ドコモ・バイクシェア、Mobike、ofo、HELLO CYCLING、各社のシェアバイクの現状まとめ

都心部で見かけることが増えてきた「ドコモの赤チャリ」(ドコモ・バイクシェア)のほか、2017年8月より札幌市にてサービスを開始した「Mobike」、ソフトバンクとの提携を発表した「ofo」、ソフトバンク系の「HELLO CYCLING」など、各社のシェアバイク(自転車シェアリング)サービス参入が相次いでいるので、現時点でのサービス状況のまとめ。

各社のシェアバイクサービス比較

サービス サービス提供開始 主要エリア 駐輪ポート数 利用料金 電動アシスト
ドコモ・バイクシェア 2012年10月 江東区 / 千代田区
港区 / 中央区
新宿区 / 文京区
渋谷区
約350箇所
(都内7区合計)
30分150円 あり
Mobike 2017年8月 札幌市
(桑園駅〜琴似駅付近)
約15箇所 30分50円 なし
HEELO CYCLING 2016年11月 中野区 約60箇所 15分60円 混在
ofo 2017年9月以降予定 東京・大阪(予定) 不明 不明 なし

※ドコモ・バイクシェアのサービスは東京都内7区の広域連携サービスについて紹介。
※サービス提供開始は、国内におけるサービス開始タイミングを記載。
※利用料金はサービスエリアによって異なる場合あり。

ドコモ・バイクシェア:都内7区でサービス提供中、都心では「本命」か

ドコモ・バイクシェアのサービスは、30分150円で電動アシストつき自転車がレンタルでき、借りたポート以外にも好きなポートで「乗り捨て」することができる。

東京都内におけるサービスは、2012年10月に江東区にてサービスを提供開始。その後、千代田区、港区、中央区にてそれぞれサービスが提供開始された。

ドコモ・バイクシェアのサービスは、全ての自転車が電動アシストつき自転車が導入されており、坂が多いエリアでの移動や、買物などで荷物が多い場合でも移動がしやすい。

ドコモ・バイクシェア系のサービスの転機となったのは、2016年2月に開始された各区を跨いでレンタル・返却が可能となる広域相互利用実験。

広域相互利用実験に参加しているエリアにおいては、サービスを利用するエリアを意識することなく「ドコモ・バイクシェアのサービス」として、各区のサービスを利用できるようになった。

2017年11月現在、広域相互利用実験に参加しているのは江東区、千代田区、港区、中央区、新宿区、文京区、渋谷区の合計7区へと拡大、7区合計での駐輪ポート数は約350箇所へと拡大している。

配備されている自転車の台数は7区合計で推定約4,500台で、駐輪ポート数・自転車台数共に東京都内のシェアバイクサービスでは最大。

■都内7区の「ドコモ・バイクシェア」ポート
都内7区の「ドコモ・バイクシェア」ポート

ポートの密度が高い千代田区・港区・中央区の都心3区ではドコモ・バイクシェアを街中で見かける機会も特に多くなっている上に、UberEATSとの提携によって配達パートナーが使っている様子を目にしたことがある方も多いのではと思う。

■渋谷区:幡ヶ谷駅前のサイクルポート
渋谷区:幡ヶ谷駅前のサイクルポート

ただし、ドコモ・バイクシェアのサービスは、利用開始の際に必要となる会員登録および、各種情報変更の際に利用するWebサイトの使い勝手がかなりイマイチ。さらに、ドコモ・バイクシェア系のサービスでも東京・横浜・広島ではそれぞれ別個に会員登録を行う必要があるなど、都道府県を跨いだ利用は考慮されていない。

■横浜みなとみらいエリアのシェアバイク「ベイバイク」
横浜みなとみらいエリアのシェアバイク「ベイバイク」

この点では後発の「Mobike」や「ofo」などが非常にシンプルな手順でサービスを利用開始&自転車をレンタルできる点と比べて明らかに使いにくさを感じる部分なので、今後の改善に期待したいところ。
※ちなみに「Mobike」については、1つのアカウントを世界各地で利用できる(関連エントリ)

