『だれとでも定額パス』を利用開始してから1週間が経過したのでレビュー
- 『カードサイズ』に収められたコンパクトな本体は『カバンに入れていることを忘れる』
- 『AndroidスマートフォンにPHS機能が追加』されるようなイメージで使える
- インテント非対応なのは残念なところ
- 連続待受時間は250時間/今のところ充電したのは1回だけ
- Bluetooth切断時のアラームはかなり怖いので速攻でオフに
- 本体のLED表示が見づらい
- アプリの出来はもう一つ改善して欲しいところ
だれとでも定額パスは本体サイズが非常に小さく、軽くなっており、この端末が『PHS本体』と言われても、『え?これが本体なの?』と思うほど、本体そのものはコンパクトで小さい。
■だれとでも定額パスのサイズ
※左:だれとでも定額パス/右:GALAXY S4(SC-04E)
端末サイズが小さい上に、重さは約32gと軽量になっているので『カバンに入れていることを意識させない』本体に仕上げられており、実際にカバンに入れて携帯していても『持っている事を忘れてしまう』ような感覚になる。
だれとでも定額パスは、本体 + Androidスマートフォン向けの専用アプリケーションで動作する。
だれとでも定額パスアプリのダウンロードは以下より。
だれとでも定額パス アプリ – Google Play の Android アプリ
■だれとでも定額パス専用アプリケーション
だれとでも定額パスのアプリケーションは、
・キーパッドを使った発信
・発着信履歴からの発信
・電話帳からの発信
・お気に入り登録した相手への発信
に対応している。
電話帳はAndroidスマートフォン側の連絡帳のデータを参照・同期しているため、本体側の連絡先を新規追加あるいは更新した際は、だれとでも定額パスアプリ側の電話帳にも自動的にデータが同期されるので、『電話帳に新規登録した相手先への発信操作が面倒』というような使い勝手の悪さは無い。
更に、期待を上回る使い勝手だったのが、だれとでも定額パスのPHS番号だけでなく、Androidスマートフォン側の電話番号での発着信履歴についても、だれとでも定額パスアプリ側から参照可能になっているため、例えばAndroidスマートフォン側の電話番号宛に着信した電話に対して、だれとでも定額パス(PHS)を使って折り返し電話する。という使い方がカンタンにできる。
これによって、例えば同一キャリア同士や同一のファミリー割引グループに属しており、通話料が無料になる相手先にはAndroidスマートフォンの電話番号から発信を行い、Androidスマートフォンからの発信では通話料が無料にならない相手にはPHS側から発信する。
というような使い分けが、アプリケーション上でカンタンに可能になっているのは、自由度の高いAndroidのアプリケーションならではと思う。
■発着信履歴に対して3GまたはPHSでの発信を選択することが可能
だれとでも定額パスは、
(1)本体を『持っている』ことを忘れるようなサイズ/重さ
(2)電話帳データをAndroid側と同期される
(3)発着信履歴がAndroid側と同期される
(4)発着信の操作は全てAndroid側から行う
という4つのポイントから、『AndroidスマートフォンからPHSがアプリで使えるようになる』というイメージで使えるのが、個人的にはとても面白くて、当初思っていた『AndroidスマートフォンとPHS端末を別途1台持ち歩くのとそう大きく変わらない』という考えは、良い意味で大きく裏切られている。
一方で残念なポイントとしては、だれとでも定額パスアプリが、インテントによる通話発信に非対応となっていること。
例えば、Webブラウザ上に表示された電話番号に発信する。という操作では、だれとでも定額パス側に電話番号をインテントで受渡を行うことができない。
■Webブラウザ上で表示される電話番号を選択
■だれとでも定額パスで発信ができない
Skypeや050 PlusなどのVoIPアプリケーションは、インテントでの発信に対応している。
Webサイトに記載されている電話番号にだれとでも定額パスから発信を行うための方法としては、単純に電話番号をコピー&ペーストするあるいは、一度3G側で発信 ⇒ 発信する前にすぐに終話 ⇒ だれとでも定額パスアプリの発信履歴からPHSで発信する。
という操作が必要になり、いずれの方法でも手間が大きく、この部分については『なぜ対応しないのだろう』と率直に疑問が残るところ。
