日本国内でもサービスが提供開始されたシェアバイク「Mobike」(モバイク)の使い方・支払方法・注意事項などなどをご紹介。
※以下、特に断りが無い場合は日本国内での使い方・サービスについての紹介。
「Mobike」を使う準備:アカウント登録&クレジットカード登録
「Mobike」は、スマートフォンを使って自転車をレンタル開始するため、Mobikeのアプリケーションが動作するスマートフォン(またはタブレットなど)と、保証金および自転車をレンタルした際の料金支払に利用するクレジットカードが必要。
スマートフォンは特に最新機種である必要は無く、基本的には「Mobike」のアプリケーションが動作し、QRコード読み込みが可能であればok。このほか、スマートフォン側のデータ通信が必要となる。
データ通信については、スマートフォン自身のモバイルネットワークによる通信の他に、Wi-Fi経由でのデータ通信などでもok。海外渡航時にはレンタルしたモバイルWi-Fiルータなどを使って「Mobike」を利用することも可能。(海外での利用にあたって特別な手続は不要。国内で使うのと同様に「Mobike」を利用できる)
Mobikeのアプリダウンロードは以下にて。
アプリケーションをインストールし、「Mobike」に乗車するまでの手順は以下。
(1)「Mobike」アプリをインストールする
(2)SMS認証を行い、アカウントと電話番号を紐付けする
(3)クレジットカードを登録、デポジットを支払する
(4)街中の「Mobike」を見つけてQRコードを読み取り解錠→乗車
(5)「Mobike」のポートでロックして返却
■電話番号でアカウント登録>SMS認証
電話番号(またはSNS連携)によるアカウント登録が完了後、デポジットおよび利用料金の支払い方法を選択する。2017年8月23日時点で、日本国内でアカウント登録を行うと支払方法はクレジットカードのみ。
※別の国の電話番号に紐付けた場合は、別の支払方法も利用可能。例えば中国でAliPayやWeChat Payなどになる。
■クレジットカード情報を登録する
「Mobike」を利用しなくなった場合には、デポジットはアプリ上から手続を行うことで返金が可能。以上が「Mobike」を使うための準備。
上記の準備が完了すると、実際に「Mobike」サービスが利用可能となる。
「Mobike」を使う:実際に乗車してみる
アカウント登録&クレジットカード情報登録が完了すると「Mobike」をレンタルできるようになる。
「Mobike」は、いちどアカウント登録を行えば「Mobike」が利用可能な全ての都市でサービスを利用可能となる。逆に言えば、中国などで「Mobike」サービスを既に利用中の方が、日本を訪問した際に「Mobike」サービスを利用することも可能となる。
2017年8月23日現在、「Mobike」サービスが提供されている海外都市は中国の各都市のほかに、マンチェスター、シンガポール、フィレンツェなど。
「Mobike」は、発祥の地である中国では好きな場所で返却できる「乗り捨て型」のサービスで人気を博したものの、「乗り捨て」による放置自転車の問題が大きくなったため、日本国内では「Mobike」専用の駐輪ポートでレンタル・返却を行うことが推奨されている。
※中国の各都市でも「Mobike」などのシェアバイクの拡大に伴って駐輪禁止区域などが整備される方向に向きつつある。
「Mobike」のポートおよびレンタル可能な自転車はアプリ上に表示されるため、最寄りのポートや「Mobike」を見つけるのは難しく無い。
■アプリを使ってポートやMobikeを探せる
札幌市内では、コンビニエンスストアチェーンの「セイコーマート」、ドラッグストアの「サツドラ(サッポロドラッグストアー)」などの店舗に「Mobike」のポート設置が行われる。
※ただし、2017年8月23日時点ではポートが設置されるのは、札幌市西区の一部エリアのみで、中心部である札幌駅およびその近辺にはポートが無い。
■「セイコーマート」の「Mobike」ポート
■JR桑園駅北口「シルクロード」に設置された「Mobike」ポート
「Mobike」をレンタルする際は、スマートフォンの「Mobike」アプリを起動し、画面下部にある「ロック解錠」をタップ→「Mboike」のハンドル部分またはサドル部分にあるQRコードを読み込みさせると、ロックが解錠され「Mobike」が利用できるようになる。
ロックを解錠する際および、ロックを行って返却操作を行うと、正常に操作が受付された旨の効果音が響くため、初めてでも特に戸惑うことなくレンタル・返却が行える。
ロック解錠(=レンタル開始)を行う際の手順(動画)は以下。
ロック(=返却)を行う際の手順(動画)は以下。
「Mobike」の解錠手続が終わると、アプリは「乗車モード」とも言うべき状態に変更され、現在の乗車時間、乗車距離、消費カロリーのほか、近隣のポート情報などが表示される。
■「Mobike」乗車中のアプリ画面
「Mobike」のポート情報は、ポートの地名やGPS情報に基づく位置が表示されるものの、ポートの位置が正しく登録されていないためか、若干位置が誤っていることもあるので注意。