また、利用者の増加に伴って需要が集中するポートに関しては「使いたいタイミングで自転車が無い」というケースも多くなっており、配備する自転車台数の拡大および、自転車の再配備などによる「自転車不足」の解消にも期待したい。

Webサイトやアプリ周りの使い勝手には課題が残るものの、東京都内で利用可能な自転車の台数・駐輪可能なポート数の多さについては現時点で圧倒的な優位であると言え、東京都23区内で利用できるシェアバイクサービスとしては今のところ大本命と言える。

アプリの使い勝手に優れる「Mobike」、札幌市以外への展開は可能?

続いて紹介するのは、中国発のシェアバイク「Mobike」。

「Mobike」は2017年8月に札幌市にてサービスを提供開始。札幌市での利用料金は30分50円、日本国内でのサービス利用には3,000円のデポジット(保証金)をクレジットカードまたはデビットカードにて支払する必要がある。

「Mobike」は、専用のポートを必要としないタイプのシェアバイクで、「Mobike」の仕様上は(専用の駐輪ポート以外でも)好きな場所で借りて、好きな場所で返却することができる。

一方で、「Mobike」は日本国内でのサービス展開にあたっては迷惑駐輪対策を重視しており、パートナー企業と連携した上で「Mobike」専用の駐輪ポートを用意した上でサービスを提供している。

札幌市での企業パートナーは、コンビニエンスストアの「セイコーマート」のほか、ドラッグストア「サッポロドラッグストアー」(サツドラ)に駐輪ポートが設置されている。

■「セイコーマート」の「Mobike」ポート
「セイコーマート」に設置された「Mobike」ポート

「Mobike」では、サービスを利用できるデバイスをスマートフォンに限定していることもあり、スマートフォン向けのアプリケーションを使っての会員登録→レンタル手続などなどの手続は非常にシンプルで戸惑うことが無い。この点は、先行する「ドコモ・バイクシェア」系サービスと比べると非常に洗練されている。

「Mobike」のロック解錠(=レンタル開始)を行う際の手順(動画)は以下。

しかしながら、札幌市における「Mobike」の最大の課題は、需要が最も大きいエリアである札幌市の中心部ではサービスを提供できていないこと。

「Mobike」が利用可としているエリアは、中心部である札幌駅〜すすきの駅などが含まれておらず、札幌駅から4kmほど西側にある桑園駅〜琴似駅などのエリアで、札幌市中心部から徒歩で気軽に移動できる距離ではない。

■「Mobike」利用可能エリア(赤枠の中が利用可能エリア)
「Mobike」利用可能エリア(赤枠の中が利用可能エリア)

そのためか「Mobike」の利用可能エリア内であっても、「Mobike」ユーザーをみかけることはほぼ無く、サービス自体はスタートしているものの、残念ながら「利用者は極めて少ない」状況と推測できる。
※「Mobike」は現時点で札幌市における利用実績を公開していない。

「Mobike」は、中国をはじめ世界各地でサービスを提供開始しており、日本国内の電話番号で登録したアカウントでも、世界各地の「Mobike」を利用することができる。この点は、都道府県を跨いで利用することさえできない「ドコモ・バイクシェア」系のサービスと比べて大きなメリット。

札幌市にて「Mobike」が提供開始されたことに伴い、これまではややハードルが高かった「日本人が世界各地でMobikeを使う」ハードルが一気に下がったのは、海外の都市で「Mobike」ユーザーを見かける度に羨ましく感じていた方にとっては朗報。

ただし、「Mobike」の日本国内向けサービス展開については、当初サービスを提供予定としていた福岡市ではなく、札幌市にて最初にサービスを提供開始するなど、計画通りには進められていない模様。

