ドコモは、訪日外国人旅行客をメインターゲットとしたプリペイドSIMカード「Japan Welcome SIM」を、2017年7月1日(土)より提供開始することを発表。
Japan Welcome SIM
Japan Welcome SIM
料金プランは3種類、完全無料の「プラン0」は10月提供予定
料金プランは「プラン0」、「プラン1000」、「プラン1700」の3種類。
「プラン0」は料金が無料となる代わりに、訪日前(=SIMカード受取前)に自国内で対象の広告動画閲覧などが必要となる。利用期間はいずれも15日間。「プラン1000」および「プラン1700」は7月1日から提供が開始され、「プラン0」は2017年10月頃の提供が予定されている。
●「Japan Welcome SIM」料金プラン&サービス内容
プラン名 | 販売価格 | 高速データ通信量 | 利用期間 |
---|---|---|---|
プラン0 | 無料 | なし(広告閲覧や追加チャージ購入可能) | 15日間 |
プラン1000 | 1,000円 | ||
プラン1700 | 1,700円 | 500MB |
※9月30日までの申込で、全プラン100MBの高速データ通信量がプレゼントされる。
いずれのプランも、音声通話には非対応。低速データ通信(128kbps)に関しては使い放題となっており、高速データ通信を利用するためには有料でのチャージ購入または、動画広告の視聴、アンケート回答、アプリインストール、広告記事の閲覧によって高速データ通信量を無料で獲得できる。
●高速データ通信のチャージ方法
[有料]
100MB:200円(税別)
500MB:700円(税別)
[無料]
広告動画視聴:10MB
アンケート回答:10MB
アプリインストール:50MB
広告記事閲覧:10MB
→「Japan Welcome SIM」サイト上でチャージを行う。
対応する決済方法はクレジットカードで、VISA、Master、American Express、JCBに対応。申込時にはドコモの発行する「dアカウント」の登録が必要となる。
主要空港のJAL ABCカウンターや、一部ドコモショップで取扱い
SIMカードは主要空港のJAL ABCカウンターや、一部のドコモショップにて取扱いが行われる。
■成田空港のJAL ABCカウンター
●「Japan Welcome SIM」取扱い店舗
・JAL ABCカウンター成田空港(T1/T2)
・JAL ABCカウンター羽田空港国際線ターミナル
・JAL ABCカウンター関西国際空港第1ターミナル
・ドコモショップ 博多バスターミナル(8月1日より取扱い予定)
ドコモ初の「カウントフリー」はホテル予約「Booking.com」が対象
このほか、ドコモは東急ホテルズおよびBooking.comと提携し、Booking.comのサービス利用が高速データ通信量を消費しない「カウントフリー」対象とする。
特定のサービスを通信料金を無料とする「カウントフリー」は、ドコモ系MVNOであるLINEモバイルやFREETELが提供しているものの、ドコモ自身が「カウントフリー」を提供するのは(おそらく)今回が初めて。
Booking.comは、どちらかと言うと海外のホテルに強く、国内ホテルに関してはイマイチ。という印象があったけれど、最近は国内ホテルの予約にも(おそらくインバウンド需要の影響もあり)力を入れている模様。
Booking.comのサービス紹介&ホテル予約は以下にて。
「APN設定不要」ただし、dアカウントログイン&アクティベーションは必要
「Japan Welcome SIM」のサービス紹介には「APN設定不要」と言う旨が記載がされている。
通常、日本国内で販売されているSIMカードを、海外向けに販売されているスマートフォンなどで利用する場合、APN設定が必要となり、APN設定方法などに戸惑う訪日外国人を見かけることも少なく無かったけれど、「Japan Welcome SIM」はサービス説明において「APN設定不要」である旨をアピールしており、この点は他のサービスと比べて大きなアドバンテージになるように思える。
■APN設定不要
ただし、利用開始時の手順には「SIMカードを端末に挿入後、dアカウントでログインし、受信したSMS記載の番号を入力してアクティベーションを行う」という趣旨の記載があり「SIMカードを入れればすぐに使える」とはならない模様。
■利用開始手順
「広告閲覧でデータ通信が無料」がどれだけ使いやすいか?がポイントになりそう
「Japan Welcome SIM」のように、「広告閲覧でデータ通信料が無料」のプリペイドSIMカードは、香港で2015年に「i-SIM」というサービス名称で提供されたものの、「i-SIM」の完全無料モデルは既にサービスが終了しており、2017年には初期費用を抑える代わりに、広告閲覧で高速データ通信量が貯まるサービスに生まれ変わっている。
(「Japan Welcome SIMのプラン1,000に近いイメージ。)
また、「空港カウンターで受取可能」ではあるものの、SIMカードを受取できるカウンターは「ドコモの空港カウンター」や「空港内のドコモショップ」ではなく、JAL ABCカウンターとなっているのも、やや敷居が高いように思う。(そもそも、渡航前にdアカウント作成などなどを想定している時点である程度のハードルがある。)
そんなわけで「ドコモが発行する訪日外国人向けSIMカード、広告閲覧でデータ通信料が無料」と聞くと、かなりインパクトがあるようにも思えるけれど、実際にはもろもろハードルがあるので「その他の訪日外国人向けプリペイドSIMカードを直ちに駆逐」するほどのインパクトは無さそう。というのが率直なトコロ。