SIMロック解除によってキャリアメールが利用不可、端末代が40,000高くなる。ことはない

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『SIMロックを解除した場合、キャリアメールは使用不可となる』という説明が、大手のメディア(モバイル専門では無い)でされているのをみかけたけれど、SIMロックを解除することで、各キャリアの提供するメールサービス(例えばspモードメール)などが使えなくなるなど)ことは無く、キャリアメール以外にも『SIMロックを解除すること』で、特定の機能が利用不可能になるということは無い。

■『SIMロックを解除した場合、キャリアメールは使用不可になる』という趣旨の記載
SIMロックフリー が話題だけど どういう意味 トラブル解決Q A ネット デジタル YOMIURI ONLINE 読売新聞

「SIMロックフリー」が話題だけど、どういう意味?
http://www.yomiuri.co.jp/net/qanda/20140317-OYT8T00436.htm

『SIMロックの解除によってキャリアメールが利用できなくなる』と近い意味の事実としては、例えばSIMロックを解除したドコモのiモード端末を使って、auやSoftBankが提供するメールサービスを利用することは出来ない。

という点は事実ではあるけれど、『ドコモ端末のSIMロックを解除するとドコモの提供するメールサービス(spモードメールやiモードメール)が利用できなくなる』というのは正しくなく、SIMロックを解除したドコモのスマートフォンで、ドコモと契約中で有効なSIMカードを挿していれば何ら問題無くspモードなどのメールサービスを利用継続できる。

もう1点、よく謳われているのが『SIMフリー端末は端末代が高い』という話だけれど『端末代』の定価そのものは、国内キャリアが販売するSIMロックがかかった端末と、SIMフリーで販売されている端末を比べて、後者の方が極端に高くなる。とするのは少々乱暴なように感じる。

例えば、NTTドコモの販売するGALAXY Note 3(SC-01F)は端末代の定価が92,400円となっており、SIMロックがかかっている状態にも関わらず、端末代の定価は90,000円を超えている。

ドコモなどの通信事業者が販売している端末を購入する場合、『月々サポート』のような通信料の割引を受けることが可能となっており、『月々サポート』などの通信料の割引代と端末代を割賦支払した場合の代金が差し引きで0円になる端末を『実質0円』と呼ぶけれど、仮に『実質0円』であったとしても、支払する端末代の総額が安くなっているわけではなく、月々サポート(などの割引)は、あくまでも『通信料からの割引』である点に注意が必要。

具体的には、端末代の定価が92,400円のGALAXY Note 3(SC-01F)を契約時、仮に総額92,400円(3,850円/月)の月々サポートが付与されるような条件で契約(月々サポート金額は仮)をしたとしても、GALAXY Note 3の購入から12ヶ月後に、別の機種に再度機種変更を行う、あるいは何らかの事情で解約をしたとすると、適用される『月々サポート』の金額は12ヶ月分となり、総額92,400円のうち、半分にあたる46,200円分の割引が受けられなくなる。
※この場合でも、端末代が半額になるわけではなく、月々サポートによる割引の適用金額にかかわらず、端末代は満額を支払う必要がある。

一方で、GALAXY Note 3のSIMフリー版の販売価格は店舗によって差はあるものの、海外のSIMフリー端末などを販売するEXPANSYSでは、3月20日現在の販売価格が約64,000円となっており、端末代そのものはSIMロック版であるドコモ版の定価よりも安くなっている。

Samsung GALAXY Note 3 N9005 (SIM フリー LTE 32GB, ブラック)

ちなみに、au版のGALAXY Note 3(SCL22)も、端末代の定価は75,600円となっており、SIMフリー版よりも高く設定されているものの、こちらは新規契約またはMNPによる他社からの乗り換えで21,000円、機種変更時に10,500円の割引が設定されているため、場合によってはSIMフリー版よりも端末代が安くなるこ。とは事実であることは付け加えておきたい。

但し、何れの場合も『SIMフリー端末はSIMロックされている端末よりも高い』とは一概には言えず、端末代そのものについては、SIMフリー版とSIMロック版の端末でそれほど大きな差が無く、場合によってはSIMロック版の方が端末代が高くなることもある(特にドコモで多い)というのが昨今の傾向であるように思う。

例外的に、MNPによる乗り換えによって適用されるキャンペーンによる割引で、端末代が極端に安くなる。というケースはあるものの、これも端末のSIMロックの有無とは関係無く行われる割引であり、具体例を挙げると国内キャリアから販売される数少ない(最初から)SIMフリー端末である、イー・モバイルのNexus 5(EM01L)は、SoftBank以外からのMNP契約によって端末代が0円(32GB版は5,000円)になるキャンペーンが3月末までの期間限定で行われている。
関連エントリ:イー・モバイル『Nexus 5』がMNP一括で0円になるキャンペーンを3月末まで延長/3月中旬からは新色レッドも発売予定 | shimajiro@mobiler

そんなわけで話を戻すと、SIMロックの解除によって、キャリアメールが利用できなくなる(あるいは、その他機能が利用できなくなる)制限が端末に加わることは無いし、SIMロックの解除に対応したことで端末代が値上がりした、あるいはSIMフリー版よりも極端に安く購入できる。というのは事実では無いと想う。というお話。

個人的には、海外へ渡航する機会が割と多いので、SIMロック解除に非対応の端末は端末が魅力的であっても利用するハードルが高くなる(実質、日本専用端末になる)ので、日本で販売される端末もSIMロックの解除あるいは『最初からSIMフリー』という選択肢が増えたら嬉しいなとは思うところ。

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