これは恐らく、サービスを開始するにあたって必要十分な駐輪ポートの準備に難航していることが理由と考えられ、「Mobike」に限らず国内でのシェアバイクサービスを提供する各社共通の課題と思われる。

このほか、「Mobike」は指定する利用可能エリア外での駐輪について「30分ごとに1万円」の超高額のペナルティを設定しており、事実上利用可能エリア外でのサービス利用を認めていない。(このルールは、「Mobike」が札幌にてサービスを提供開始した後に追加された。)

■利用可能エリア外での駐輪は「30分毎に1万円」の課金
利用可能エリア外での駐輪は「30分毎に1万円」の課金

「Mobike」の意図としては、サービス側が意図しないエリアに「Mobike」が移動してしまうことを防ぐためのルールであることは理解できるものの、アプリ上は利用可能エリア外に見える場所にポートが設置されているなど、かなり雑な対応である印象を受ける。

■利用可能エリア外にポートが設置されているように見える
利用可能エリア外にポートが設置されているように見える

個人的には、世界各地でサービスを提供している「Mobike」が日本国内で使えるようになることにもカナリ期待をしていたけれど、少なくともサービス開始からこれまでの動きを見る限り、日本国内でのサービス展開については難航している様子が覗える。

なお、「Mobike」は2017年11月末で札幌市でのサービス提供を終了(冬期休業)の予定。現時点では札幌市以外でサービスを提供開始できていないため、(少なくとも)一時的には国内でサービスが提供されていない状態となる可能性も。

「ofo」はソフトバンクグループと提携…のハズが?

「Mobike」に続いて日本国内への参入を発表していたのは、同じく中国発のシェアバイク「ofo」。

「ofo」は、ソフトバンクのグループ会社「ソフトバンクコマース&サービス」と提携の上、2017年9月以降に東京・大阪にてサービスを提供予定であることを発表、10月には「ofo」アプリの日本語化が完了するなど、日本国内向けのサービス展開に向けた準備を進めていることがうかがえた。

さらに、10月16日には「ofo」の公式アカウントで「日本に上陸」とツイートした。

10月21日(土)・22日(日)には東京・代々木公園にて開催された「チャイナフェスティバル2017」で国内使用の自転車を展示、試乗ができるようになっており、サービス提供開始が近いことを予想させたものの、その後1カ月近く動きが無く、サービス提供開始に向けた動きが順調なのか?は心配なところ。

■日本参入予定の「ofo」、国内仕様の自転車を展示
日本参入予定の「ofo」、国内仕様の自転車を展示

ソフトバンク・セブンイレブンと提携した「HEELO CYCLING」

「ofo」とソフトバンクコマース&サービスの提携が停滞しているように見える中で、ソフトバンク系の「OpenStreet」とセブンイレブンが提携し「HEELO CYCLING」を活用したシェアバイクサービス用のポートをセブンイレブンに設置することが発表された。

プレスリリースによると、セブンイレブン店舗へのポート設置は2018年度中に1,000店舗へ拡大が予定されている。

■セブンイレブンに設置される「ステーション」イメージ
セブンイレブンに設置される「ステーション」イメージ

既にご紹介の通り、「ofo」はソフトバンクコマース&サービスと、そしてセブン-イレブン・ジャパンは「ドコモ・バイクシェア」とそれぞれ提携している中で、新たに発表されたソフトバンク系の「OpenStreet」とセブンイレブンの提携は意外だった。

ドコモ・バイクシェアとセブンイレブンの提携では、当初2017年6月末までに都内のセブンイレブン100店舗にポート設置が目標とされていたものの、実績値では予想を大きく下回りポートが設置されているのは30店舗程度に留まっている。(2017年11月22日時点)

この例を見ると、新たに発表された「HEELO CYCLING」をベースにしたサービスでの提携がうまくいくのか?は不安を覚えるところ。(うまくいって欲しいのだけれども…。)

なお、「HEELO CYCLING」は東京都中野区などを中心にサービスを展開中。