UQコミュニケーションズ(と、そのMVNO)およびKDDIから発売されている「Speed Wi-Fi NEXT W04」向けに公開されたソフトウェア更新にって新たに対応したUDC(Uplink Data Compression)および、256QAMへの対応についてUQコミュニケーションズに問い合わせてみたので、問合せ内容とそれに対する考察。
UDC(Uplink Data Compression)の対応範囲/エリアについて
上り(端末→インターネット)方向の通信速度を改善する「UDC(Uplink Data Compression)」に対応する通信方式はWiMAX 2+のみ。
同規格をサポートする機種はW04が初となる。もともと、WiMAX 2+の上り通信速度は10Mbpsが理論値となっていたところ、キャリアアグリゲーションおよび64QAMの導入によって、1波(20MHz)あたり15Mbpsへと高速化され、W04やWX03の通信速度は従来機種の3倍となる30Mbpsまで高速化されていた。
■WiMAX 2+、最新機種では上り30Mbpsに高速化
UQコミュニケーションズによると、W04向けのソフトウェア更新によって新たに対応するUDCで、上り通信速度の実効速度が改善する。とされているものの、実効速度においてどの程度の高速化が見込めるのかは明らかにされていない。
なお、対応エリアは東名阪エリアが中心で、トラフィックの大きな大都市圏が中心となる模様。対応エリアの拡大予定などなどは明らかにされていない。
256QAM変調方式への対応について
今回のソフトウェア更新で、W04はWiMAX 2+方式で新たに256QAM変調方式に対応している。
256QAM変調方式への対応によって、WiMAX 2+接続中の下り通信速度の実効速度が高速化するものの、対応エリアに関しては「東京都の一部エリア」となっており、こちらも全国エリア展開などなどは不明。
※W04がサポートする256QAM変調方式はWiMAX 2+のみで、au 4G LTEに関しては256QAM非対応。
■WiMAX 2+エリアマップ:256QAM対応エリアは非公開
W04と同様に、256QAMに対応するモバイルWi-Fiルータとしては、ドコモが販売中の「Wi-Fi STATION N-01J」があり、同機種は256QAMや4*4 MIMO対応によって下り通信速度が最大682Mbpsまで高速化している。
256QAM対応によって下り通信速度が1.33倍になっていると仮定すると、UQコミュニケーションズのWiMAX 2+は下り最大440Mbps → 585Mbpsへと高速化している計算となる。
256QAM対応による通信速度高速化は、過去に公開されたインタビュー記事でも「256QAM対応によって効率が30%あがる」とされており、恐らくWiMAX 2+方式の通信速度(理論値)は下り最大585Mbpsになると思われる。(ただし、585Mbps対応エリアは限定的と予想される。)
WiMAX 2+の下り220Mbpsに注いだ技術。そして「1Gbps」への道筋とは
さらにその後の速度向上のキーポイントとしては、ふたつの要素がある。ひとつは現在の64QAM変調方式を256QAMまで拡張することだ。それで効率が30%程度あがり、440Mbpsから約580Mbpsまでスピードアップする。