「Mobike」は、ロックを行った時点で返却手続が行われるため、買物などなどで「一時的にロックをかける」という使い方に適した機能は無い。
ただし、「Mobike」はレンタル予約を行うことも可能。「Mobike」の予約はアプリ上からレンタル希望の「Mobike」を選択して予約操作を行えばすぐに完了するので、短い時間の買物やトイレ休憩などで施錠する際は、施錠後すぐに予約を行うことで、結果的に連続して「Mobike」を利用できる。
※ただし、一人のユーザが連続して1台の「Mobike」を使い続けることがサービスとして好ましいのかは不明。
■近くの「Mobike」の予約も可能
※予約受付中の「Mobike」は他のユーザがQRコードを読み込みしても、乗ることができない。
札幌での利用料金はプロモーションで30分/50円、ただしトライアル期間は無料
札幌での利用料金は、プロモーション料金として「30分毎に50円」を基本とする料金が発表された。プロモーション料金の終了期間や、終了後の通常価格については現時点では明らかにされていない。
この「トライアル期間中は無料」という情報は、「Mobike」のポートや自転車には表示されていないので、アプリ上に表示されるプロモーション情報や、各種メディアによる報道などなどで情報をチェックする必要がある。
札幌にて何度か「Mobike」を利用してみたけれど、トライアル期間の料金が正しく反映されて利用料金が無料と表示されることもあった一方で、プロモーション価格の「30分毎に50円」が発生しているように見える表示になることもあったので、このあたりは実際に使ってみて少々不安を感じた部分。(大きな金額ではないけれど…)
■「30分毎に50円」の料金が発生しているように見える
「Mobike」の車体
このあたりは詳しい方向けに画像のみ紹介。
サービス初日から発生する「乗り捨て」とその実態
日本国内での「Mobike」は、原則として専用ポート以外への「乗り捨て」は推奨されていないものの、サービス仕様の面から考えると「厳しく禁止」されているという状況でもない。
当然ながら、関連する国内法と照らし合わせると、提供事業者(モバイク・ジャパン)側が公式に「自由に(ポート以外の場所に)乗り捨てできる」とはアピールできないことは理解しつつも、実際にはサービスが提供開始されたその日のうちに、駐輪ポートが設置されていない札幌駅前などに自転車が置かれているのがアプリ上で確認できた。
■本来はポートが設置されていない札幌駅前に「Mobike」が出現
現場で確認することはできなかったけれど、札幌駅前の「Mobike」はしばらくするとアプリ上から消えたことが確認できた。考えられる理由は二つで、利用者が一時的に駐輪し施錠をしていただけか、それとも「乗り捨て」された「Mobilke」を別の利用者が乗ってどこかへ移動したか。
現地に在住していないとなかなか地理感覚が掴めないけれど、「Mobike」が今回サービスを提供したエリアは、札幌駅ではなく、その隣駅と、さらにその隣駅のエリア(JR桑園駅〜琴似駅)となっており、JR札幌駅およびその近辺にはポートは設置されていない。
よって、札幌駅付近でレンタルされた「Mobike」は、ポートではない近隣の場所に乗り捨てされるか、あるいは桑園駅〜琴似駅付近のポートへ返却されるかの二つの可能性が考えられるものの、基本的には前者のパターンが圧倒的に多いのではと思う。
■すすきの交差点付近に「乗り捨て」されていた「Mobike」
とは言え、「Mobike」の運用台数はサービス提供元である「モバイク ジャパン」によってコントロールできるため、サービス提供中のエリアで迷惑駐輪によるクレームや問題が大きくなれば、それを解決するための手を打つと考えるのが自然だし、大きなクレームに繋がらないうちは、実験の意味も含めて幅のある対応をするのではと思う。
というのも、札幌中心部の歩道は、冬期期間の除雪用に予め余裕のある設計となっており、(モバイクがそれを推奨はしているわけではないけれど)市内の中心部の歩道に自転車が駐輪されていても、東京と比べれば歩行者への影響は大きく無い。
ただし、駐輪禁止区域などに駐輪を行い、行政による駐輪違反の罰則金が課せられた場合は、行政がモバイクに対して請求した罰金が、そのまま利用者に対して請求されるとのこと。
(実際に、他都市でどの程度違法駐輪によるユーザへの請求があったのかは明らかにされなかった。)
また、駐輪禁止区域に駐輪されている場合、その旨を別の「Mobike」ユーザーが報告し、適切な駐輪場所へ「Mobike」を移動させると、禁止区域に駐輪したユーザに対するサービス内でのクレジット(評価ポイント)が低下し、逆に禁止区域から適切な区域へ「Mobike」を移動した利用者には、クレジット(評価ポイント)が加点される。というような、利用者同士の「自浄作用」が期待できる仕組みも備えている。
札幌にて国内初のサービスが提供開始された「Mobike」は、福岡のほかに年内に10都市程度でサービスを提供開始する方針とのこと。(福岡以外の具体的な地名は明らかにされなかった)
「Mobike」の普及に伴い、各地で少なからずトラブルが発生することは予想に難しく無いけれど、ポートの整備や設置場所をコントロールすることで、バランスを保ってサービスが発展していくことに期待したいなと。