総務省、大手キャリアに対してSIMロック解除非対応期間の短縮・SIMロック解除不要でMVNO回線で使えるよう対応を求める方針、ドコモ以外も即日SIMロック解除対応の可能性も

総務省は、モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合およびモバイル接続料のワーキングチームの取りまとめ結果を11月10日(木)に発表。

いわゆる「実質0円販売禁止」の抜け穴となっている「週末限定」キャンペーンでの実質0円販売を禁止するなど実質0円販売の禁止を強化するほか、SIMロック解除非対応期間を現在の端末購入から180日以内より短縮することや、MNOが販売する端末を、同一ネットワークを使うMVNOのSIMカードで利用する場合にSIMロック解除不要でMVNOのSIMカードを利用できるようにすることが求められている。

総務省の「モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合取りまとめ」については以下PDFにて。

モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合取りまとめ(PDF)

SIMロック解除非対応期間を6カ月間から短縮
総務省は、2014年12月に改正した「SIMロック解除に関するガイドライン」により、2015年5月1日以降に発売される機種については、原則として「利用者の求めに応じて迅速、容易かつ利用者の負担無く」SIMロック解除に応じることを通信事業者に義務付けており、ガイドラインに沿った対応として、2015年5月1日以降に発売された機種についてはSIMロック解除が可能となっている。

ただし、ガイドラインでは本体代の割賦代金を支払いせずにSIMロックを解除→不正に転売を防ぐために、“最低限必要な期間SIMロック解除に応じないことは否定されるものではない。”という方針であり、通信事業者各社は横並びで「本体購入から180日以内はSIMロック解除に非対応」というルールのもと、SIMロック解除に対応している。
※ドコモについては、一部条件を満たすことで端末購入即日にSIMロック解除が可能となっている。

SIMロック解除非対応期間の短縮に関するまとめは以下。

①不適切な行為の防止のためにSIMロック解除に応じない「最低限必要な期間」については、端末代金の初回の支払いが確認できる時期を踏まえ、現状の6か月よりも短い合理的な理由が認められる期間とすべきである。

SIMロック解除非対応期間が6カ月→3カ月または4カ月程度に短縮されたところで、端末代の支払が割賦支払であれば残債の支払を続ける必要があるのは当然である上に、仮に契約者が端末購入から早期にMVNOへ移行したとしても、本来は適用可能であった通信料割引(月々サポートなど)を捨ててMVNOへ移行するほどのメリットがSIMロック解除非対応期間が短縮されたことによって生じるとは思えず、SIMロック解除非対応期間の短縮に反対する理由こそ無いけれど「それで何か意味があるか」と言われれば、あまり意味があるようには思えない。

総務省と有識者が「SIMロックを解除してMVNOを活性化!」と旗を振っている間に、MVNOはSIMカードと端末のセット販売に力を入れているし、過去の事例としてKDDIが販売するiPhoneがOSアップデートによってmineoのサービスが一切利用できなくなったこと(関連エントリ)などを含めて考えると、ユーザとしても各MVNOが動作保証をする機種を使う方が安心であるように思う。

個人的には、スマートフォンなどなどは基本的に本体代を一括支払いして購入することが大半ということもあり、端末代の割賦残債のない場合については、本体購入時点でSIMロック解除に応じて欲しいというのが願い。

ちなみに、今回の取りまとめでは、SIMロック解除意向のある利用者に対しては、柔軟にSIMロック解除に対応することが検討されるべきというコメントがあり、KDDI・ソフトバンクについても、ドコモと同様に「SIMロック解除実績がある回線では、一定の条件を満たせば即日SIMロック解除が可能」となる可能性にも期待できる。(過度な期待は禁物だけど…)

過去にSIMロック解除を行った既存の利用者など、SIMロック解除のニーズが明らかな利用者に対して柔軟にSIMロック解除に応じることについて、利用者利便の観点から、事業者において早急に検討すべきである。

●自社ネットワークを利用するMVNOのSIMカードでの利用時にSIMロック解除不要に
自社ネットワークを利用するMVNOのSIMカードで利用する際に、SIMロック解除をしなくてもSIMカードが利用できるようにすべき。という内容は以下。

②代金債務の履行がなされていない端末について、ネットワーク側で利用を制限する措置を行っており、自社ネットワークを利用するMVNOでの利用も制限していることを踏まえれば、自社ネットワークを利用するMVNOのサービス利用者による利用を制限するSIMロックを設定することは、必要最小限の措置には該当しないことを明確化すべきである。

現在、ドコモ・KDDI・ソフトバンクの販売するスマートフォンは、原則として自社契約の回線でのみ動作保証を行っており、MVNOのSIMカードで動作するかどうかはMNOの動作保証外。大手3社の販売する端末とMVNOのSIMカードでの利用に関しては、ドコモが販売する機種に関してはそのMVNOで原則として利用可能となっているものの、KDDIおよびソフトバンクについては自社で販売した機種を、そのMVNOのSIMカードで利用するの場合はSIMロック解除が必要となっている。

●MNOの販売する端末と、MVNOのSIMカードでの対応状況
ドコモ:SIMロック解除不要
KDDI:SIMロック解除必要
ソフトバンク:SIMロック解除必要

ドコモ + MVNOのSIMカードではテザリングが利用出来ないなど、一部機能が制限される組み合わせがある。ただし、直近の動向としてはドコモが販売するスマートフォンをMVNOのSIMカードで利用時にもテザリングが利用できる機種が増えている。
関連エントリ:ドコモ:2015年冬モデル以降はMVNOのSIMカードでもテザリング対応機種が多数 | shimajiro@mobiler

2016年11月現在、多くのMVNOがドコモ回線を借り受けてサービスを提供しているものの、KDDIをMNOとするMVNOもmineo、UQ mobile、IIJ mioなどと選択肢が増えているので、MNOの販売する機種がSIMロック解除不要でそのMNVOで使えるようになるのは嬉しい対応と言える。

ただし「MNOの販売した端末 + そのMVNOのSIMカード」の組み合わせで利用が可能となるのは、今後各種規定が制定された後、然るべき猶予期間を以て有効となるため、過去に発売された機種については、(原則としてドコモ以外は)そのMVNOでの利用にSIMロック解除が必要となる点は注意。

また、MNOとしては「自社ネットワークを使用するMVNOのSIMカードで利用できる」という点は担保したとしても、端末の全ての動作を保証するわけではないので、MNOが販売する端末をSIMロック解除して海外のSIMカードで利用したり、MVNOのSIMカードで利用する際に発生していた、テザリングが利用できない・あるいは(古い話にはなるけれど)4G LTEに繋がらないなど、端末性能がフルに利用できることを保証するわけでない点は覚えておく必要がある。(MNOが、MVNOのSIMカードで利用時の機能制限を増やす方向に進まないことを願うばかり)