ドコモ・バイクシェアが東京都内9区(千代田区・中央区・江東区・港区・新宿区・文京区・渋谷区・品川区・大田区)で提供中の自転車シェアリングサービスを利用して、約65円(税別)で東京都内各地を自転車に乗りながら散歩してみた。
新宿区自転車シェアリングのサービス紹介は以下にて。
東京・新宿区自転車シェアリング(レンタサイクル)
「電動アシスト付き自転車が1日65円」のカラクリ
東京都内における「ドコモ・バイクシェア」の料金プランは、たまに自転車を使う「1回会員」が基本料金0円、レンタルの都度最初の30分150円、以降30分ごとに100円。利用頻度の高い方向けの「月額会員」が月額2,000円/月、レンタルから最初の30分は無料、以降30分毎に100円。観光向けの「1日パス」が1,500円(Felicaカードなしの場合は2,000円)で提供されている。
※料金は税別。
■新宿区自転車シェアリング料金
提供されているプランのうち、「月額会員」の基本料金(月額2,000円)は1日約65円に日割りされる上に、「最初の30分は無料」となっているため「レンタル開始から30分以内にポートに返却する」を繰り返せば、追加料金は発生しない。
このため、以下の二点を徹底すれば、1日あたり約65円で東京都内9区で電動アシストつき自転車を利用できる。
・自転車をレンタルをする日だけ「月額会員」になる。
・レンタル開始から30分以内にポートに返却する。
注意点として、会員プランの変更は毎月10回毎月2回までに制限されている。具体的に言うと、基本料金のかからない「1日会員」→「月額会員」の変更で1回、さらに「1日会員」への変更で2回の変更となる。また、プラン変更は最短でも「翌日から」の指定となるので、「今日は休日だし天気が良いから、月額会員に登録して使ってみよう」という使い方はできない。
料金プランの変更自体は、自転車シェアリングサービスのWebサイトから簡単に(ただし使い勝手はイマイチ)行える。
ドコモ・バイクシェアは、都内9区のポートが約460箇所に拡大しており「最寄りのポートまで電動アシストつき自転車で30分以上かかる」という箇所は存在しない。よって(所要時間を無視すれば)都内のドコモ・バイクシェアポートが設置されているエリアは1日65円で移動することも不可能ではない。
■ドコモ・バイクシェア、都内ポートは約460箇所に
東京都内の公共交通機関は、都営バスの一般系統が210円(IC 206円)、都営地下鉄が1km〜4kmまで180円(IC 174円)、山手線で隣の駅までがおよそ150円なので、運賃だけで比較すれば「都内9区の移動が65円/1日」になるのは格安と言える。
※もちろん、自ら自転車を漕ぐ必要がある&返却・レンタル用のポートを探す手間が小さくないなどの点はあるけれど。
走行ルート:新宿エリア→靖国神社→皇居→溜池山王
実際に自転車で移動したルートは以下。
GoogleMaps「タイムライン」による集計では、自転車での移動時間は合計約6時間、移動距離は74.7kmとのこと。
■移動時間は約6時間/移動距離は約75km
※実際の移動距離よりも大きく計算されているような気はする…。
■新宿御苑(大木戸門)近くのポートから出発
新宿御苑は、新宿駅側の新宿門、四谷三丁目側の大木戸門、千駄ヶ谷駅側の千駄ヶ谷門があり、このうち四谷三丁目に近い大木戸門には、すぐ近くに新宿区自転車シェアリングの「D1-02.四谷特別出張所」ポートがある。
なお、新宿御苑の入場料(大人)は200円、年間パスポートは2,000円で発行日から1年間、新宿御苑を何度でも追加料金なしで入場できる。
■新宿御苑(大木戸門)
新宿駅から見て東側にあたる新宿御苑から、西側にある東京都庁方面へ移動。甲州街道の新宿駅付近は坂になっているものの、電動アシストつきの自転車は少々の坂は気にならないのが大きなメリット。
■東京都庁
東京都庁の間近にはサイクルポートは無いので、都庁を訪問する場合は近隣のポートを利用する。東京都庁の西側にある新宿中央公園には、敷地内に全5箇所のサイクルポートが設置されている。(公園の敷地自体がかなり広く、各入口にポートが設置されているイメージ)
■新宿中央公園のサイクルポート
その後、新宿中央公園から市ヶ谷方面を目指して移動。「月額会員」が無料でレンタル可能な30分で靖国神社あたりまで行けるかなと思って居たけれど、移動している最中に30分間では靖国神社に間に合わないことが判明したので、市ヶ谷駅近くの「A6-13.番町会館」(千代田区)で一旦自転車を返却。その後改めて靖国神社方面へ移動。
■A6-13.番町会館(千代田区)
■新宿中央公園→番町会館までピッタリ30分だった(約5km)
■靖国神社
靖国神社には、九段坂上交差点のあたりに「A1-06.靖国神社」ポートが設置されている。
続いて靖国神社から皇居方面へ。皇居周辺は、近接する地下鉄駅や商業施設にサイクルポートが設置されているものの、西側の千鳥ヶ淵や半蔵門付近にはサイクルポートが設置されていない。また、皇居周辺は観光客や皇居ランを楽しむランナーで混雑している。
■皇居 大手門(大手渡櫓門)
皇居(東側)から向かったのは、国会議事堂・溜池山王方面。国会議事堂の近隣は、一見すると通行できそうな道でも警備上の理由によって通れないエリアがあるので、自転車で走行時には注意。なお、キツめの坂が多いエリアでもあるので、電動アシストつき自転車の恩恵を感じるエリアでもある。
