ソフトバンク「無料Wi-Fiは無くすべき」に思うこと&国内外事業者の直近動向

ソフトバンクは、2016年6月21日に株主総会を開催。

第37回定時株主総会 | ソフトバンク

ソフトバンクグループ代表の孫正義氏は、株主からの「2020年のオリンピックに向けて無料Wi-Fiスポットを拡大して欲しい」という趣旨の要望に対して「無料のWi-Fiスポットを名乗り悪事を働くことで被害が対象に発生しており、むしろ無料Wi-Fiは無くすべきと思っている。」とコメントしている。

ソフトバンクの株主総会におけるコメントは、ケータイ Watchにて紹介されている。

情報革命で「世界を洗濯致し候」、株主も夢見る孫氏のビジョンとは – ケータイ Watch

しかし孫氏は「無料のWi-Fiは、無くすべきと思っている」とバッサリ。「オリンピックの度に、無料のWi-Fiでさまざまな被害が大量に発生している」と、無料のWi-Fiスポットを偽装して情報を盗み取るといった、セキュリティ面での問題を指摘。「無料のWi-Fiよりも、世界中の事業者とデータのローミングをし、アンリミテッドなローミングなどを検討すべき。日本のLTEは世界で最もすぐれたカバー率と容量。ローミングのほうがセキュリティを保てて、面倒くさくない。それでも無料Wi-Fiのほうがいいという声があるなら、セキュリティ面で解決する方法があるか、検討を進める」とし、無料のWi-Fiスポットの展開には消極的な姿勢を示している。

オリンピックに関連での無料Wi-Fi利用者に対する第三者からの攻撃では無いものの、日本国内でも2016年4月に発生した熊本地震のあと、東京都内にて偽のアクセスポイントが検出されたことが、INTERNET Watchの記事にて紹介されている。
※ただし、熊本地震関連での無料Wi-Fi(00000JAPANなど)関連で、第三者による偽アクセスポイントの設置および、暗号化されていない通信を傍受したことによる実害については公表されていない。

2016年4月(熊本地震発生後)に公開された、INTERNET Watchの記事は以下にて。

偽の「00000JAPAN」Wi-Fiアクセスポイントに念のため注意 -INTERNET Watch

「ケータイ Watch」スタッフが某所で捕捉したWi-FiのSSID。これが東京・秋葉原だったから明らかに怪しいと判断できたものの、福岡市内だったら判断が難しかっただろう

(主に)訪日外国人向けの通信サービスとして、ソフトバンクはプリペイドSIMカード「Prepaid SIM for Travel」をソフトバンク直営店などで販売している。なお、日本国内のMNOの中で、訪日外国人向けのプリペイドSIMカードを販売しているのはソフトバンクのみ。

同SIMカードの通常価格は2,678円(税込)で、訪日外国人向けのプリペイドSIMカードの中では安い部類に入る。なおかつ、有効期間は31日間、通信量は1GB、平日お昼時間帯の速度低下もほぼ心配無用と、サービススペックの面では他社(主にドコモ系MVNO)が販売するプリペイドSIMカードと比べて優位にある。

サービス面のスペックは魅力的ながらも、2017年5月末の時点で「Prepaid SIM for Travel」を取扱いしているソフトバンクショップは直営店の数店舗にとどまり、なおかつ販売に関してもそれほど積極的に販売を行っている状況とは言い難く、個人的な印象としては「やる気(売る気)があるのかどうなのか、よくわからない。)というのが率直な印象で、SIMカード1枚で大きな利益の見込める商品ではないためか、店員の商品に対する認識も誤っていることが少なく無い。

有効期間31日間・1GB使えるソフトバンク「Prepaid SIM for Travel」は直営店で定価購入可能 - 銀座・表参道・渋谷などで取扱い
ソフトバンクが販売するデータ通信専用プリペイドSIM「Prepaid SIM for Travel」は、ソフトバンクの直営店(銀座・表参道・東京駅グランルーフ・六本木・グランフロント大阪など)で取扱いされており、定価(税込2,678円)にて購入できる。 ただし、2016年12月...

(訪日外国人向けに)「無料Wi-Fiよりも、ローミングによってモバイル網を活用する方向を推進したい」とする主張には個人的に同意ではあるけれど、ローミング料金の設定に関してはソフトバンクの意向だけで定められるものではなく、「ローミングをより便利に」の方向がどのぐらいの期間の中で、どのぐらいの料金で利用できるのかは第三者からは見えにくい。

国内の通信事業者では、NTTドコモの「海外1dayパケ」の通信が使い放題になるキャンペーンを長期間にわたって開催しているほか、KDDIの提供する「世界データ定額」では、利用開始から24時間の定額料金で、日本国内で契約しているプランの容量がそのまま渡航先でも利用可能になるなど、国内事業者によるローミング関連サービスも徐々に充実しつつあり、個人的にも渡航期間が短ければ「プリペイドSIMカードを買わずにローミングで済ます」機会も増えている。

海外事業者に目を向けると、直近の動きとしてはEU内でローミング料金を撤廃する「Roam like at Home」が提供開始されるなどの動きもある。(ただし、EU内における同制度はセキュアな通信を行うことを主目的としたものではない。)

「Roam like at Home」に関する詳細は以下にて。
End of roaming charges for travellers in the European Union | Digital Single Market