは、大多数のユーザにとっては大きなハードルと思う。
そんなわけで、個人的には総務省によるSIMロック解除の義務化よりも期待しているのが、コストパフォーマンスの高いスマートフォン + MVNOのサービスによる競争で、直近で言うとZenFone 5とそれを取扱いするMVNOによるサービスに期待。
■ASUSはZenFone 5を日本向けに発売、価格は30,000円(税別)以下
いわゆる『格安スマートフォン』と呼ばれる価格帯のスマートフォンは、スペックなどが『価格なり』であることが多く、言ってしまえば『安かろう悪かろう』の世界となっていたけれど、ZenFone 5についてはASUSがプレスリリースで『ハイクラスSIMフリースマホ』と言うだけの使い心地で、本体価格が50,000円を超えるようなハイスペック端末(国内では100,000円近い端末もあるけれど)に比べれば多少見劣りするものの、必要十分に実用的なスペックを備えており、実売価格30,000円以下のスマートフォンでは初めて『問題無く実用的』と言える端末に仕上がっていると思う。
加えて、ZenFone 5は、複数のMVNO事業者から販売されることが発表されており、既に『楽天モバイル』や『NifMo』がサービスを開始または開始を予告している。
これまで、魅力的な端末を取扱いするのが難しかったMVNO各社にとって、ZenFone 5は初めて自社で販売できる”競争力のある”スマートフォンとも言えるので、MVNOによる端末&SIMカードの販売がユーザにどの程度受け入れられるのか。は興味深いところ。
個人的にZenFoneが好きで、過度に期待している要素も無くはないことは認めているけれど、ZenFone 5には日本のMVNOにとって『キラー端末』と言えるような端末になり、MVNOの音声通話対応サービスと組み合わせて『1台目』に使うユーザが増えることに期待したい。
そんなわけで、ZenFone 5に限らず『実用的なスペック』を備えたコストパフォーマンスの高いスマートフォンが、今後MVNO各社から登場してくることに期待したい。
ZenFone 5の販売はZenFone Shopのほか、Amazon.co.jpなどで販売される予定。
ZenFone Shopは以下より。
ASUS ZenFone Shop – ASUS公式オンラインショップ
Amazon.co.jpでの販売ページ(ゴールド)は以下より。
【国内正規品】ASUSTek ZenFone5 ( SIMフリー / Android4.4.2 / 5型ワイド / microSIM / 32GB / LTE / ゴールド ) A500KL-GD32
Asustek 2014-11-08 |