■国会議事堂
NTTドコモの本社である「山王パークタワー」の向かいのビルには、ドコモの5Gデモ用バスが展示(駐車)されていた。
■ドコモ5G デモバス(溜池山王)
ちょうどお昼時間帯だったので「C3-10.ファミリーマート特許庁前店」にて水分補給&休憩。ドコモ・バイクシェアは、セブンイレブン・ローソン・ファミリーマートなどいくつかのコンビニにポートを併設しているものの、「都内セブンイレブンには大抵ポートがある」という状況では無いのが悩ましいところ。
■C3-10.ファミリーマート特許庁前店で休憩
走行ルート:六本木ヒルズ→東京タワー→大田区方面へ
休憩後、六本木ヒルズを経由して東京タワー方面へ。現地に行くまで知らなかったけれど、六本木ヒルズにもサイクルポートが設置されており、六本木ヒルズに行く/帰る際のアクセスとしてドコモ・バイクシェアのサービスを活用できる。
個人的に、都営大江戸線の六本木駅から六本木ヒルズ方面に向かうと「駅を出るまでが長い」と感じることがあったので、今後六本木ヒルズに用事があったらドコモ・バイクシェアを使ってみようかなと。
ただし、六本木エリア(特に六本木一丁目駅付近)は、道路の反対側に横断するための横断歩道が無いことがあり、予想していたよりも遠回りしないと目的地に辿りつかないことがあるのでご注意を。
※今回は、アークヒルズ→六本木ヒルズを移動する際に横断歩道が見つからずに困った。
■六本木ヒルズ
■「C2-02. 六本木ヒルズ」
余談にはなるけれど、今回自転車で走行したエリアの中で、食事の宅配サービス「UberEATS」の配達員を見かける機会が最も多かったのは港区の六本木エリア。日本人に限らず、外国人の配達スタッフを見かける機会も多かった。
■「UberEATS」の配達スタッフ(六本木ヒルズ)
■東京タワー(南側から)
今回、東京タワーの中には入らなかったけれど、東京タワー内の施設を利用する場合には、最寄りポートとして「C1-15.東京タワー」があるので、東京タワーへの移動にも使える。
東京タワー付近から南下して品川駅方面へ。品川区および大田区は、2018年4月1日から「広域相互利用」が可能となり、既存の7区(千代田区・中央区・港区・江東区・新宿区・文京区・渋谷区)で借りた自転車を品川区・大田区でレンタルおよび返却が可能になっている。
※ちなみに、品川駅近辺は南側を除いて港区。
■「C5-06.品川シーズンテラス」
品川駅から品川区・大田区方面へ移動。途中、品川区にあるショッピングモール「ウィラ大井」に立ち寄り。(自転車返却のため)
■「I1-22. ウィラ大井」
■勝島橋(大井競馬場付近)
東京モノレールの流通センター駅から森ヶ崎方面へ。流通センター駅から森ヶ崎方面は、首都高速1号羽田線に沿って流通センターから南へ→昭和島を経由して進めればさほど時間を要しないものの、このルートが自転車移動できるか?はやや不安があった。(結果、一部手押しで進む必要があったけど自転車で移動できた。)
■昭和島経由で森ヶ崎方面へ(昭和島・見晴らし橋)
今回、確認したかったことの一つは「羽田空港を深夜早朝便で到着、公共交通機関が無い時間帯にシェア自転車で移動できるか?」という点。
最寄の自転車ポートは「K1-13.羽田特別出張所」で、羽田空港国際線ターミナルからの距離は約3km。徒歩での移動は不可能ではないけれど、アクセスが良いとは言い難い。
■K1-13.羽田特別出張所
深夜・早朝時間帯の羽田空港国際線ターミナルと各地を移動する方法として、2014年冬から深夜早朝バスが運行されているので、深夜早朝バスとタクシーの組み合わせがオーソドックスな移動手段。
羽田特別出張所から、大田区コミュニティサイクルのほぼ最南端ポートとなる「K1-31. テクノWING」へ。
※テクノWINGが最南端と思って着いた後に気付いたけれど、最南端は恐らく「K1-27.六郷文化センター」。
■「K1-31.テクノWING」
目的地を「大田区の南部」と決めていたので、ここまでを往路として折り返して復路。復路は次の予定がある神保町駅付近を目指したけれど、「K1-31.テクノWING」を出発してから約1時間30分で移動できたのは都営浅草線/三田線の三田駅付近まで。混雑状況などなどにもよるけれど、30分間で移動できる距離はおよそ4km〜6kmだった。
まとめ
ドコモ・バイクシェアの電動アシストつき自転車は、自転車の状態が良ければ長時間乗ってもそれほど疲れを感じないものの、通常の自転車と比べて最高速度が特別に速いわけではなく、「高速に移動できる手段」というよりは坂の多いエリアでもそれほど体力を使わずに移動できる手段。という感じ。
東京都エリアにおける、ドコモ・バイクシェアの1日パスは専用カードを使わない場合1,500円。この料金は、東京メトロ・都営地下鉄の1日乗車券(900円)よりも高い設定で、これらの公共交通機関で移動できるエリア内での利用に関して言うと、料金的なメリットが薄いように思う。
今回は、新たに広域利用可能エリアに加わった品川区・大田区を走行してみる。という目的があったけれど、近距離での移動についても「月額プランを1日だけ使う」という工夫をすれば、都内の公共交通機関よりも移動が割安になるので、機会があれば短距離の利用で使ってみようかなと。