高市早苗総務大臣は、閣議後の記者会見にて、ワンセグ機能つきの携帯電話・スマートフォンなどもNHKとの受信契約が必要であると考えている旨を発言。総務大臣の発言は、先日のさいたま地裁の判決で「ワンセグ携帯の所持は放送設備の設置にあたらない」という判決が出されたこと(関連エントリ)を受けての発言。
総務相「ワンセグ携帯も受信契約義務の対象」 | NHKニュース
高市総務大臣は閣議のあとの記者会見で、いわゆるワンセグの機能が付いた携帯電話を所持してもNHKと放送受信契約を結ぶ義務はないとした、先のさいたま地方裁判所の判決に関連して、「総務省としては受信契約締結義務の対象と考えている」と述べるとともに、今後の訴訟の推移を見守る考えを示しました。
ただし、総務大臣の発言や意向は直ちに法的な拘束力を持つものではなく、高市大臣自身も今後の訴訟の推移を見守る意向であり、発言自体は単純に総務省としての考え方を示したものと言える。
ワンセグ機能つきの携帯電話、スマートフォンなどを所持した場合はNHKとの受信契約が必要になる。という総務省の意向自体は、ワンセグサービスが提供開始された直後から変わっていない。
平成18年(2006年)の総務委員会での竹中総務大臣(当時)の発言内容は以下。
○竹中国務大臣 今、後藤委員、放送法三十二条を御言及くださいましたが、放送法三十二条「協会の放送を受信することのできる受信設備」、この「受信設備」の中には、当然のことながらテレビのみならず、今御指摘の携帯端末、カーナビ等々も入る、これはもう当然のことだと思います。
第164回国会 総務委員会 第28号(平成18年6月9日(金曜日))
要約すると、放送法の定める受信設備には、据置型のTVだけでなく携帯端末(ワンセグなど)、カーナビなどなども受信設備にあたり、NHKとの受信契約を締結する義務があるという認識を持っている旨が明らかにされている。
ただし、携帯電話などへのワンセグサービスが2006年4月より提供開始されて以来「ワンセグサービスなどを受信可能な端末も、NHKとの契約が必要となる受信設備にあたる」という旨が放送法の条文に明記されることはなく、法律の条文自体は従来のままで「受信設備」にあたる機種にワンセグなどが含まれるという総務省およびNHKの解釈によって、ワンセグ対応機種を所有している場合でもNHKとの受信契約が必要という対応が続いている。
2016.9.7 追記
さいたま地裁の判決を受けた高市総務大臣の発言内容は以下。
総務省|高市総務大臣閣議後記者会見の概要(平成28年9月2日)
これまでは、総務省として、「受信設備を設置」するということの意味を使用できる状態にしておくことと規定した「日本放送協会放送受信規約」を、昭和37年3月30日に認可していますから、従来から、ワンセグ付き携帯など携帯用受信機も、この受信契約締結義務の対象であると考えています。
いずれにしましても、今後、訴訟の推移はしっかりと見守ってまいります。