WILLCOMは『通信業界のLCC』であるとされているけれど、航空業界のLCCの多くがそうであるように『徹底的にコストを削減する』という方針であれば、むしろ専用アプリケーションを用意せずに(あるいは非常にシンプルな機能に絞って提供し)、だれとでも定額パスアプリケーションは『インテントで呼ばれるだけ』のアプリケーションに徹する。という考え方もあったのは。と思う。
※とはいえ、PHS電話番号の確認や各種設定のために、アプリケーションが必要。というのは理解できるので、やっぱりここはインテントに対応して欲しいところ。
だれとでも定額パスは、PHS側での待受と、AndroidスマートフォンとのBluetooth接続を常時続ける製品なので、連続待受時間が短いかも?という点がやや気になったけれど、連続待受時間はカタログスペックで250時間となっており、実際に購入してから1週間以上利用してみても、最初にフル充電してから今まで使い続けることができており、連続待受時間は長い。
Androidスマートフォン側のバッテリ消費についても、Bluetoothを接続しっぱなしになるということで多少はバッテリを食うようになっているものとは思うけれど、あまり気になるレベルでは無い。
バッテリ消費が大きい場合は、バッテリ容量の大きいGALAXY Note 2で利用することも考えたけれど、前述の電話帳&発着信履歴の同期によるだれとでも定額パスの使い勝手が期待していた以上に使いやすかったので、メインの音声通話用番号を入れて使っているGALAXY S4(SC-04E)と接続して使い続けている。
そんなわけで、スマートフォンを複数台持ちしている場合、どの端末をだれとでも定額パスと接続して使うか?に迷ったら、『メインの音声電話の番号で使っているスマートフォン』で利用する事を強くオススメする。
※それ以外の使い方では、だれとでも定額パスの魅力は半減してしまうのではと思う。
だれとでも定額パスで一番ビックリしたのが、Bluetooth接続が切断された際のアラーム音。
一番最初にこれを聞いたのが、だれとでも定額パスを置いた部屋と別の部屋で寝ようとした時で、最初は何のアラーム音なのかわからず、アタマが動かない状態だったこともあって、緊急地震速報の類い?(丁度地震も多かったので)と、いろんな不安がアタマをよぎったけれど、結果的にはだれとでも定額パスのBluetooth接続が切れた事を知らせるアラーム音だった(^ ^;
Bluetooth切断時のアラーム音の設定は、だれとでも定額パス専用アプリケーション上で、
メニュー(本体メニューキー) > 設定 > Bluetooth設定 > Bluetooth接続アラーム
を変更することで、ON/OFF切り替えが可能。
本体周りでちょっと不満に思っているのは、本体のPHS電波状態などを示すLEDがみづらいこと。
■本体のLED表示
左:PHS電波状況/右:Bluetooth接続状況が共にグリーンに点灯している
『だれとでも定額パス』は本体単体で使うことはない(できない)ので、Androidスマートフォンのアプリ上から電波状態などを確認すればいい。という考えで割り切った。とも言えるかもしれないけれど、見にくいものは見にくいので、これは何とかして欲しかったなぁ…とは思う。
だれとでも定額パスの利用でイマイチと思っているのは専用アプリケーション全体の使い勝手で、『どこが悪い』と言われるとなかなか難しいのだけれど、実際に使ってみると『使いにくさ』や『操作上の戸惑い』を感じることも少なく無いのではと思う。
※極端にヒドイとは思わないけれど、操作上戸惑うことはそれなりに多い。
アプリケーションの使い勝手は、ソフトウェアのバージョンアップによって洗練されていくといいなと。
そんなわけで『AndroidスマートフォンにPHSの機能が追加される』というイメージで使えるのは面白く、月額料金も戦略的に安く(パス専用プランの基本料金は480円/月)設定されている面白い商品で、利用するAndroidスマートフォンが機種変更などによって変わっても、基本的には『Androidスマートフォン向けのPHSアドオン』という位置づけで使い続けることができるのが面白いなと。
自分の環境では今のところ不都合は出ていないけれど、端末によっては、インスト−ル要件を満たしていても、だれとでも定額パス用のアプリケーションがインストールできない。ということもあるという話を耳にしているので、これから購入を予定している方は、利用する端末で動作報告があるかを確認した方がベター。
WILLCOM公式のオンラインストア、WILLCOM NET SHOPでの販売は以下より。